バスのルートや時刻表、予算を最適化するプラットフォーム
世界1,000以上の都市で利用 公共交通機関の業務を最適化する ユニコーン企業Optibusの歩み
公共交通機関の運行シナリオ作成や、計画と運用のためのSaaSプラットフォームを提供するイスラエルのスタートアップOptibusは、最先端アルゴリズムとビッグデータ解析でルートや時刻表、予算を最適化することで、バスなどの顧客事業者の運行業務を効率化する。2022年5月には、資金調達総額は2億6,000万ドル、評価額は13億ドルに達し、公共交通分野に特化した初のユニコーン企業となったと発表した。大学在学中にOptibusのアイデアを作り始めた、共同創業者でCEOのAmos Haggiag氏に、起業の経緯や同社の取り組みについて聞いた。
スキャンするだけで自動車の損傷やオイル漏れも検知
イスラエル軍出身者の「セキュリティ」アイデアから生まれた AIによる車両検査・診断システム UVeye
UVeyeはセンサーとAIによる画像解析によって、自動車の車体を検査・診断するシステムを提供するスタートアップだ。イスラエル国防軍出身の創業者らが車両に隠された危険物の検出など、軍部のセキュリティに関する業務を目的として設立。現在はイスラエルと米国に本拠を置き、GMやボルボ(Volvo)、トヨタ、ヒュンダイ(Hyundai)などの自動車メーカーをはじめ、中古車ディーラー、物流会社などでの車両検査の効率化に活用されている。最高戦略責任者(CSO)のDavid Oren氏に、UVeyeのプロダクト概要や業況を聞いた。
スモールビジネスのEC事業者に「AIのCFOやCMO」を提供
ECセラーのサプライチェーンを管理し、キャッシュフローを最適化 8fig
Eコマースを展開する小規模事業者にとって、1番の問題はキャッシュフローだ。米テキサス州とイスラエルにオフィスを構える8figは、ECの販売事業者向けに資金調達とサプライチェーン管理ツールを提供するスタートアップだ。事業者の成長軌道をAIで分析。商品出荷の遅延や需要の変動などサプライチェーンを管理し、キャッシュフローの最適化や柔軟な資金調達を可能にする。8figの共同創業者でCEOのYaron Shapira氏に、起業のきっかけや今後の事業戦略などについて聞いた。
AIモデルを「圧縮」せず、「リ・デザイン」してより速く、正確に
AIモデルをCPUのスペックに合わせて「最適化」するDeci AI ボトルネックを解消し本来の能力を発揮させる
昨今発展を続けるAIモデル。人間の「インプットとアウトプット」と遜色ないレベルまで発達してきているが、企業にとっては、「ハードウェアがAIモデルの発展に対応できない」ことがボトルネックとなっていた。イスラエル発スタートアップのDeci AIは「AutoNAC」というプラットフォームを開発し、その課題を解決しようとしている。同社共同創業者でCEOのYonatan Geifman氏に話を聞いた。
プロからアマ、ニッチな競技もカバー 効率的な映像配信
スポーツ映像を自動で撮影、編集、配信までこなす次世代AIカメラ Pixellot
先駆的なAIによる自動映像制作ソリューションで、スポーツ中継の世界に新たな波を起こしているPixellot(本社:イスラエル)は、Gal Oz氏(Co-Founder & CTO)とMiky Tamir氏が2013年に設立した。ハイテク企業の経営に豊富な経験を持つAlon Werber氏が2015年、CEOに就任後、設立当初12人だった社員数は250人規模に拡大し、2022年現在、世界約70カ国、2万5,000超の施設でPixcellotのカメラが導入済みという快進撃を続けている。
自動車分野でのソフトウェアの異常検知と自動更新
コネクテッドカー向け AIを活用したソフトウェアの自己修復ソリューション Aurora Labs
自動車には、自律運転プログラムや車両の状態確認など、ソフトウェアが欠かせなくなっている。公道を走るという性質上、パソコンやスマートフォン以上に安全性が求められるため、プログラムコードの品質管理やサイバー攻撃からの防御は重要だ。Aurora Labs(本社:イスラエル)は、コネクテッドカー向けにAIを活用したソフトウェアの自己修復ソリューションを提供する企業。共同創業者でCEOのZohar Fox氏に創業の経緯やプロダクトの特徴、将来展望を聞いた。
スタートアップ大国イスラエル、起業が盛んな「3つの理由」
現地VCが語る、コロナ禍のイスラエルスタートアップエコシステム最新事情
日本とシリコンバレーでの投資活動を経て、現在はイスラエルで三井物産と現地投資家が出資するベンチャーキャピタルMagenta Venture Partnersでスタートアップ投資を行う竹内寛氏。新型コロナウィルス感染症の影響を含めた現在のイスラエルスタートアップ状況、日本企業が進出する際のポイントや注意点、協業のコツまで幅広く語ってもらった。
世界で350社を超える企業が採用 クラウド使用量を自動で計算
クラウド・インフラ使用量をAIで最適化するZesty 社内インフラ担当エンジニアらに高いニーズ
イスラエル発スタートアップのZesty.co(以下、Zesty)は、人工知能(AI)の力で、クラウド・インフラの使用量を最適化するサービスを提供する。多くの企業は社内インフラのクラウド化を急いでいるが、インフラ使用量を最適化しない限りは、かえってオンプレミスシステムよりもコストがかさむケースもある。Zestyは、AIを用いたアルゴリズムで使用量を自動的に計算し、クラウド・インフラの費用を抑えるサービスを展開しているのだ。全世界で約350社をクライアントに抱える同社が目指す未来を、共同創業者で現CEOのMaxim Melamedov氏に聞いた。
コンピュータ・ビジョンで商品検知、セルフチェックアウトが可能に
既存のショッピングカートが「スマートカート」に変身 レジ待ち行列解消、購買分析も Shopic
Shopic(本社:イスラエル)は、スーパーマーケットなどで使われる既存のショッピングカートに取り付けるAI搭載のデバイスを開発するスタートアップだ。ユニークなクリップ・オン・デバイスを取り付けるだけで通常のカートは「スマートカート」となり、高性能なコンピュータ・ビジョンによって、カートに出し入れした商品を検知する。そのため、買い物客はレジで商品をスキャンする必要がなく、カート上で支払いまで完了でき、会計待ちの行列に並ばずストレスフリーなショッピングを楽しむことができるのだ。店舗側にとっても、効率的な在庫管理ができ、消費者インサイトを得ることが可能だ。
コンテンツを「つくる」時代に必要なツールをモバイルアプリに
クリエィティブ活動をもっと身近に。クリエイティビティの民主化を図るLightricks
これまでクリエイティブ活動というとプロのアーティストというイメージが強かった。しかし、日本では「インスタ映え」という言葉も流行り、InstagramやTikTok、YouTubeなどで誰もがコンテンツを制作しシェアできる時代になった。Lightricksはそんなクリエイティブな活動に欠かせない写真加工や動画編集ツールをモバイルアプリとして提供している。今回はCo-founder & CEOのZeev Farbman氏に話を聞いた。
Image: Lightricks
膨大な量のデータをリアルタイムに計算する能力と低消費電力
高い演算能力をコンパクトに提供し、エッジデバイスでAIのワークロードを実行するHailo
これまでクラウド側で実行されることが多かったAIを、エッジデバイスで動作させることにフォーカスしたプロセッサを提供するHailo(本社:イスラエル・テルアビブ)。同社のチップは、膨大な量のデータをリアルタイムに計算する能力を持ちながら、ほかのプロセッサと比べ消費電力を抑えることに成功した。イスラエル国防軍で勤務した後、同社を共同創業したCEOのOrr Danon氏に、製品の特徴や、日本市場でのスマートエッジAIの事業展開について聞いた。
100社以上が導入 SAP、アクセンチュア、世界銀行も
企業のアプリやAPI、データへのアクセス権限許可を一元管理 PlainID
デジタル空間が拡張し、クラウドサービスが隆盛を極める中、企業も自社のアプリケーションやAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)、データファイルなど膨大な量のデジタルアセットを管理しなければならない。イスラエル発のサイバーセキュリティ企業PlainIDは、それらをつなぎ、データとAPIのレベルまで誰がアクセスできるかの権限・許可の一元管理を可能にする。SAP、アクセンチュア、EYなど多くのグローバル企業がサービスを導入する。PlainIDの共同創業者で、CEOのOren Ohayon Harel氏に話を聞いた。
Image: PlainID
イスラエルのワイツマン科学研究所なども紹介
世界のディープテック(DeepTech)を把握【研究所発スタートアップトレンドレポート】
「TECHBLITZ」編集部では今回、研究と事業化の“溝”を埋めるため特別な取り組みを行う研究機関と、そこから誕生したスタートアップに焦点を当てた「研究所発スタートアップ Trend Report」を作成しました。