Image: SWING
次世代の移動手段として注目されている電動スクーター。米国ではBirdやJump、LIMEなど、アプリで手軽に電動スクーターを利用できるサービスが広まっているが、日本では規制もあり、なかなか普及が進んでいない。隣国である韓国では、電動スクーター最大手のSWINGが韓国で60都市、2万5000台の電動スクーターを展開しており、日本展開も視野に入れているという。今回は同社CEOで、日本にも居住経験のあるHyungsan Kim氏にインタビューした。

郊外でも都心でも気軽にいつでもスクーターをレンタル

――まずSWINGのサービスと特徴について教えてください。

 世界にはたくさんのライドシェアサービスがありますが、中でも私たちは電動スクーターのシェアサービスを提供しています。誰でも手軽に駐車してあるスクーターを借りてすぐに利用することができます。

 現在、韓国内において、私たちの電動スクーターは2万5000台以上が利用されており、60以上の都市でサービスを提供しています。本年度内には、スクーターを5万台にまで増やし、年商も20億円を突破する見込みです。

――起業のきっかけは何ですか。

 私はもともと日産で働いていて、日本に3年ほど住んだ経験もあります。また、ボストン・コンサルティング・グループおよびソフトバンクベンチャーズアジアでも働いていました。

 当時私は様々な企業を相手に、モビリティ関連のコンサルティングを行っていて、モビリティ関連業務や自律運転技術の開発に携わっていました。なので、自分の会社を立ち上げようと決意した時は、自身の経験をもとにライドシェアの波に乗ろうと思ったのがきっかけです。

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韓国と似たエコシステムの日本でも、公共交通機関の代わりにスクーターを

――なぜ電動スクーターに着目したのですか。

 まず韓国内も、日本国内もインフラが非常に整備されています。利用可能な交通機関も似通っています。同時に、人口密度が非常に高いのも特徴です。

 最近、若い人々は車を持ちたがりません。自分で運転免許も持ちたがらないし、車も購入しません。そのような世代は、積極的に公共交通機関を使いますし、タクシーを好みますが、電動スクーターの平均利用距離は2キロ程度なので、その距離をタクシーで移動するのは割りに合いません。2、3駅程度の距離は、スクーターがカバーできるので、電車やタクシーの代わりとなります。

 また、韓国では釜山もソウルも、郊外での需要も高いです。公共交通機関が敷かれていないところでも利便性があると証明されています。バスが30分に1本程度しか通っていないところでは、スクーターが力を発揮します。車を所有している家族でも、家族の誰かが車を使用していると残されたメンバーは移動手段がありませんから、そのような場面でもスクーターの利用が便利です。

 そして最後に、女性にとってスクーターは自転車と違って跨いだり、服を気にする必要がありません。自転車は乗り降りの見栄えがよくなかったり、スカートを着用していると乗れないので、女性は夏場の利用をためらいがちです。しかし、スクーターの場合そのようなことはありません。

――競合他社との違いは何でしょうか。

 まず私たちの電動スクーターはどこでもいつでも、道端で気軽に取ってレンタルすることができます。また、利用していない時は自身のパーソナルスクーターを他の人に貸し出しするサービスも開始しています。さらに、マンションや企業内などで特定の限られたコミュニティ内でシェアを可能にするコミュニティシェアリングも行っています。

Image: SWING

自転車や自動車など、他のモビリティサービス展開も視野に

――日本展開についてはどう考えていますか?

 日本と韓国は環境が非常に似ており、日本でも需要があると思っています。例えば、自動車企業やライドシェアサービスを提供する企業と提携して、広い範囲で私たちのサービスを展開できたらと思います。

 すでにスクーターも、ノウハウも私たちは持っていますから。韓国最大手の私たちであれば、日本国内で展開をしてシェアナンバーワンを獲得できるのではないでしょうか。野望は大きく必要な資金も大きいですが、実際に日本に参入することを本格的に検討しています。

 競合他社はたくさん存在しますし、日本市場に参入したい企業はこれからも増えるでしょう。しかしそれでも、私は韓国の企業が一番適切だと考えています。私は日本が大好きですし、私たちのブランドは日本で人気を博すと信じています。興味のある企業がいれば、ぜひお声がけしてほしいです。

――今後のビジョンをお聞かせください。

 日産で働いていた時から、私は個人的に自律運転型のタクシーに未来があると確信していたので、電動スクーターに限らず、将来は自転車や自動車など他のモビリティサービスの展開も目指しています。自律運転が軌道に乗るにはまだ10年ほどかかると予想していますが、私たちはその未来に向けて準備をしようと思っています。

Hyungsan Kim
SWING
Founder & CEO
ソウル大学校で経済学の学士号を取得後、フランスのINSEADでMBAを修得。ルノー・日産アライアンス及び、日産社で自律運転やモビリティ関連業務に携わったのちに、BCGやSoftBank Ventures Asiaでも同業務に従事する。2019年にSWINGを創業。

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