素早く開発し、素早くフロントエンドユーザーに
――どのようなサービスを提供していますか。
Vercel はWebサービスやWebアプリケーションで直接ユーザーの目に触れる「フロントエンド」を開発するためのフレームワークを提供しています。Next.jsのアプリケーション適用も世界中で自動的に実行できます。
素早く開発し、素早くフロントエンドユーザーに届けられるところが私たちのプラットフォームの価値です。新しい機能を付けたいときに、これまでは1ヵ月とか、少なくとも1週間かかっていたものが、Vercelでは1日に何回でも更新できます。
――この領域の世界的なトレンドはあるのでしょうか?その中でVercelの強みはどこにありますか。
フロントエンドについて言えば、本当の意味でグローバルなクラウドであるということです。これまで、クラウドとは言っても、本来どこにでもあるはずのものが地域を選ぶ必要がありました。
それから、開発のプロセスについても変わってきています。多くの開発者はバックエンドから動きはじめますが、結局のところ最終的なユーザーはバックエンドのことは気にしていません。
Vercelは最終的な顧客の使い勝手に優先順位を置いています。早いだけ、全世界にあるというだけではなく、開発者にテイラーメイドでカスタマイズできるような能力を与えている点に私たちの強みがあります。
コロナ禍、毎月30%利用拡大
――成長率が分かるような数値はありますか?
私たちはオープンソースによる技術で、公開されたプラットフォームなのです。なので、1つの指標はどれくらいのWebサイトにNext.jsが使われているかというものなのですが、世界のトップの1000サイトを見ると、前月比33%で成長しています。
個人のサイトや趣味のサイトだけではなく、大企業も使っています。Vercelのグローバルなプラットフォームで進行しているプロジェクトも前月比27%で成長しています。2020年は新型コロナウイルス対応で、それぞれの国のガイドラインなどに合わせてWebサイトを更新する必要性も増しました。
――頻繁に更新する上で力強いツールになるのですね。
Webサイトというのは、永遠に完成しないものですよね。日本語に「カイゼン」という言葉があるのを聞いたことがありますが、常に改善されていくものなので、そのためのツールを提供しているということです。
プレビューを社内で共有することも簡単です。これまで更新に30分や1時間かかっていましたが、これを秒単位で実行できるので、常にテストして改善することができます。
日本は第二の市場
――日本でのパートナーシップに関心はありますか?
日本は既に米国に次ぐ重要な市場です。直接日本市場のためにコンテンツを用意してきたわけではないのですが、改善とイノベーションが常にされており、オーガニックに成長しています。これから日本語に翻訳をしたり、コンテンツを日本語で持ち込めば、もっと伸ばせるのではと考えています。
この分野の技術が分かる専門家を増やして、私たちのプラットフォーム利用を増やすようなパートナーシップも考えていきたいです。顧客、開発者、エージェントのネットワークを構築して、それをVercelのコミュニティの一部にしていきたいのです。