Image: elenabsl / Shutterstock
人々の健康維持管理をはじめ、診療へのアクセス、予防医療や生活の質を向上させるために、テクノロジーを活かしたヘルスケア・医療分野のデジタル化が進んでいます。通信技術を使った遠隔医療や人工知能(AI)を活用した画像診断に加え、薬の宅配やメンタルヘルスケアのアプリなど、より身近に、人々の暮らしに寄り添ったサービスも生まれています。年々拡大するヘルステック市場で、医療業界や健康課題の解決に取り組む注目のスタートアップを紹介します。

Facebookの元エンジニアが取り組む医療業界の課題とは?

処方薬を無料宅配 患者や医師の負担を減らし健康につなげる デジタル調剤薬局Alto Pharmacy

テクノロジーによって世界をより良い場所にしていきたい―。そんな夢を描いていたFacebookの元エンジニア2人が起業の際に選んだのは医療業界の課題だった。Alto Pharmacy(本社:米カリフォルニア州)は、処方薬をデリバリーするオンライン薬局だ。多くの患者が処方薬を受け取らないことで生じる医療費増大を回避し、誰もが安心して服薬できるよう、店舗を持たない代わりに、より早く、無料宅配する仕組みを構築した。創業者のひとりでCo-CEOのJamie Karraker氏に、創業の経緯や業況、ソフトバンク・ビジョン・ファンドから得た2億ドルの使途、将来展望などを聞いた。

AIでヘルスケアデータをアノテーション

医療界の「キャプチャ認証」。1日100万件以上もの画像データをラベル付けするプラットフォームCentaur Labs

信号機の画像を選んだり、歩道の画像を選んだり…誰もがきっとなじみがあるであろう「キャプチャ認証」。ロボットでないことを証明するために、今やどのログインでも表示されるのが当たり前のサービスである。しかし、その画像を医療データに差し替え、医療従事者に適切な画像を選んでもらうユニークなサービスを提供するのが、米国発のヘルスケア企業Centaur Labsである。共同創業者兼CEOのErik Duhaime氏に話を聞いた。

TIME誌の「THE BEST INVENTIONS OF 2022」選出の瞑想アプリ

VR瞑想でストレスを軽減するデジタル・サイケデリックアプリTRIPP

日々情報過多に見舞われる現代人にとって、自分だけの空間でリラックスをする時間は貴重なもの。今回紹介するTRIPPは、VRを使い瞑想に没頭することができるウェルネスアプリ。資金調達や収益化に苦労しがちなVR業界で16億円の資金調達に成功し順調に成長を続けている。TRIPPのCEOであり、Oculusの初期投資家でもあるNanea Reeves氏にインタビューした。

メンタルヘルスケア 起業のきっかけは自身も襲われた「不安」

Tiger Global、Y Combinatorも出資 アジア全域にメンタルヘルスケアの包括的なプラットフォームを Intellect

アジアを中心とした20の国と地域の300万人に対してメンタルヘルスケアアプリを提供するIntellect(本社:シンガポール)。アプリでは、ユーザー自身がセルフケアするためのガイドや、認定コーチによるライブサポート、心理学者や精神科医とのマッチングなどを提供している。Tiger Global、JAFCO Asia、Headline Asia、DG Daiwa Ventures、Y Combinator、MS&AD Ventures、PERSOLホールディングスから得た資金をもとに、2022年9月にIntellect Japan株式会社を設立し、日本市場での展開も開始した。Intellectの創業者でCEOのTheodoric Chew氏に創業の経緯や今後の展望を聞いた。

デジタルでよりパーソナライズされた医療の提供へ

ヘルステック12分野の最新トレンド。遠隔医療やAI画像診断、メンタルヘルス領域まで

高齢化の進展が加速する中、世界中で健康寿命の延伸が社会課題となる一方、個人のレベルでも健康意識が高まってきているように感じられます。人工知能、通信、センシング技術の急速な発達ともあいまって、医療・ヘルスケア分野のデジタル化が加速し、リモート医療やヘルスケアデータの活用、よりパーソナライズされた医療の提供もますます現実味を帯びてきました。今回は、ヘルステックに関連するテーマを12に分けて、テーマごとに代表的なスタートアップを紹介します。

「高額な診療費請求」から起業を決意 選択肢を増やすために

医療サービスをショッピング!従来の保険の代わりとなる医療購買プラットフォームSesame

国ごとで異なる保険制度。日本のように国民保険制度に加入していれば医療サービスを問題なく受け入れられる国もあれば、米国のように国民全員を対象とする公的医療保険がなく、自己責任で民間の医療保険に加入する必要がある国もある。今回は、医療サービス購買プラットフォームを提供するSesameのCEOで、日本にも縁のあるJohn Fontein氏に話を聞いた。

愛する人を亡くした悲しみを癒すために

喪失に悲しむ遺族の負担を軽減するデジタルコンパニオンEmpathy

Empathyは、愛する家族を亡くした遺族の心理的、法的、経済的な手助けをするデジタルサービスを提供する、イスラエル発のスタートアップ。死は、人生において必ず起きる出来事であるにもかかわらず、ソフトウェアによるイノベーションが展開されていない分野の1つ。そこに目を背けず、人的支援事業を開拓する道を選んだ、共同創業者兼CEOのRon Gura氏に、創業のきっかけや事業内容や今後の事業展開について聞いた。

あの「痛み」をどうにかしたいと考えている人達へ

首・肩・腰の痛みは世界共通。患者を中心とした筋骨格系ケアを行う―Vori Health

各所に分断され、利便性が損なわれている関連サービスをデジタルプラットフォームによって統合・提供する企業が増えている。Vori Healthは、腰痛や関節など、筋骨格系の病に苦しむ人のために、オンラインでのカウンセリングや対面診療、セルフエクササイズなどのケアを総合的にサポートする企業。同社は2020年に設立され、2021年5月にNEAのリードで4500万ドルの資金調達を行い、注目を集めている。脳神経外科医で起業家でもある同社の創業者でCEOのRyan A. Grant氏に創業の経緯や事業展望について聞いた。

日本の大手製薬メーカーも欲しかったサービス

医療版LinkedIn「H1」が急成長。世界の医療専門家900万人の情報サービスの秘密

H1 Insightsは、世界中の医師、研究者や研究に関する情報を集め、製薬会社などを対象に医療領域の専門家の様々な情報を検索できるプラットフォーム「H1」を提供している。2017年にニューヨークで設立され、これまでに7000万ドル以上の資金を調達し、日本展開にも乗り出している。2019年は売上が400%以上、2020年は500%以上の急成長を遂げた理由とは。今回はCEOのAriel Katz氏に話を聞いた。

a16zも出資 医療従事者を助ける「ドラゴン」になろう

3億2000万人以上の医療データ分析プラットフォームで人々の健康を支援するKomodo Health

全米3億2千万人以上の医療システム利用記録を追跡するデータベースと、それを活用したインテリジェントなソフトウェアソリューションをヘルスケア関連企業に提供するKomodo Health。2021年3月にTiger Global Managementから2億2000万ドル、それ以前にも、Casdin Capital、ICONIQ、Andreessen Horowitz、Oak HC/FTなどから総計3億1400万ドルを調達しているユニコーン企業だ。共同創業者でPresidentのWeb Sun氏に事業概要や日本市場への展開などについて聞いた。

京都の産業の強み 「メディカル&ヘルステック」

「京都発 テクノロジー×医療・健康」 社会課題の解決、エコシステム構築へ

京都府は、世界が抱える社会課題の解決に挑む起業家たちのスタートアップ・エコシステム拠点形成に取り組んでいる。その京都府と一般社団法人 京都知恵産業創造の森、TECHBLITZは、京都のスタートアップとイノベーション推進を目指す事業会社などとのマッチングを主な目的としたオンラインイベント「スタートアップ・アライアンス・リンク」を2回にわたり開催した。第1回のイベントには、京都の産業の強みのひとつである「メディカル&ヘルステック」分野のスタートアップ9社の代表らが独創的な技術やビジネスモデルを紹介した。登壇企業の事業概要などを紹介する。



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