Image: Life360
家族や大切な人がどこにいるかをスマホでいつでも確認できるアプリを提供するLife360。2008年に立ち上がり、日常の子どもの安全確認や、災害時の連絡などに有効で1800万ユーザーを誇る。CEOのChris Hulls氏にこれまでの経緯や展望を聞いた。

Chris Hulls
Life360
CEO
高校卒業後、空軍に従事。UCバークレー卒。2008年にLife360を立ち上げ、同年Google’s Android Challengeに選ばれる。

有料で運転手向けサービスも開始

―どんなアプリケーションなのでしょうか。

 基本のアプリは無料ですが、プレミアムのサービス「Life360 Plus」を利用するには月2.99ドルの課金が必要です。リアルタイムで登録したメンバーの居場所が確認できるというのが主要な機能です。特定の時間、特定のグループに対しては居場所を分からなくすることもできます。有料機能では30日分の履歴を受け取ることができます。特定の場所に入ったり、離れたりするとアラームが鳴るような機能も設けることができます。最新のサービス「Life360 Driver Protect」では、月4.99ドルで車を運転しているときの事故や緊急時のモニター機能を追加することもできます。

―強みはどこにありますか。

 家族の安全を守るうえで、モバイルは肌身離さず持っていることが多いので、伝統的なセキュリティー業界に比べると優位性があります。また大量のデータを使ってよりよいサービスにつなげることもできますし、無料や安価でサービスを提供できる点も強みです。2008年に米国をハリケーンカトリーナが襲い、家族の居場所を簡単に確認できる必要性が認識され、Life360を立ち上げるきっかけになりました。現在は1800万人のユーザーがいます。

Image: Life360

HBSで起業を決意

―どのようなキャリアを経て起業に至ったのですか。

 私は高校卒業後に空軍に参加し、ワールドトレードセンターへのテロがあった2001年9月11日まで訓練をしていました。中東に派遣され、アフガニスタンとパキスタンでミッションにあたりました。その後、UCバークレーに通い、ゴールドマンサックスでインターンをしました。フルタイムで働かないかと言われましたが、思うところがありハーバードビジネススクールに出願して内定を得て、最後の自由な夏を旅してまわることにしました。

 南極になんとか行ってみたいと考えて、南極大陸のリサーチ拠点で皿洗いの仕事も確保して、行く前に義務付けられている健康診断を受けたのです。そこで、なんと腫瘍が見つかりました。そのために結局南極大陸には行かずにハーバードビジネススクールに行きました。ビジネスを始めようという気持ちになり、2008年にLife360 を立ち上げ、この年の Google’s Android Challengeで表彰されました。

世界中で家族を守る技術を

―今後の展望を教えてください。

 テック業界は、家族のことを忘れがちです。でもテックが家族を守るサービスを私たちは世界中に広めていきたいと考えています。2019年は海外展開に力を入れるつもりでチームを作っています。米国ベースで質を上げながらも、国際的に拡大も目指しています。

―日本での展開はどのように考えていますか。

 日本語は我々のユーザーが使用する言語のトップ10に入っています。iOSも非常に高い比率で使われているので、私たちにとって拡大していくうえで非常に魅力的な市場です。Yahoo!Japanとパートナーを組んでいます。



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