Image: Sentons
Sentonsは、高精度な超音波タッチセンサーから得た情報を、独自のファームウェアとアルゴリズムで処理するプラットフォームを提供している。仮想ボタンや仮想スクロールバーをガラスや金属基板だけでなく木製品やプラスチックなどの表面にも設けることができる同社の「Software-Defined Surface」は、従来のHMI(Human Machine Interface)を一新する。今回はPresident & CEOのJess Lee氏に話を聞いた。

超音波センサーのパイオニア、HMIのイノベーター

―まずはSentonsの製品についてご説明いただけますか。

 当社は、独自の超音波センサー技術を使った「Software-Defined Surfaces(以下Surface)」をご提供しています。これは、例えば、スマートフォンの持ち方や指が触れている場所、どのくらいの力がかかっているかなどを、非常に高い精度で認識できる「Surface」で、ガラスや金属基板だけでなく、木材やプラスチックなど、あらゆる素材の表面で使えます。

 現在は、モバイルデバイスでの導入が最も進んでおり、主には仮想ボタンとして活用されています。例えば、ASUSのROG PhoneⅡでは、本体を横向きにすると側面の左右に設けられた仮想ボタンがゲーム機のコントローラーの側面にある物理的なボタンのように使えます。当社の「Surface」は、デバイスの側面だけでなく背面にも取り付けられますし、仮想ボタンだけでなく、スクロールなどの操作領域を設けることが可能です。

Jess Lee
Sentons
President & CEO
University of TorontoにてElectrical and Electronics Engineeringの学位を取得。Electronics Engineerからプロダクトマーケティングに転向し、OmniVision TechnologiesにてMainstream Business UnitのVP、InVisage TechnologiesにてPresident & CEOを10年以上務めた。2017年にInVisage TechnologiesがAppleに買収され、統合プロセスに携わる。2019年にSentonsのPresident & CEOに就任。
 

空間精度を「見る」技術

―タッチセンサーはどのくらいの精度で認識ができますか。

 指を置く場所や指の位置の検出精度は1ミリメートル未満で、押す力は5グラム未満です。5グラムは軽いタッチ程度の力ですね。物理的なボタンを押す力は通常100グラム程度なので、それと同等の力を検出する設定も可能です。

―ビジネスモデルを教えてください。

 当社が実際ご提供しているのは、デバイス等に設置したセンサーから得る情報を処理しているセンサープラットフォームです。当社のノウハウや知的財産は、シリコンに組み込まれたファームウェアとアルゴリズムにあります。

 当社は、顧客の要望に合わせてプラットフォームとセンサーアレイを設計し、サイズ4×4ミリメートルのプロセッサー(シリコン)を販売しています。センサーはパートナー企業が製造および販売する形をとっているので、当社は販売を行っていません。

日本進出にあたり製造を担う日本のパートナーを募集中

―日本を含め、アジアでの展開に力を入れていると伺いました。日本でもパートナーを探していますか。

 そうですね、顧客とパートナーの両方を探しています。当社は自社工場を持っていませんので、日本進出にあたり既に日本の大手メーカー2社と話を進めていますが、例えばモジュールメーカーや電圧コンポーネントメーカーで、当社のパートナーになってくださる日本企業も探していきたいと考えています。

 現在は、米国内からの投資が主ですが、アジアからも資金調達しています。日本の投資家はグローバルに活動していますし、理解がありますので、当社としては日本からの投資は興味があります。

―最後に日本の皆様にメッセージをお願いします。

 過去100年間のテクノロジーとコンピューティングプラットフォームの進歩には、HMIの革新が常に関係していました。例えばスマートフォンが現在のように普及したのは、タッチスクリーンの使いやすさによるものと言えると思います。

 コンピューティングを次のレベルに進歩させ、新たな市場を作るのは革新されたHMIです。柔軟性があり、ガラス以外でも使え、曲線部でも利用可能な当社の「Surface」は、HMIの革新において一役を担っていくと考えています。



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