Image: OpenLegacy
日本企業のDXを目指し、日本に本格上陸したイスラエル発のスタートアップOpenLegacy。同社は既存のレガシーシステムをそのまま活用し、新たなデジタルサービスやアプリケーションとつなぐAPI作成プラットフォームを提供している。金融大手シティバンクグループや保険大手AIGなどをはじめ、グローバルで多数の導入実績があり、多くのレガシーシステムを抱える日本企業との親和性も高い。今回は創業者でCEOのRomi Stein氏に、サービスの概要や日本展開のねらいなどについて聞いた。

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レガシーシステムは変更不要、データ移行も不要

――まずはOpenLegacyのサービスについて教えてもらえますか。

 私たちは様々な業界向けにAPI統合プラットフォームを提供し、レガシーなシステムやビジネスプロセスをデジタル化する支援をしています。

 具体的には、レガシーなシステムにOpenLegacyの豊富なコネクタで直接接続し、APIを自動で生成します。バックエンドのシステムを変更するリスクも、データ移行の手間もなく、わずか数日で外部の新しいデジタルサービス、アプリと接続し、活用することができます。

Romi Stein
OpenLegacy
CEO & Co-Founder
Tel Aviv UniversityにてBusiness Administrationの修士号を取得。会計および経営コンサルティングのKPMG, TelのSenior Auditorを務めた後、IBM IsraelおよびIBM System Storage Groupにて上級職を務めた。2003年、ManagerとしてIBM Corporationに入社、2007年よりPrincipal ConsultantとしてGlobal Technology Servicesを担当。2014年にOpenLegacyを共同で設立、CEOに就任。

――どんな業界で活用されているのでしょうか。

 私たちが最も注力しているのは、銀行、保険、証券などの金融サービス業で、顧客やユースケースの大半を占めています。

 その他にも製造業、小売業、ヘルスケア、通信、政府機関など、様々な業界で活用されています。レガシーなシステムやビジネスプロセスのデジタル化は、業界を超えた共通課題です。

イスラエル発、欧米で実績を積み日本展開へ

――顧客数や、パートナー企業などについて教えてもらえますか?

 現在は、100社以上のクライアント、パートナーがいます。クライアントには金融大手シティバンクグループや保険大手AIG、日系企業のFujitsu Run My Processなど、グローバルで多数の導入実績があります。またDell Boomi、Collibra、BigIDなどとパートナー契約を締結しています。

 イスラエル市場から出て、グローバル展開を始めてから継続的に顧客基盤を倍増させています。技術面では、当社は事業を展開している国毎に現地法人を設けており、ローカルで顧客をサポートする技術的なパートナーネットワークを構築しています。

Photo: Nick Brundle / Shutterstock

――御社はイスラエル発で、どのようにグローバル展開をしてきたのですか。

 当社はイスラエルから始まり、最初は中東、地中海で活動し、ここ3年で北米、南米、ヨーロッパへと展開しました。ちなみにイスラエルは今でも重要な研究開発拠点であり、チームの40%がイスラエルで活動しています。

 さらに、この1年半でアジアへと進出し、インド、シンガポールに代理店を持ち、インドネシアやマレーシアにもクライアントを持つことができました。そして2020年に日本進出したわけです。

島根銀行と協業、日本企業のデジタル化を支援していく

――2020年8月に島根銀行との協業がニュースになりました。

 日本では、2020年1月にSBIホールディングスから出資を受け、8月から島根銀行との協業を本格的に始めました。日本市場では銀行や保険会社から注目されており、当社としても金融業界に最も力を入れています。

 私たちイスラエル人は、課題に取り組むことが好きです。ヘルスケア、通信、政府系機関、小売業界など、さまざまな業界の課題解決に取り組んでいきたいですね。

Photo: Wright Studio / Shutterstock

――御社にとって日本市場はどのような位置付けですか。

 日本市場は、米国に次ぐ2番目のレガシーシステム市場で、イノベーションを求め、デジタル化する方法を模索しています。これは当社にとって大きなチャンスです。

 日本市場には独特な課題があります。特に、日本語を話せることが重視されがちですが、システムは同じコンピューター言語で動いていますので、言葉は問題にはならないと考えています。

 また、社内には日本企業と協業した経験があり、日本で働いた経験がある、日本市場を熟知したメンバーが多くいます。顧客やパートナーには日本にカウンターパートを持つグローバル企業が多くいますし、イスラエルに視察に来る様々な日本企業と面談してきました。日本市場は、当社にとって全く新しい市場ではなく、むしろ親しみのある市場です。参入の難しさや課題も理解した上で、挑戦したいと、その価値がある市場だと考えています。

 日本は最も先進的で成熟した産業を持つ国だからこそ、多くのレガシーシステムが根付いています。これまで30、40年と稼働を続けている素晴らしいシステムに、何千何百万行のコードが詰まっています。これは多くの優れたビジネスプロセスを持っているということです。

 課題は、これらの優れたビジネスプロセスや知識を活用しつつ、いかにデジタル化に対応していくかです。全てをゼロから再構築する必要はありません。既存のシステムやビジネスプロセスを活用しながら、よりオープンに、よりデジタルに、より顧客本位なソリューションを提供していくべきだと考えています。今が日本にとって非常に良いタイミングだと確信しています。

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