Linearは、Asana以上の機能とJira以上の使いやすさとレスポンスの良さを実現する、タスク管理ソフトウェアを開発している。現在はクローズドベータテストを行っており、2021年に正式版のリリースを目指す。今回はCo-founderのTuomas Artman氏に話を聞いた。

ウィークリーユーザー2000人、参加企業700社のクローズドベータ運用中

――まずはLinearについて教えてもらえますか。

 Linearは、AsanaやTrelloなどの、タスクをチームメンバーに割り当て、その進捗状況を管理するためのツールと、Jiraのような、ソフトウェア開発プロジェクトの中期計画、追跡、管理を実行できる多機能ツールの中間的な存在となることを目指しています。

 小規模なエンジニアチームをターゲットに開発を始め、現在はクローズドベータテストを行っています。ベータテストには、約700社が参加しており、ウィークリーユーザーは約2000人です。そして、私たち自身が驚いたことに、大規模チームをサポートする機能がないにも関わらず、最大100人規模のエンジニアチームがLinearのベータ版を使ってくれています。想定していなかったサイズのチームにおいても、当社のソフトウェアは問題なく役割を果たしていることを大変嬉しく思っています。

 正式版を2021年中に公開できるよう、現在は、テストから得たフィードバックを基に、改良を進めています。  

Tuomas Artman
Linear
Co-founder
1996年ヘルシンキ大学入学、情報科学を学びながらフィンランド国内のスタートアップにてDirector of Developmentを務めるなど、キャリアをスタートさせる。2011年から1年間、上海にて中国のゲーム系スタートアップに勤めた後、渡米。エンジニアとして、GrouponにてSr. ManagerやUberにてManagerを務め、2019年にLinearを共同で設立。
 

――その他のタスク管理ツールとの違いを教えてください。

 例えば、AsanaやTrelloは、現行のタスクを管理するツールなので、第1または第2四半期など、先の計画を立てる機能や、管理機能がありません。これらの機能を持つワークマネジメントツールとなると、選択肢は一気に減り、大手はJiraくらいかと思います。しかし、Jiraの場合、カスタマイズに非常に労力がかかりますし、使わない機能が多く含まれてしまいます。動作も遅く、UIもあまり使いやすくないという問題もあります。

 このすきまを埋め、AsanaやTrelloの機能では足りなくなった時の切り替え先となるタスク管理ツールがLinearです。ソフトウェア会社のエンジニアを対象に、エンジニアファーストな仕様になっている当社のツールは、タスク管理ソフトウェア市場におけるニッチ領域を対象にしており、競合は少ないです。

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製品マネージャーやCEO、CTOも使えるツールの開発も視野に

――現時点ではエンジニア用のツールとして開発されていますが、今後対象を広げる予定はありますか。

 そうですね。まずは小中規模なソフトウェア開発会社に適したツールとして、サービスを確立させることを目指しています。それに成功してから、製品マネージャー、CEOやCTO向けのツールを開発したいです。

低速なインターネット環境で使えるSaaS

――今後の目標として海外展開も視野に入っていますか。

 現在の顧客の半分が米国内の企業です。海外では、インドで最も使われています。インドでここまで使われるとは想定していなかったので、正直驚いていますが、ネットワーク環境が整っていないことが影響しているようです。

 インドでは、通信速度が遅いためSaaSが使いづらい問題があります。Linearは、全てのデータをローカルコンピュータにロードして使う仕様なので、インターネット接続が切れてもサービスを使い続けることができます。ローカルで行った変更は、インターネット接続が復旧してからバックエンドサービスに同期されます。この仕様が、インドの方々から支持を得たようです。

――今後、米国外向けにローカライゼーションを行う予定はありますか。

 ソフトウェア企業の多くは英語を使っていますので、現在の英語版でグローバルに展開できています。当社は製品開発の途中段階にあるアーリーステージのスタートアップなので、ローカライゼーションを計画できる状況にありません。今後の検討事項ですね。

 ローカライゼーションは翻訳などへの投資が必要です。検討できる状況になり、投資に見合ったリターンを得ることができるなら、実行に移すでしょう。

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