データの品質管理や、柔軟な設計プラットフォームは、常にエンジニアの間で求められている。今回紹介するdbt Labsは、中でもデータ変換のツールを提供しており、これまでに約1億9000万ドルもの資金調達に成功している。dbt LabsのCEOで創業者のTristan Handy氏に詳しい話を聞いた。

複雑なデータを簡単でビジネス業務に応用可能なものへ

――まずdbt Labsの製品について教えてください。

 私たちのツールはデータインテグレーションツールと呼ばれます。主にデータの変換や、分析を取り扱っています。

 近年データの保管が取り沙汰されるようになり、その大部分がクラウド上のデータ保管庫のようなものに保存されます。そのデータ保管庫に、データを押し込む形のソフトウェアも存在します。また、そのデータを可視化し、レポートを作成するソフトウェアも存在します。私たちは、その間にいる存在と言えるでしょう。複雑なデータを簡単でビジネス業務に応用可能なものへと変換するのです。

Tristan Handy
dbt Labs
CEO & Founder
メリーランド大学で情報科学の学士号を修得後、ノースカロライナ大学のビジネススクールでMBAを修得。Squarespace社での業務運営担当、RJMetrics社でのマーケティングVP、RevBossの取締役会役員を経て、2016年にdbt Labsを創設。

一昔前とは比べ物にならない現在のデータインテグレーションツール

――どうしてこのようなツールを開発しようと思ったのですか。

 例えば5年前、Red Shiftを使用していたチームがいたとしても、実際はうまく活用できていませんでした。そこで全ての面倒な作業を引き受けるのがデータエンジニアでした。データをクリーンにしたり、Pythonを使って設計したりしていました。その後、そのデータをとって凄まじく複雑なクエリを作成し、BIツールに埋め込みますが、結局何をしているのか誰も理解できていませんでした。

 私はデータ業界で15年間も従事していて、ついこの間までRJMetrics社にいました。彼らは、初期データスタックの1つであるStitchという製品を開発していました。私は開発業務に携わる傍らで、このテクノロジーがどれほどインパクトがあるのかを直に感じました。

 2010年にSquarespace社で勤務していた時、データ分析を行うのは本当に悪夢のようでしたが、5年後新しいツールが開発された際には、できるようになったことが増え、天にも昇る心地でした。データ分析は奥が深いと実感したのです。

業界基準を設定し、データ変換を導く企業となる

――競合他社とはどのように差別化を図っていますか

 私たちはオープンソースです。それもあり、データスタックの面では業界基準のようなものを設定することができました。 従って私たちが業界に合わせるのではなく、業界が私たちに合わせるような状態を作り上げる事ができました。オープンソースにはそのような利点があります。

Image: dbt Labs

――どのような企業と提携していますか?

 いろんな企業がデータを必要としていて、どの企業もデータを活用して日夜様々な決断に迫られます。 私たちのツールは、中小企業からFortune 500企業まで、幅広く使用してもらっています。

 その中でも、同期するソフトウェアの数が多い分、テック関係のパートナーは多く抱えています。また、これらのテクノロジーを展開するコンサルティング企業もいます。大規模な会社には大規模なソリューションを展開する必要がありますから。

――オープンソースのソフトウェアとして今後の世界展開はどのようにお考えですか

 現在、日本にも私たちのサービスを使用してくれるユーザーがいます。しかし、もっとサービスを展開させるには実際に市場に参入しないといけないことも分かっています。私たちはローカルのコミュニティを支援したいと思っていますし、そのようにサービスを展開してきた歴史があります。最初は米国東海岸の会社として立ち上がり、その後西海岸、ヨーロッパ、オーストラリア等に拡大しました。サポートが必要な市場には駆けつける用意があります。

データドリブンな経営でより良いビジネスオペレーションを

――今年6月末にシリーズCで1億5000万ドルを調達しましたね。調達した資金の使い道は何ですか?

 1つ目は、製品と開発過程におけるイノベーションです。深入りすればするほど、必要となる作業も増えます。立ち上げ当初は、ツールを少しいじればそれで終わりだろうと安易に考えていましたが、今は開発の過程にどれだけ時間がかかるか実感しています。なので、年末までにエンジニアリングチームをより大きくする予定です。来年末までには、100名規模のチームにまで成長するでしょう。

 また、製品のラインナップを増やしたり、会社としてより「会社らしく」基盤を整えることにも集中しています。2020年当初、私たちはたった20人程度で構成された企業でしたが、今は125人までになりました。ここから将来の拡大を見据え、地域的に広げていくことも考えています。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

 いま私が実感しているのは、大規模なクラウド転換期にいるということです。スタートアップ企業にとってはAWSが主流でした。現在大手の企業はどんどん自身の扱うデータインフラをクラウドにアップロードしています。オペレーションを効率化するという意味では、データドリブンであることがどれほど重要なことで、インパクトのあることか分かります。

 私たちは、GoogleやAmazonといった企業と協働しており、企業がステップアップすることを支援しています。一度クラウドマイグレーションをすると、もう元には戻れません。それほどのインパクトがあるのです。



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