(2022年にSchneider Electricが買収。2023年6月追記)
充電ステーションの資産を監視・管理するサービスを提供したい
―まずはご自身の経歴と、EV Connect設立の経緯を教えてください。
私は2000年以来、20年間にわたってクリーンテクノロジー、クリーンエネルギー、クリーン輸送に携わってきました。最初の会社のAeroVironmentでは、電気自動車用の急速充電技術の商業化の立ち上げに関わりました。米国市場以外への展開を目指し、アジア、ヨーロッパ、オーストラリアなどの場所で充電ステーションを構築しました。その際に、AeroVironmentそして顧客が抱えていた課題は、どうやってこれらの充電ステーションを管理し、オペレーションを改善していくのかとういことでした。この課題がEV Connectのアイデアに繋がり、NanoH2O(2014年にLG Chemが買収)というスタートアップを経て、2009年に充電ステーションを管理するサービス提供を目指して、EV Connectを設立しました。
オープンかつ柔軟なクラウドプラットフォームの実現
―具体的にどういったサービスを提供しているのでしょうか。
私たちのビジネスは大きく2つの柱があります。1つ目は、「EV Connect Network」という主要なチャージステーションメーカーが持つ様々なネットワークを1つにしたプラットフォームです。私たちはこれを充電ステーションを提供したい中小企業向けに提供しています。彼らは簡単にセットアップ、展開ができるユニークなソリューションを求め、われわれの元へ来ます。
2つ目は充電サービスに必要な運用・管理ツールをセットにした、どのネットワークでも利用可能な「EV Cloud」というプラットフォームの提供です。
―サービスの特徴を教えてください。
私たちが目指していることは、電気自動車の充電ステーションを管理するための世界で最もオープンかつ柔軟なクラウドプラットフォームを提供することです。私たちが製造する特定の充電インフラストラクチャーだけに依存するのではなく、連携する主要なハードウェアメーカーと自由に統合可能なプラットフォームであること。そして、充電ステーションを運営したい、電気自動車の燃料供給をサポートしたい、と考えるどんな人にとっても利用可能な柔軟なプラットフォームであること、その2点がプラットフォームの重要な特徴です。
顧客が最適な組み合わせを選ぶことを可能に
―EV接続におけるビジネスモデルについて教えてもらえますか。
私たちのビジネスモデルは、SaaSです。値段はサービスのレベルやソフトウェアの複雑性などによって様々です。
―他社との差別化ポイントについて教えてください。
私たちは充電ステーションを運用・管理するためのプラットフォームを構築して9年以上の実績があります。その結果、充電サービスを提供するために必要な技術やソフトウェア、顧客のサポート方法についても深く理解し、継続的に改善を続けています。また私たちは15の異なる充電ステーションメーカーと協業しています。顧客は自分たちの実現したいサービスイメージに合わせて最適な組み合わせを選ぶことができるわけです。
同時に、非常に柔軟性が高いプラットフォームのおかげで、サービス内容や提供方法などを自由にカスタマイズすることができます。
来るべき分散供給の時代の先駆者を目指して
―海外へも展開をされていますか。
オーストラリアとカナダにプラットフォームを使用するパートナーネットワークがあります。イギリスでもプロジェクトに取り組んでおり、日本での展開も検討している段階です。
―日本でのビジネス展開について、どのようなパートナーを求めていますか。
私たちはプラットフォームを日本で提供する機会を探しています。日本で充電サービスを提供したいと考えるパートナー、輸送の電化を推進するために充電インフラストラクチャーを所有または運用しようとしているパートナーを探しています。私たちの優れたソフトウェアおよびプラットフォームは、日本市場でも有効であると自信を持っています。
―今後のビジョンを教えてください。
これから、ガソリンスタンドを例とした集中給油から、車両が数分以上滞在するあらゆる場所において燃料を供給する「分散供給」の世界に今後ますます移行していくだろうと考えています。
私たちの目標及びビジョンは、分散型燃料供給資産である電気自動車の充電ステーションを相互接続するプラットフォームになること、そして充電ステーションを所有している顧客をサポートすることです。そして、将来的には電気の供給をメインビジネスと相互連携させ、より価値のあるものにしていきたいと思っています。