Zebriumは、ソフトウェアの開発者・管理者向けに、機械学習を活用したインシデント検知のソリューションを提供するスタートアップだ。2020年に大手VCのAccelなどから700万ドルの資金調達に成功している。創業者でCEOのAjay Singh氏に聞いた。

人間によるモニタリングを機械学習で効率化

――どのような経緯でZebriumを起業したのですか。

 私と共同創業者はシリコンバレーのテック業界で20年以上のキャリアがあります。私や創業メンバーは長年、NetApp、Nimble Storageのようなインフラ企業で、多くの監視システムに携わってきました。これらの企業では、迅速に問題を把握し解決することを重視してきました。

Ajay Singh
Zebrium
Co-Founder & CEO
インド工科大学マドラス校で電子通信工学を専攻。カーネギーメロン大学院で電子工学の修士号、スタンフォード大学でMBA取得。NetAppでプロダクトマネジメントディレクター、Nimble StorageでプロダクトマネジメントのVPを経て、2018年3月にZebriumを創業しCEOに就任。
 しかしながら、人間によるモニタリングには大変な苦労を伴います。例えば、人力でエラーメッセージを抽出し、アプリケーションの何が不具合を起こしているか判断しなくてはいけません。そして、これらは人間よりも機械学習によって行う方が、より速く効率的に行うことができます。そこでZebriumを創業するに至りました。

――ソリューションの内容を教えてもらえますか。

 Zebriumは機械学習を活用してインシデントを検出し、根本原因を表示するソリューションを提供しています。インストールして1時間以内に機械学習によるラーニングを行うことができます。インストールにあたってコード変更、ルールの設定などは必要ありません。


 今日、アプリケーションはますます複雑になっています。毎日のように新機能が追加されており、丁寧にテストをする余裕もなく、ミスが起きる可能性は高まっています。

 失敗する可能性が出てきた場合、根本原因を突き止め修正するまで業務はできないままです。これはソフトウェアチームにとって大きな課題です。私たちはこういった課題を解決しているのです。

サービスは世界中どこでも利用可能

――機械学習を活用した、インシデント検知のサービスは他にもあります。既存のアプローチと比べた違いは何でしょうか。

 これまでアプローチは、2つの点で課題がありました。ひとつは、異常の検知を示すだけであった点。いまアプリケーションには非常に多くの変化があり、数多くの異常があります。異常を示すだけでは有用ではありません。

 もうひとつは、非常に長いトレーニング期間が必要だった点です。私たちのサービスでは1時間以内にインシデントの検出を開始することができ、すぐに利用を開始することができます。

Photo: Zebrium インストールから1時間以内にインシデントを検出。

――海外展開は行っていますか。

 現在の顧客の大半は米国市場です。少数ですが欧州の顧客もいます。しかし、サービス自体は世界のどこでも利用できます。日本でも、英語を理解できるエンジニアであれば問題なく利用できると思います。



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