Image: Team Labs
Team Labsは、4種類のコラボレーションツールから成る、オールインワンプラットフォームを提供している。競合する”ユニコーン”のサービスとは「小さく違う」便利な機能や使い方ができ、よりシンプルな同社のツールたちは、日々の業務の中で「大きな違い」を作る。今回はCo-Founder & CEOのHarsh Dalal氏に話を聞いた。

Harsh Dalal
Team Labs
Co-Founder & CEO
Singapore Polytechnic経営学部卒業。2019年にハーバードビジネススクール エクゼクティブプログラムを修了。Apple Developer Forumsを通じて出会った友人たちと16歳の時に最初のスタートアップBeta Byteを設立。2015年にTeam LabsのCEOに就任。2019年よりシンガポール財務省の特別補佐官を務める。

チームがより働きやすくなるエコシステムを作る

―まずTeam Labsの事業について教えてください。

 Team Labsは企業向けのコラボレーションツールをオールインワンプラットフォームとして提供しているソフトウェア系のスタートアップです。現在はXenon、Carbon、Silicon、Argonの4種類のプロダクトを提供しています。

 まず、Xenonですが、これは開発者向けのシングルプラットフォームです。クラウドで、ソフトウェアのプロトタイプ作成、プロダクト構築、テスト、導入が可能です。

 CarbonはAdobe製品と同じようなソフトウェアですが、プロ仕様ではなく素人寄りになっています。マーケティング部門のメンバーが使うイメージで、SNS用コンテンツの制作に適しています。オーディオ、動画、画像編集に加え、3Dモデリングツールも含まれています。

 Siliconは、Slackのようなコミュニケーションツールですが、より改善されていて、AIを使ったSlackという感じです。

 4つ目のプロダクトArgonはまだ開発段階にありますが、プロジェクト管理ツールです。既存のプロジェクト管理ツールの問題は、とにかく複雑だという点です。Argonは例えば、かなり複雑なGearsにTrelloのシンプルさを組み合わせたようなイメージで、誰もが簡単に使えるツールに仕上げたいと考えています。

Image: Team Labs

 オンラインで統合されたプラットフォームにより、物理的にチームワークを簡単にする。業務用アプリケーションは毎日使うツールなので、より使いやすくシンプルにすること。この二つを重視したサービスを提供しています。

 例えばチャットアプリからタスクを作ることができるなど、それぞれのチームメンバーが使っているアプリがバラバラでも、プラットフォームに全て統合できれば、個々の環境(アプリ)を変えないまま、チームのプラットフォームに参加できるので、便利ですし利便性があがります。

小さいことでも積もれば山となり、ソフトウェア乗り換えの理由になる

―AdobeやSlackなど競合がいるなか、御社のプロダクトが選ばれる理由を教えてください。

 Adobe製品は様々なアプリが連携して動くインテグレーション(統合)が魅力です。当社のプロダクトが提供している利点もそれと同じです。

 当社はサービスを通じて、エコシステムを構築してきました。そのエコシステムにおいて、当社の特色的な機能「Roles」が重要な役割を果たしています。「Roles」は、各ユーザに特定の役割を委任することができる機能です。これによって、特定アプリへのアクセス権限を制限し許可することができます。この機能が当社の強みであり、選ばれる理由の一つです。

 一つひとつは小さな強みですが、日々の業務に密接に関わることなので、積み重なって大きな違いとなり、当社のプロダクトの優位性になっていると考えています。

5年以内にユーザ数を8倍にしたい

―中長期ビジョンについて聞かせてください。

 中期的な目標は、当社のサービスを利用しているチームの数を、現在の10,000チームから80,000チームに増やすことで、5年以内の実現を目指しています。

 当社のプロダクトは既に日本語にも対応していて、日本を含めるアジア・太平洋地域(APAC)に既存顧客がいますので、APAC市場での事業拡大を進めていきます。加えて、南アメリカと、ハイテク市場が急成長している中国やインド市場に特に力を入れていきたいと考えています。

 長期的な目標としては、現在のチーム向けプロダクトの改善を続けながら、既存サービスとは別にプロフェッショナル向けのプロダクトを開発することです。

―既に日本でも展開しているのですね。今後日本市場でも事業を拡大したいとのことですが、具体的な計画はありますか。

 小規模ですが、日本事務所は既にありますので、まずは人を増やし、日本国内で体制を整えることを考えています。日本人のエンジニアや営業担当を雇用し、営業面を強化することから始める予定です。



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