Cohesityは企業向けのデータ一括管理プラットフォームを提供する企業だ。ソフトバンクのビジョンファンドもCohesityに投資しており、2019年から日本法人を設立して日本展開も進めている。今回はCo-founder & CEOのMohit Aron氏に話を聞いた。

企業データ管理版「Google」を目指す

―まずはMohit Aronさんのこれまでの経歴について教えてもらえますか?

 私はインド工科大学デリー校とアメリカのライス大学でコンピュータサイエンスを学びました。博士号を取得してからの20年間、ほぼずっとシリコンバレーで仕事をしてきました。Googleでファイルシステムの構築に携わったほか、Nutanixという会社を立ち上げ、CTOを務めました。今も日本企業と付き合いのある、素晴らしい会社です。そして2013年にCohesityを立ち上げたのです。

Mohit Aron
Cohesity
Co-founder & CEO
インド工科大学およびアメリカのライス大学でコンピュータ科学を学んだのち、Googleなど複数の企業でエンジニアやCTOとして勤務。2013年にCohesityを設立。現在に至る。

―Cohesityはどのような経緯で立ち上げたのでしょうか。

 前に立ち上げたNutanixでは、生産にかかわるインフラ構築を手掛けていたのですが、そのなかで大量のデータを管理することの難しさに直面しました。生産部門のデータはもちろんですが、その裏にはその何倍もの非生産関連データやバックアップがあり、それらもまたしっかり保管する必要があります。

 しかし現実的に、1社のストレージやクラウドでは管理しきれず、複数のベンダーをまたいで利用するのが主流でした。同じ会社の管理データがあちこちに分散していたのです。

 そこで、私はそれらを統合して一元管理するためのプラットフォームを完成させました。これがあればデータ間の分析やテスト、開発も迅速に行うことができます。Google検索やGmailなどのアプリを一元管理できるGoogleのプラットフォームをイメージしていただければわかりやすいと思います。私たちは非生産分野にかかわるストレージのプラットフォームを提供する会社なのです。

分散しがちなバックアップデータを一元管理

―なるほど。具体的なサービスや商品について教えていただけますか?

 まず、主な商品として企業データのデータバックアップです。企業にはさまざまなデータがあり、これまでは分散させて管理するのが主流でしたが、私たちはそれを一元管理します。

 次に、ファイラーやネットワーク接続ストレージとしても機能します。バックアップと別にベンダーを探す必要はありません。複数のデータセンターと複数のクラウドを駆使し、大切に保管いたします。

―顧客データを預かるとなると、セキュリティも深刻な課題になってきますね。

 もちろんです。顧客の中には政府や銀行も多く含まれていますから、何重にも警戒し、厳重なセキュリティのもとで管理しています。

プラットフォームだからこその統合型サービスが強み

―他社にはない、御社ならではの強みはなんでしょうか?

 通常、他社ではバックアップならバックアップ、ストレージならストレージ、という風に単一のサービスにしか対応していません。その点、我々はあらゆることを網羅するプラットフォームを作っていますから、メールも検索も地図確認もできるGoogleのプラットフォームのようなものです。それがまず大きな違いです。あとは、プラットフォーム自体の規模ですね。非常にスケーラブルで、ほぼ無限に企業データを扱えます。

―ビジネスモデルはどのようになっていますか?

 大きくは、バックアップサービスの販売になります。出張作業やデータ管理用ソフトウェアのライセンス供与も重要な収益になっていますね。あとは、Ciscoなどのハードウェア会社と提携し、当社のソフトウェアを搭載したハードウェアを販売してもらい、マージンという形で収益をシェアしています。

ソフトバンクビジョンファンドの出資を受け、日本でもサービス展開

―今後のビジョンについて教えてください

 短期的な目標は、バックアップサービスのトップになることです。ここまで非常に順調に成長していますので、このまま進めていきたいですね。でもゆくゆくはインフラをシンプルにし、データ管理を簡素化していきたいと思います。今、Google検索やGmailを使用する際、Googleのプラットフォームをいちいち意識することはありませんよね。そのような存在になっていきたいと思います。

―最後に、国際戦略について、特に日本市場への参入への考えを聞かせてください。

 日本は非常に大きな市場だと思っています。大手の自動車メーカーや電子機器メーカーも多いですから。昨年ソフトバンクと提携し、日本での事業を本格化させました。彼らとは合弁会社を立ち上げています。ソフトバンクは日本以外にも拠点があり、特にアジアでの仕事を進めるうえで大いに協力してもらいながらビジネスをすすめているところです。

―今後もそうしたパートナーを増やしていきたいとお考えですか?

 そうですね。我々は、Googleが消費者データ管理に変革をもたらしたように、企業データ管理を再定義していきたいと思っています。パートナー企業はそのビジョンに力を貸していただける重要な存在です。今後も、日本を含め、革新的なビジネスを進めていきたいと思っています。



RELATED ARTICLES
売却したネット電話事業が「Google Voice」に ビジネス電話を知り尽くした男のAI戦略 Dialpad
売却したネット電話事業が「Google Voice」に ビジネス電話を知り尽くした男のAI戦略 Dialpad
売却したネット電話事業が「Google Voice」に ビジネス電話を知り尽くした男のAI戦略 Dialpadの詳細を見る
「欠陥」が生んだ糸の孔 夢の繊維技術の量産化を目指す岐阜大発FiberCraze
「欠陥」が生んだ糸の孔 夢の繊維技術の量産化を目指す岐阜大発FiberCraze
「欠陥」が生んだ糸の孔 夢の繊維技術の量産化を目指す岐阜大発FiberCrazeの詳細を見る
「船舶電動化は『我慢』じゃない、コスト削減の手段だ」 マースクや商船三井のCVCも出資するFleetzeroの論理
「船舶電動化は『我慢』じゃない、コスト削減の手段だ」 マースクや商船三井のCVCも出資するFleetzeroの論理
「船舶電動化は『我慢』じゃない、コスト削減の手段だ」 マースクや商船三井のCVCも出資するFleetzeroの論理の詳細を見る
Google生まれの「理想の通信」を実用化 人工衛星からビームをピンポイントで届ける凄い技術 Aalyria
Google生まれの「理想の通信」を実用化 人工衛星からビームをピンポイントで届ける凄い技術 Aalyria
Google生まれの「理想の通信」を実用化 人工衛星からビームをピンポイントで届ける凄い技術 Aalyriaの詳細を見る
インドネシアの交通課題、解決の糸口は「金融」だった Grabの公認を勝ち取った日本発スタートアップに迫る
インドネシアの交通課題、解決の糸口は「金融」だった Grabの公認を勝ち取った日本発スタートアップに迫る
インドネシアの交通課題、解決の糸口は「金融」だった Grabの公認を勝ち取った日本発スタートアップに迫るの詳細を見る
「業務をERPに合わせる」から「ERPが業務に合わせる」 へ Doss
「業務をERPに合わせる」から「ERPが業務に合わせる」 へ Doss
「業務をERPに合わせる」から「ERPが業務に合わせる」 へ Dossの詳細を見る

NEWSLETTER

TECHBLITZの情報を逃さずチェック!
ニュースレター登録で
「イノベーション創出のための本質的思考・戦略論・実践論」
を今すぐ入手!

Follow
事業開発・成長産業の調査業務を効率化
成長産業に特化したイノベーション情報プラットフォーム
BLITZ Portal
市場調査 必要な時に、必要な分だけ
1セットから購入できる市場調査リサーチセット
BLITZ Research

Copyright © 2026 Ishin Co., Ltd. All Rights Reserved.