Image: Diabetes Care
POPS! Diabetes Careは、糖尿病を患者自ら管理できるプラットフォームを提供する米国のスタートアップだ。今回は、自らも糖尿病を患っていることを公言するCo-founder & CEOのLonny Stormo氏に起業の経緯やサービスの特徴などについて聞いた。

慢性疾患対策の現状を変えたい

―まず、POPS! Diabetes Careを設立した経緯を教えてください。

 私はMedtronicで30年間働き、ヘルスケア業界で多くの経験を積みました。そこで糖尿病といった慢性疾患対策が何も変わらないことに驚きました。私自身も糖尿病を患って20年になります。

 アメリカ人の60%が慢性疾患を患っていて、それは医療費の75%を占めます。これは大きな問題ですが、誰もどのように解決すれば良いのかわかっていませんでした。

 現在、人々は自分自身の健康を自分で管理したい傾向にあります。また、スマートフォンの普及により、誰もがスマホで生活を管理しています。

 そしてそこに私は慢性疾患との付き合い方を変える機会を感じ、数年前Medtronicを辞めて、Co-founderとともにPOPS!を設立しました。

 患者はいつも医療に頼れるわけではなく、99.9%の時間を自身で管理しなければいけないのが事実です。ですから、私たちは患者が医療に依存するのではなく、自分の慢性疾患をテクノロジーを使用して管理することが望ましいと考えました。そこで、消費者にシンプルな体験を提供するプラットフォームを作りました。

Lonny Stormo
POPS! Diabetes Care
Co-founder & CEO
South Dakota School of Mines and Technology 電気工学部卒業後、Arizona State UniversityのMBAを取得。2013年、糖尿病を患者自身が管理するプラットフォーム、POPS! Diabetes Careを設立、CEOに就任。
 

慢性疾患は長距離走、AIコーチがアドバイス

―POPS! Diabetes Careのプロダクトとプラットフォームについて教えてください。

 人々が自分の健康状態を管理できるテクノロジープラットフォームです。慢性疾患の管理は、短距離走よりもマラソンに近いため、MinaというAIのバーチャルコーチがいつも寄り添い、長期間にわたり支援します。

 現在、糖尿病に焦点を当てており、簡単に血糖値を測定できるグルコースメーターをMinaと組み合わせました。デバイスを装着する必要がありません。携帯電話の3分の2のサイズのシンプルなデバイスです。携帯電話へワイヤレス接続し、いつ、どこでも血糖値を測ることができます。われわれはこれをサブスクリプションモデルで提供しています。

―プロダクトの特徴ともいえる機能を教えてください。

 一言で言うなら便利さです。スマホからバーチャルでMinaがコーチングしてくれます。実際の人と関わる必要がありません。そして、いつでもどこでも血糖値を測ることを可能とするため、長期間使用し続けることを可能にします。

目標は、販路拡大とプラットフォーム改善

―協力関係にあるパートナーはいますか。

 複数の頼もしいパートナーがいます。サプライチェーンでは、一部の電子部品は台湾製で、最終的な組み立ては、アメリカで行っています。

 セールス面ではPlug and Playといった、世界中でヘルスプランとのつながりを作って、弊社ソリューションをクライアントに提供してくれるパートナーがいます。アメリカと世界でこの種のパートナーシップ構築は続けていきたいです。

―中期目標と長期的なビジョンについて教えてください。

 中期目標は、POPS!プラットフォームの販路拡大です。1年前にFDA(アメリカ食品医薬品局)に承認されて、アメリカに注力し、順調にユーザーが増えています。

 長期的には、2点あります。まず、国際展開で、オーストラリア、そして日本も興味深いです。2つ目は、活用しているAIを通しプラットフォームを改善することです。

日本進出には流通と規制の現地パートナー必要

―日本に進出する上で、どのような支援を期待しますか。

 ヘルスプランの関係の企業になるでしょう。弊社プラットフォームで健康状態が改善し、医療費を抑えることもできます。このプロダクトの日本市場でのディストリビューションを支援をしてくれる企業と提携したいと思っています。また、規制関連でも現地企業と協力したいです。



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