スタートアップ・エコシステム拠点形成に取り組む京都府と、一般社団法人 京都知恵産業創造の森、TECHBLITZが開催したオンラインイベント「スタートアップ・アライアンス・リンク」。第4回は、テクノロジーを活かした持続可能で住みやすいまちづくり「スマートシティ」の実現に取り組む京都のスタートアップ6社の代表らが登壇した。日本の伝統的な織り技術と最新技術を活かしたウェアラブルIoTソリューションの開発や、観光から介護まで活用できる電動モビリティの導入、3Dデータ活用ソリューションなど、快適で住みよいスマート社会創出に向けた技術やアイデアを紹介した。各社の事業概要を紹介する。
※本イベントは、10月6日、7日、けいはんなオープンイノベーションセンター（KICK）（京都府精華・西木津地区）で開催された「KYOTO SMARTCITY EXPO 2022」のプレイベントとして行われました。第4回「スタートアップ・アライアンス・リンク」の様子は記事最後にある動画リンクからご覧いただけます。
※本イベントは、10月6日、7日、けいはんなオープンイノベーションセンター（KICK）（京都府精華・西木津地区）で開催された「KYOTO SMARTCITY EXPO 2022」のプレイベントとして行われました。第4回「スタートアップ・アライアンス・リンク」の様子は記事最後にある動画リンクからご覧いただけます。
＜目次＞
・1. 日本の伝統的な織り技術×最新技術によるウェアラブルIoTソリューションの開発
・2. 最短180秒で導入できる飲食店用モバイルオーダーシステム「funfo」の開発
・3. 観光から介護までを視野に入れた電動モビリティの導入・活用支援
・4. シェアサイクルサービス「PiPPA」の開発と運営
・5. 3Dソリューションの活用促進
・6. ユーザーの行動特性を取得するO2Oサービス「AlBeacon」や広告システムの開発と運営
1. 日本の伝統的な織り技術×最新技術によるウェアラブルIoTソリューションの開発
| 所在地 | 京都府相楽郡精華町光台1丁目7 けいはんなプラザ ラボ棟13階 |
|---|---|
| 創設年 | 1979年 |
| URL | https://www.mitsufuji.co.jp/ |
ミツフジは1956年に西陣織の帯工場として創業し、1979年に株式会社化した「老舗スタートアップ」。伝統的な繊維メーカーとしての事業から、電磁波防止、抗菌防臭作用のある銀繊維にいち早く着目し、銀めっき繊維の総合ブランド「AGposs®」を展開するなど、時代に応じて繊維を基軸に変化を遂げてきた。現在は「生体情報マネジメントを行うグローバル・ソリューションカンパニー」へと進化を続ける。正確な生体情報とアルゴリズムをコア技術としたウェアラブルIoTソリューション「hamon®」を展開し、ウェアやリストバンド型デバイスなど「着る」という日常行為に生体情報マネジメントを組み込むことで、着用者の見守りや体調の可視化・予知などを行うためのソリューションを提供している。
Image: ミツフジ HP
2. 最短180秒で導入できる飲食店用モバイルオーダーシステム「funfo」の開発
| 所在地 | 京都市下京区万寿寺中之町78 THE GATE Karasuma 5F |
|---|---|
| 創設年 | 2020年 |
| URL | https://www.funfo.jp/ |
ファンフォは、飲食店向けモバイルオーダーアプリ「funfo（ファンフォ）」を開発、提供している。JETRO京都が展開する外国人のための起業支援プログラムを利用して2020年に創業した。funfoはメニュー管理、オーダー管理、POSレジ機能を搭載しており、最短3分で導入でき、見積りや専門設備、店内工事などは一切必要ない。飲食店側はiPadにダウンロードしたアプリ内で簡単にメニューを作成でき、QR コードをプリントアウトしてテーブルなどに掲示する。来店客はQRコードをスマホで読み込むだけでオーダーできる。テイクアウトやデリバリー機能にも適用できる。慢性的な人手不足が課題となっている飲食業界において、コスト削減や販売データを活用した経営改善にもつながると事業を拡大させている。
Image： ファンフォ HP
3. 観光から介護までを視野に入れた電動モビリティの導入・活用支援
| 所在地 | 京都府京都市左京区吉田牛ノ宮町6-1 |
|---|---|
| 創設年 | 2022年 |
| URL | https://neomobi.co.jp/ |
新しい電動モビリティーのシェアリングサービスで社会課題解決を目指すネオモビは、ユニバーサルデザインモビリティ型「乗れるロボット」の「RODEM」を通して、シームレスな移動体験やボーダレスな観光体験の提供に取り組む。京都に本拠地を置くテムザック、80&Company、Felixiaの3社で2022年に同社を設立。RODEMは移乗が簡単にできる点や歩行者と同じ視点で会話できる点、低速移動などの特徴があり、超高齢化社会においても新しい移動体験を提供できる。将来的には、ARグラスやアプリを活用した観光ガイドや多言語翻訳などに対応したサービスなども計画している。充電ステーションへのオートリターンが実現すれば利便性の向上も期待される。
Image: ネオモビ HP
4. シェアサイクルサービス「PiPPA」の開発と運営
| 所在地 | 京都府京都市下京区大政所町680-1 |
|---|---|
| 創設年 | 2021年 |
| URL | https://www.clew.jp/ |
Clewは、京都各所に設置された駐輪ポートから手軽に自転車を利用できるシェアサイクルサービス「PiPPA（ピッパ）」の運営などを展開する。京阪電車と連携した駅からのポタリングのコース案内や、西陣エリアを舞台にした沿線沿いアートめぐりでの講座やガイドウオークの実施、龍谷大学と連携したシェアサイクルの導入や共同研究などに取り組んでいる。同シェアサイクルサービスの自転車はGPSデータを取得できるため、企業向けのマーケティングなどデータ活用も今後視野に入れている。また、学生街で課題となる自転車の放置や廃棄についてもシェアサイクルの広がりで解決につなげ、カーボンニュートラルの実現にも寄与するとしている。
Image: Clew HP
5. 3Dソリューションの活用促進
| 所在地 | 京都府京都市伏見区西大手町313-8 大手筋ビルウエスト１ 3F |
|---|---|
| 創設年 | 2014年 |
| URL | https://www.shrewd-sekkei.com/ |
シュルード設計は3Dソリューション、機械設計、ソフト開発の事業を展開している。3Dスキャニングを中心とした3Dデータ活用ソリューションでは、機械や現場のデジタル化で、デジタルツインと呼ばれる技術を通した画面上でのイメージの可視化やシミュレーション製作を提案している。レーザースキャナーから取得した点群データには、座標点と取得した場所の色情報を持ち、全方位からビューイングすることが可能となる。これらの技術、データを活用した機械の確認や操作手順書、工事の計画などを3D化したシミュレーターの製作や、簡易なCG映像から映画クオリティの映像まで3Dデータを利用した映像製作を行う。多くの文化遺産がある京都の企業として、専門家と協業したノウハウで文化遺産の測定なども展開している。
Image: シュルード設計 HP
6. ユーザーの行動特性を取得するO2Oサービス「AlBeacon」や広告システムの開発と運営
| 所在地 | 京都府京都市下京区新町通四条下る四条町347-1 CUBE西烏丸7F |
|---|---|
| 創設年 | 2009年 |
| URL | https://adinte.co.jp/ |
「IoTとAIで小売、機械、農業を科学する」というビジョンを掲げるアドインテは、流通小売のDX支援やリテールメディア開発・運用、O2O（Online to Offline）・OMO（Online Merges with Offline）マーケティングを展開する。同社が開発したIoTハード端末「AIBeacon」は、スマートフォンの独自のデータマイニング技術を利用したO2Oサービスとして展開している。商業施設やイベント会場などに設置した端末にユーザーが近づくと、ユーザーの行動特性を取得し、プッシュ通知やクーポンなどでユーザーの特性に合った効果的なアプローチをタイムリーに仕掛けることができる。スマートデバイスやデジタルサイネージとの連携などで先進的なまちづくりへの貢献を視野に入れている。
Image: アドインテ HP
