ベジタリアンからビーガンに
――どのような経緯で起業することになったのですか。
共同創業者のRyan Pandyaと私は非常に似たようなバックグラウンドを持っています。私たちはともに科学者で、肉も卵も食べて育ってきました。私たちは大学時代に地球への影響を考慮して、肉を食べることをやめてベジタリアンになりました。
ところが、この2つ目の決断はほとんど不可能にも思えました。ビーガンが食べられるものは栄養がなく、正直美味しくなく、そして費用はかかる…という状況で、これではいくら地球を守るとか動物を大切にしたいからとかと言っても、継続しないと思いました。
これでは世界は変えられないと感じました。そこで、「動物の関与なしに乳タンパク質を作ることができないか?」と考えました。これが可能になれば人々が食を楽しみながら、世界が変えられるのではないかと。
栄養も味も本物の牛乳と同じ
――それでアニマルフリーの乳タンパク質を作ったのですね。
私たちが見ている問題は非常に大きいものです。乳業全体とそのサプライチェーンがかかわってきます。これを持続可能なものにするには非常に時間がかかります。ひとつは地球にやさしいこと、そして食の安全と動物の保護が必要です。私たちの製品は新しい牛を作ったようなものです。
私たちのパートナーのサプライチェーンはアイスクリームやクリームチーズ、ヨーグルトやケーキを私たちのミルクから作ることができます。このビーガンのニーズをメインストリームにしていきたいと思っています。栄養も味も本物の牛乳と同じで、妥協は一切なしです。でもホルモンも抗生物質も、コレステロールもありません。次世代や将来とWin-Winになれる選択肢です。
Image: Perfect Day
――研究開発にあたって、何がもっとも困難でしたか?
私たちが使っている技術自体は40年間使われているものです。発酵とミクロフローラを使ってタンパク質を大量に作るというもので、既に認められている技術です。
この技術を正しいチーム、正しい文化につなぎ、製造を行い、スケールできたことが大きかったと思っています。今私たちはこのタンパク質をすべての人に届けるためのサプライチェーンを作る旅路をはじめたばかりなので、まだこれからも挑戦は続きます。
コロナで需要増。グローバルに届けたい
――新型コロナウイルスでどのような影響が出ていますか?
新型コロナは動物由来のウイルスとされているので、自分たちの食べ物がどこから来たものなのかにより注意を払おうとする人たちも出てきたと思います。それからコロナ禍で気が滅入る中でアイスクリームのような美味しいもので気晴らしをしようという需要もあるでしょう。
――海外展開は考えていますか?
グローバルにこの解決策を広げていく必要があると考えています。ですので、私たちの製品を使って世界中に広めてくれる企業とのパートナーを組んでいきたいです。日本も大きな市場で、とても関心を持っています。