Cyralは「シンプル」という意味を含んでいる
―Cyral設立の経緯を教えていただけますか。
Cyralの前にはアプリケーションデリバリーのスタートアップInstart Logicを立ち上げ、CEOを務めました。2年前に10年来の友人と会った時に、Cyralを設立しようと決意しました。
私が子供の頃、80年代のインドでは、露出したワイヤーとコイルを巻いた木の棒を、バケツに入れた水の中に入れて、半分露出したワイヤーを手でソケットに挿し電源を流す、不格好で火事になる危険を伴うお手製のコイルヒーターを使い、お湯を作っていました。米国では蛇口をひねればお湯が出ます。至ってシンプルです。こうしたシンプルさや、使いやすさは、人の生活を変えます。
そこで私はセキュリティ担当者、DevOpsエンジニアやチーム全体の生活を変えるシンプルなサービスを構築することが重要だと考え、Cyralを設立しました。
私の母国語では、シンプルまたは簡単なことを言い表す「サラール」という言葉があります。これが、Cyralの名前の由来です。
深い専門知識と運用経験を持つチームで独自技術を開発
―製品をご紹介いただけますか。
Cyralは、クラウドにある全データに対するアクセスを全て常に監視し、設定ミスやのぞき見からデータを保護すると同時に、どのサービスを使ってクラウドにアクセスしたかといった情報を追跡できるデータセキュリティサービスです。
―どういった企業が御社のサービスを利用していますか。
100から150人規模のスタートアップもいますし、数千人規模の銀行や大企業でもご利用いただいています。規模は違いますが、全ての顧客に共通するのは、クラウド内に機密データを保管していることです。そして、主にサブスクリプションベースでご提供しています。
―競合はいるのでしょうか。また他社にはない、御社の強みはどのような点でしょうか。
当社の開発チームは、データベース構築、コンパイラ構築や、大規模なディストリビューションサービスに関する深い専門知識と運用経験を持っています。またコア技術に関連して約15の特許申請しています。
オンプレミスでのデータリポジトリ、データセンターまたはクラウドサーバのデータベースやデータウェアハウス、またはサードパーティのSaaSなど、データがどこにあってもデータストリームとリクエストを全て検査します。検査がパフォーマンスや、スケーラビリティに影響を与えることはありませんし、デプロイも非常に簡単にできます。
Cyralが他社サービスと最も違う点は、非常にシンプルで簡単に使えることです。
ビジネスの機敏性の追求を可能に
―今後の目標として海外展開も視野に入っていますか。
米国外の企業からもお問合せがありますし、既存の顧客にも多国籍企業がいます。最近の話ですが、アジアに本社があり米国に支社を持っている企業から問い合わせがありました。最初にお問い合わせをいただいてから、2週間経たずに導入が済んでいます。
―日本市場での展開はお考えですか。
全ての市場において、それぞれの文化や運用方法など、独自のダイナミクスがあります。ビジネスの成功に必要なことや、顧客を満足させるために必要なことが違います。
タイミングが合って、最適なパートナーが見つかれば日本市場に参入したいと考えています。
―最後にメッセージをお願いいたします。
AIや機械学習などが進歩する中、チームメンバーが地理的に分散するようになり、生産性を高めるための多種多様なツールが提供されています。データは様々な形式で、様々なメンバーの手に渡ります。そして、メンバーは各自のお気に入りツールを使いアクセスします。こうしたデータの民主化現象は、生産性が高まるのでビジネスの視点から見るといいことですが、セキュリティやガバナンスの懸念が高まります。
Cyralを使えば、セキュリティの懸念を気にすることなく、企業のクラウド移行や、AIおよび機械学習アプリケーションの採用、リモートや分散型チームのコラボレーションに投資が可能になります。