「TECHBLITZ」編集部では今回、研究と事業化の“溝”を埋めるため特別な取り組みを行う研究機関と、そこから誕生したスタートアップに焦点を当てた「研究所発スタートアップ Trend Report」を作成しました。

このトレンドレポートでわかること

●「ディープテック」関連の世界の著名研究所の取り組み(ドイツ)

※今回TECHBLITZ上で配布する「研究所発スタートアップ Trend Report」は一部項目のみの短縮版となります。下記コンテンツを含んだ完全版は「BLITZ Portal」会員のみに配布いたします。

    [完全版で追加される内容]
  • 著名研究所の取り組み(フランス・イスラエル)

そもそもディープテック(DeepTech)とは?

 ディープテック(DeepTech)という言葉は、深さ(deep)とテクノロジー(Technology)をかけ合わせた造語です。科学的な発見や革新的な技術に基づいて、社会にインパクトを与えることができる可能性のある技術のことを示します。

 ディープテックは一般的にマネタイズ手法が確立される前の技術を指すため、商用化に至る可能性は低く、またリターンを得られる場合でも長い時間が必要です。つまり端的に言ってハイリスクであり、資金調達に苦労するとされていました。ただ近年ではAI分野や気候変動対応など、元々ディープテックとカテゴライズされていた領域が注目を集める機会が増えており、VCなどからの資金流入が顕著になってきています。

【調査レポート】ディープテック・スタートアップへの期待と課題
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ディープテックが注目される背景

 2022年6月に発表された岸田政権の「骨太の方針」において、新しい資本主義に向けた重点投資4分野のひとつとして「スタートアップの起業加速及びオープンイノベーションの推進」が盛り込まれました。投資拡大や起業家人材育成のための施策など幅広い提起がなされていますが、その中でもTECHBLITZ編集部が特に注目しているのが「事業化まで時間を要するディープテックなど、長期間をかけて大きな成長を目指すスタートアップを後押しするための環境整備」「スタートアップが大学の知的財産権を事業化する環境整備」「ディープテック系スタートアップとのオープンイノベーションの促進」への言及です。

 各国においてスタートアップの創出と既存企業とのオープンイノベーションの重要性に関する理解が進み、イノベーションの促進を通した経済活性化施策の優先順位が上る一方で、長い間、研究所や研究大学からの「スピンオフ」の育成には特別な注意が払われてこなかったと言われています。しかし近年、特に公的な支援を受けて進められてきた研究の成果を、社会的な課題解決や経済的利益につなげること、ひいては新しい市場の形成や、雇用の創出、国の経済成長と競争力強化につなげることの意義が指摘されるようになってきました。たとえばフランスが、2019年に「DeepTech Plan」を策定し、毎年500社のDeepTechスタートアップを創出するという壮大な計画を立てたことが知られています。500社には届かなかったものの、2021年には前年比26%増の250社のDeepTech企業が生まれました。そしてその土台になっているのが、教育・研究機関を中心としたエコシステムだとされています*。

*Bpifrance, "The Deeptech Plan Shows Successful Results in 2021"

ディープテックを取り巻く問題点と、その対策

 とはいえ、優れた科学者の条件と、優れた科学起業家の条件は必ずしも一致しないことが知られており、起業には技術的な専門知識に加え、アイデアを売り込むための説明能力、ネットワーキング力、経営や財務に関する知識といったスキルも求められます。また、多くの国において、「科学者たるもの金儲けの道に進むべきではない」というような意識が今なお根強いとも言われ、研究者たちの意識改革から着手することが必要だという声も聞かれます。投資家の側においても、研究開発型の企業はリターンが得られるようになるまでに比較的時間がかかることから、投資に消極的になりがちです。ビジョンの共有、長期的な視野に立った投資に対する理解やインセンティブが必要であることは言うまでもありません。

 これらの障壁を取り除くべく、世界中の研究機関で、所属する研究者を対象とした起業のための情報やトレーニングの提供、知的財産(IP)契約の合理化、投資家や民間企業との関係構築など、技術移転のためのさまざまな取り組みが行われています。そして、これらの取り組みを加速させるために多くの研究機関で、「技術移転オフィス(Technology Transfer Office: TTO)」が設置され、ラボから市場へのスムーズな技術移転を推進しています。

 本レポートでは、技術移転オフィスを設置し、技術移転プログラムを通して研究成果の商用化とスピンオフの育成を積極的に進めているドイツのフラウンホーファー研究機構とヘルムホルツ協会、フランスのCNRSとInria、そしてイスラエルのワイツマン科学研究所に注目しました。これらの研究所の取り組みの一部を取り上げながら、各研究所からのスピンオフ企業を紹介してまいります。

ディープテックを生み出す、各国の研究開発機関

 「研究所発スタートアップ Trend Report」は、以下の画像の内容で構成しております。そのうち本記事下部のフォームから入手できる短縮版では、冒頭の「Overview」と「著名研究所の取り組み(一部)」のセクションをご提供しています。

 日本企業が現状のトレンドを予測するうえで、またオープンイノベーションの進め方を考えるうえで、本レポートがお役立ていただければ幸いです。

 「研究所発スタートアップ Trend Report」短縮版をご希望される方は、下記フォームより資料請求をお願いします。

※今回TECHBLITZ上で配布する「研究所発スタートアップ Trend Report」は一部項目のみの短縮版となります。完全版は「BLITZ Portal」会員のみに配布いたします。

※新規事業開発、R&D、オープンイノベーション、商材発掘などを行う事業会社、政府系機関(行政含む)、CVC、VC、メディアに限りお渡しさせて頂いております。サービスプロバイダー、コンサル、もしくは弊社と同業種の方へのお渡しはお断りさせて頂く場合があること、ご了承ください。




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