岸田政権が2022年を「スタートアップ創出元年」に位置付けるなど、官民挙げたスタートアップ支援の機運が高まっている。その10年余り前の2011年、KDDI株式会社は「KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)」を発足。事業共創・オープンイノベーション(OI)の取り組みを進めてきた。けん引役となったのがKDDI事業創造本部副本部長の中馬和彦氏だ。KDDIの新規事業開発は、社内企画などは一切なく、徹底したオープンイノベーションの方針をとっているという。経団連スタートアップエコシステム変革タスクフォース委員も務める中馬氏に、日本のCVC運営の現状やオープンイノベーションの目指すべき姿について聞いた。

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<目次>
  ・国内最大の事業共創エコシステムに成長した「KDDI ∞ Labo」
  ・3つのファンドで総額380億円を運用 「通信以外は全て新規事業」
  ・なぜ、日本のオープンイノベーションは進まないのか
  ・Google×YouTubeなど、買収で企業価値を上げる巨大テック企業
  ・大企業のアセットを投入しながら、本体の「外」で育む
  ・不況の時こそ、オープンイノベーションを止めるな

国内最大の事業共創エコシステムに成長した「KDDI ∞ Labo」

――今日は中馬さんから、いわゆるオープンイノベーションの通説を覆す「目からウロコ」のお話を伺いたいと思います。

「目からウロコ」のお話と言われても、そんな立派な話はなかなかできないなと思いますが、「棚から牡丹餅」といった感じのオープンイノベーションのtipsはお伝えできるかと思います。

――ありがとうございます。では、KDDI ∞ Labo をはじめとするスタートアップ支援やオープンイノベーションの取り組みについて教えてください。

 KDDIは2011年から本格的にスタートアップの取り組みを始めています。KDDI ∞ Laboは2011年、事業会社が提供する国内初のインキュベーションプログラムとして誕生しました。当初はKDDI単独で始めましたが、周囲からも「何か一緒にやりたい」「当社とも連携しませんか」というお話をたくさん頂きました。スタートアップと一緒に取り組みたいという大企業さんと「仲間」となって取り組むのが、スタートアップの皆さんにとっても有益だろうということになり、パートナープログラムを始めました。

 現在は多くのパートナー企業とともに、大企業とスタートアップの国内最大の「事業共創エコシステム」として活動を推進しています。

中馬和彦
事業創造本部 副本部長 兼 Web3事業推進室長 兼 LX戦略部長
KDDI株式会社事業創造本部副本部長として、スタートアップ投資をはじめとしたオープンイノベーション活動、地方自治体や大企業とのアライアンス戦略、および全社横断の新規事業を統括する。社外でもさまざまな役職を務める。

・「新しい資本主義実現会議」スタートアップ育成分科会委員
・経済産業省 J-Startup推薦委員
・経団連スタートアップエコシステム改革TF委員
・東京大学大学院工学系研究科非常勤講師
・バーチャルシティコンソーシアム代表幹事
・一般社団法人Metaverse Japan理事
・クラスター株式会社 社外取締役
他、多数

――パートナー企業はどのくらいの規模に広がっているのですか?

 趣旨に賛同いただき、手を上げていただいた企業さんに仲間入りしてもらっています。現在73社のパートナー企業がおり、「パートナー連合」としてスタートアップとの事業共創、事業支援を共に推進しています。例えば、スタートアップが「大企業の投資担当者に会いたい」といった場合、KDDI ∞ Labo に来ていただくと、さまざまな大企業の担当者の皆さんに会える、という場を提供しています。

 日本のスタートアップを巡る環境を振り返ってみますと、この10年でアクセラレータもCVCも100を超えました。産学連携による技術の共同開発や、大企業の投資を促進する税制改正なども進んだことで、起業家を支援する「0→1」(ゼロイチ)の環境は大方整ってきたと思います。昨年、2021年はコロナ禍にあっても、スタートアップへの全体の投資額が大きく減らなかったことは、素晴らしいと思っています。

Image:KDDI

――具体的にはどんな取り組みをされていますか。

 比較的アクティブに、大企業とスタートアップが出会い、一緒に何かを始めるみたいな「場」を提供しています。月1で、私たちの方でテーマを決め、スタートアップの皆様に声かけをして大企業と引き合わせをするような「場」づくりがメーンです。

 ほかにも、スタートアップの皆さんが「大企業にいろいろと相談したいんだけど、どこに何を相談していいのか分からない」という声やニーズがあります。ここについては、「見える化」をしようということで、パートナー各社さんのアセットなどを全てメニュー化しています。例えば、大企業側から「この場所を使っていいですよ」「こういうメンタリングできますよ」といったものです。そのメニューは現在約200種類に上り、ウェブで全て公開しています。

 このパートナー連合による200種類のアセット提供を通してスタートアップの事業を支援し、2021年度は300件超の支援・協業事例を創出してきました。

Image:KDDI

3つのファンドで総額380億円を運用 「通信以外は全て新規事業」

――東京大学での取り組みやファンドについても教えてください。

 東京大学で寄付講座を2021年度から始めました。我々もシード向けの支援やファンドなどいろいろやっていますが、やはり日本のスタートアップの分母がまだまだ少ないという課題があります。そこで、その母集団である学生への積極的な起業家教育が必要ではないかという意識がありました。東京大学では、起業家志向がある学生や、ディープテックの卵に対して、著名な起業家らとの引き合わせなどをやっています。

 それからファンドは、KDDI ∞ Labo 設立の翌年、2012年から約10年ほどやっています。メーンのファンドとして、300億円規模のオープンイノベーションファンドがあります。また、地方創生的なテーマに特化した地域共創もやっています。最近は、気候変動対応などに特化したファンドも立ち上げました。この3つのファンドで約380億円の運用をしています。

Image:KDDI

 ポートフォリオに関してはステルスも多いので実際数はもうちょっと多いですが、海外・国内を問わず、幅広いジャンルのスタートアップ119社へ投資しています。多くの企業のCVCは、隣接する事業への投資が多いかと思いますが、我々の投資領域は非常に広く、「通信以外は全て新規事業」という位置づけです。一見すると「通信会社がバイオに投資するの?」と思われるかもしれませんが、ポートフォリオはVCのように比較的幅広い領域になっています。

 またポートフォリオの4割ほどが海外のスタートアップです。サンフランシスコ、上海、シンガポールにも当社の拠点があり、海外のスタートアップにも積極的に投資しています。

 KDDI ∞ Labo の設立からこの10年余、アクセルを踏み続けてスタートアップの皆さんに向き合い、支援に取り組んできました。経済産業省の調査で、KDDIは大企業で最もスタートアップフレンドリーな会社という評価をいただき、5年連続で1位に選んでいただいています。

Image:KDDI

――経団連が「スタートアップ躍進ビジョン」として提言をまとめたり、岸田政権が「スタートアップ創出元年」を打ち出したりするなど、スタートアップ支援やオープンイノベーションの機運が日本でもようやく高まっています。経団連のメンバーも務める中馬さんは、現状や今後の課題について、どうご覧になっていますか?

 経団連ではスタートアップ支援強化のタスクフォースのメンバーを務めています。日本の課題として、大企業によるスタートアップのM&Aが少ないというのが、イノベーションの課題だと言われています。これをどうすれば促進できるのかといったことを議論しており、大企業のスタートアップに対する向き合い方をスコアリングできないか、検討しているところです。

 このスコアリングのクライテリア、評価基準は大きく分けて3段階の話が出ています。例えば、大企業がCVCを作ったり、アクセラレータプログラムを作ったりして、スタートアップを支援する形があります。そこからさらに踏み込んで、資本提携・業務提携、ジョイントベンチャー設立による協業のフェーズがあります。そして最終的には、M&Aでスタートアップに大企業の仲間に入っていただく経営統合、合併のフェーズがあります。

 このようなプロセスにおいて、それぞれのフェーズにおいて各社がどのような活動をしているのかということがスコアリングされるようなものが予定されています。

なぜ、日本のオープンイノベーションは進まないのか

――そこを踏まえてですが、中馬さんは、CVCが目指すべきゴールは「M&Aの手法を活かした新規事業創出」だが、国内CVCの大部分は活動の導入部分である「スタートアップ『支援』にとどまっている」と厳しい見方をしています。なぜ、日本のオープンイノベーションはなかなか進まないのでしょうか。

 日本でも、オープンイノベーションに関する部署ができたり、CVCが増えたりと、大企業の取り組みもだいぶ広がってきました。この10年で様変わりしたと感じます。ただ、海外と比べると、まだ一桁、二桁小さいような規模です。

 オープンイノベーションには3つのフェーズ、ステップがあると考えたとき、多くの企業は「ステップ1」の支援の段階で止まっている感じです。CVCをやりました、もしくはアクセラレータをやってPoC(概念実証)をしました、でも、なかなか結果でなくて苦しんでます、といった感じです。もしくはCVCを作ったけど、なかなか投資が進まずコールド化しているとか、いろいろお話を伺うと多くの企業がここで止まっている印象です。

Image:KDDI

 スタートアップとオープンイノベーションをやるということは、基本的には「新規事業をつくること」だと私は思っています。ですので、「ステップ1」の支援はあくまでプロセスの途中です。「ステップ2」のように資本提携や事業連携に進み、「ステップ3」のM&Aで事業を自社に取り込んで成長戦略に位置付けるというようなゴールを定めたうえでの1の支援があるということだと思います。ちゃんとそのプロセスに進んでいるか、というのが課題です。

 1の支援はやっていても、結局、2の提携や、3のM&Aに進まないと果実が得られず、そこに進む前に「失敗」という位置づけをされてしまうプロジェクトもあるのではないかと思います。では、2、3をどう実現できるのか、逆算した検討プロセスで考えることが、大企業のオープンイノベーションには必要なのではないかと思います。

Image:KDDI

Google×YouTubeなど、買収で企業価値を上げる巨大テック企業

――海外では、大型のM&Aの事例をよく見かけます。

 もはやこれは当たり前の話ですが、海外に目を向けると、世界上位の企業、GoogleやAppleの成長はほぼM&Aによるものです。Google×YouTube、Facebook×Instagram、Microsoft×LinkedIn、Salesforce × Slackといったように、大型のM&Aを通して自社の本業以外のところで大きく成長して、株価を上げているのが現状だと思います。

 M&Aをすることが両者にとってウィンウィンであることを、GoogleとYouTubeの事例で紹介します。GoogleがYouTubeを買収する直前の2006年時点、YouTubeのMAU(Monthly Active Users:月間アクティブユーザー)は1,200万MAUでした。それだけでも十分大きなMAUですが、テレビに代わる世界のメディアかというと、そこまでは至っていませんでした。

 それが2022年をみると、26億MAUと、世界の半分の人々が使っているような感覚です。約200倍の成長をしているわけですけども、これがYouTube単独でできたかというと、やはりGoogleのオーガニック検索からのリーチを含めてこれだけ多くの人にリーチできたのではないでしょうか。Googleのアセットを使うことでYouTubeというアプリケーションが活きた事例だと思います。

 YouTubeにとってもこれだけの成長ができたのはGoogleの傘下に入ったからですし、GoogleにとってもYouTubeの買収を通してGoogleの企業価値を引き上げることに成功したということだと思います。

 FacebookとInstagramも同じようなウィンウィンの関係です。このようなスタートアップとの協業やM&Aをいかにたくさん生み出せるかが日本の課題であり、可能性だと思います。

大企業のアセットを投入しながら、本体の「外」で育む

――御社はオープンイノベーションをどう戦略として活かしてきたのでしょうか?

 KDDIは2000年に合併してできた電話会社です。当時の売り上げは2.8兆円ほどでした。実はそこから24社が合併し、35社をM&Aしてここまで大きくなりました。日本の企業では珍しく、M&Aで成長している会社です。また、本業は電話から始まり、インターネット、モバイルと事業のトランスフォーメーションも繰り返してきました。

 今では、創業事業だった電話の売り上げは1000億円程度でしかなく、例えばLINE電話など新しい技術の登場で完全にディスラプトしてしまいました。ですので、KDDIはテクノロジーの進化とともに、事業のトランスフォーメーションとM&Aを通して持続的な成長を図ってきました。ちなみに、合併やM&Aした企業数計59社のうち、22社はスタートアップです。日本で一番スタートアップとオープンイノベーションに取り組んでいる企業と言われる理由はここにあります。

Image:KDDI

 KDDIによるスタートアップのM&Aの事例を紹介します。当社はもともと本体でコマース事業を展開していましたが、スタートアップ2社をM&Aし、本体のコマース事業もカーブアウトして合併させるという「ハイブリッドスタートアップ」として、auコマース&ライフ株式会社として運営しています。スタートアップを母体に新しいコマースのウイングが出来上がったという感じです。

 同様に、デジタルマーケティングの分野に関しても、スタートアップ5社をM&Aして合併させ、本体のデジタルマーケティングの部門をカーブアウトして一緒にし、本体ではなくて外に新しいスタートアップの集合体として融合する、エンティティをつくるというやり方をしています。現在、Supership株式会社として運営しています。

 ハイブリッドスタートアップの手法は、スタートアップという成長著しい企業を、KDDIという安定成長の企業が取り込むことによって成長の速度が遅くなったり、文化が変わったりしてしまうことを避けたいということがあります。

 できるだけスタートアップの成長率やポテンシャルを損なわない形で、大企業本体の「外」に置いた状態をつくり、一方で大企業の中のアセットをどんどん切り出して、スタートアップにくっつけることで、スタートアップの成長をさらに加速させるやり方をとっております。結果として、比較的うまく成長していると思います。

 それから、「スイングバイIPO」という手法もとっています。IoT通信プラットフォームを展開するソラコムは当社が2017年にM&Aをして、わずか4年でIDが100倍、売り上げが20倍という大成長を遂げました。彼らはKDDIのアセットを使って、グローバル展開に向けて成長し、次のステージに向けてもう一度IPOを目指しております。

 これは、既にIPOしたスタートアップをKDDIがM&Aして、KDDI本体がその潜在能力をできるだけ支援することによってグロースさせる仕組みです。その結果、KDDIのグループ全体が大きくなるといったようなことを意図してこの仕組みをとっています。

Image:KDDI

 私たちはステージごとにスタートアップ支援をやっています。シードについてはKDDI ∞ Labo で年間何百社という支援をしております。シリーズA以降になるとオープンイノベーションファンドで出資し、資本を通じてさらなるアセットを投入します。

 さらにレイタ―になると、マジョリティで投資をして、そこに強烈なアセット支援をして事業をグロースさせていきます。M&AでもIPOでもよいので、スタートアップがグロースステージでいかに大企業のアセットを使って成長できるか、という取り組みを「インパクトグロース戦略」として位置付けています。

 このインパクトグロース戦略を1つの「型」として、ソラコムのように何社もグロースさせていければ、日本に大量にユニコーンが生まれると思います。これからも戦略的に取り組んでいきたいと考えています。

Image:KDDI

 KDDIという会社はこの10年余り、積極的にスタートアップ支援、オープンイノベーションに取り組んできました。当社は基本的に、「成長戦略イコールオープンイノベーション」という考え方です。「通信」以外の新規事業は全て、会社の「外」のアイデアに寄り添います。金融やエネルギー、モビリティ、メタバースもそうですが、全てスタートアップとの協業、ないしはM&Aで、新しい事業を立ち上げています。

 KDDIがゼロからつくり上げたものは一つもなく、我々は新規事業は全て外から持ってくる、買ってくる、もしくは育てていくという、「サテライトグロース戦略」をとっています。今後も成長していくために、引き続きオープンイノベーションに取り組んでいきたいと思います。

不況の時こそ、オープンイノベーションを止めるな

――M&Aについてですが、PMI(Post Merger Integration:ポスト・マージャー・インテグレーション)はどのように行っていますか?

 ポイントは、先ほどのハイブリッドスタートアップもそうですが、「取り込まない」「外で育む」ということです。

 スタートアップのいいところは高成長な点です。それは組織が荒いがゆえに、成長の余力が大きいということがありますが、変に大企業のファンクショナルな、成熟した組織に取り込むと、本来スタートアップが持っているポテンシャルをそぐときがあります。

 基本、低成長の会社の文化に取り込むのではなく、高成長の会社を低成長の会社がサポートすることに徹するべきだと思っています。ですので、PMIのコツは、基本は「口を出さない」こと、自分たちのやり方を押し付けないことが全てだと思います。

 ただ、M&Aすると連携会計になりますので、CFOだけは送り込みます。あとは、セキュリテーの問題ですね。情報セキュリティで事故が起きると、KDDIグループ全体の問題にもなってしまいますので、情報セキュリティとファイナンスはKDDIのやり方を取り入れてもらいますが、それ以外のところは基本的に口を出さない、スタートアップ側のやり方をどこまで尊重できるかが大事だと思います。

――米国をはじめとした、スタートアップの時価総額の見直しやリセッションが懸念される中で、御社の活動を見直したり、変更したりするようなところはありますか?

 先ほどインパクトグロース戦略のお話をしました。グロースのステージでIPO手前とか、マザーズ上場したが成長の踊り場に来ているような会社に関しても、当社は積極的にマジョリティーの出資をして、KDDIのアセットを投入してグロースアップして、あらためてIPOに向かわせたり、さらなる事業成長に向けて売却したりするようなことをやっています。

 この点から言うと、こういった戦略がとてもやりやすくなりました。スタートアップの時価総額が下がり、単独での資金調達もなかなかできなくなっており、IPOというエグジットが見えづらくなってきています。資金調達も難しくなっています。

 一方で、グロースのポテンシャルがある会社はたくさんあり、かつバリュエーションは下がっている。日本のM&Aが少ないというのが課題ですが、今が大企業とのM&Aを加速させるいいタイミングなのかなと思っています。適正なバリュエーションになってきていますし、今までだとM&Aをすると「のれん」が厳しくて、その後の償却の減損リスクを恐れながら、皆さん苦労されてきたと思います。

 バリュエーションが下がるということは、その分「のれん」が圧縮されますから、大企業にとっては、M&Aによる成長が非常にやりやすくなっており、すごくチャンスだと思います。マーケットとしては非常に良いと捉えた方がいいのではないでしょうか。

 CVCの方から、最近投資を控えていますということも聞きますが、我々は非常に積極的にやっています。日本企業は不況になると、新規から止めますが、不況の時こそ、次をやっておかないと、ただ守り一辺倒になってしまいます。

 リーマン・ショックのときにAirbnbやUberといったスタートアップが一気に伸びました。リセッションの時こそ、イノベーションが起こりやすいので、そこに対して積極的になるか、ならないかで、その先10年の成長が変わってくるのではないかと思います。

――不況の時こそ、オープンイノベーションを止めるな、ということですか?

 そう思いますし、そうしてほしいです。当社はこれまで以上に積極的に取り組んでいます。

後編につづく

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