東京都などが主催するグローバルイノベーションカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program」が5月15、16両日、東京ビッグサイトで開催される。各分野のキープレイヤーたちがスタートアップの未来などについて議論するセッションや、国内外のスタートアップが一堂に会するピッチイベントなどが催される本カンファレンス。同プログラムのメディアパートナーを務めるTECHBLITZが注目ポイントを紹介する。

目次
「グローバルスタートアップ・プログラム」とは
セッションは何を見る?迷ったらコレは外せない!
選抜20社の白熱ピッチ、注目スタートアップは?

「グローバルスタートアップ・プログラム」とは

 グローバルスタートアップ・プログラムは、SusHi Tech Tokyo 2024が提供する3つの基幹プログラムの1つ。2023年2月に開催した国内最大級のスタートアップイベント「City-Tech.Tokyo」をバージョンアップしたもので、セッション、ピッチコンテスト、基調講演、スタートアップや企業、都市のブース展示、商談会などが実施される。

 なお、SusHi Tech Tokyo 2024はグローバルスタートアップ・プログラムの他に、5大陸から都市のリーダーが集う国際会議「シティリーダーズ・プログラム」、自然と便利が融合する未来の都市モデルを東京から発信する「ショーケース・プログラム」で構成されている。

image: 東京都

セッションは何を見る?迷ったらコレは外せない!

著名VC代表や「インパクト投資の父」は何を語るか

 プログラムの主要コンテンツである「セッション」には、著名VCの代表や有望スタートアップのCEOなど、国内外のキープレイヤー総勢130人以上がスピーカーとして登壇する。フロア内には大小4つのステージがあり、複数のセッションが同時並行で行われるため、どれに参加するかは頭の悩ませどころだ。

 TECHBLITZ編集部がまずおススメするのは、シリコンバレー発のVCで日本とも関わりが深いGeodesic Capitalの共同創業者、John Roos氏が登壇するセッション(15日午後4時~@ステージA)。「グローバルVCは日本のスタートアップをどう見るか」と題して、日本のスタートアップにとってのチャンスと課題、グローバルVCが持つ日本スタートアップへの投資意欲などについて、欧州や韓国などのVC代表たちと意見を交わす。

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 また、社会的リターンと財務的リターンを追及する投資手法である「インパクト投資」に対する関心が日本でも高まる中、「インパクト投資の父」として知られるRonald Cohen氏が何を語るかにも注目だ。

 こちら「アジア/日本からのインパクト投資とイノベーションの拡大」(16日午後4時半~@ステージA)と題したセッションでは、渋沢栄一の玄孫で「草食投資隊」の名で長期投資の啓蒙活動にも精力的なシブサワ・アンド・カンパニー代表取締役の渋澤健氏をパネリストに加え、日本やアジアが抱える課題解決の道を、インパクト投資の要素を絡めて議論する。

若者世代へのメッセージを伝えるセッションも

 イノベーションの未来を担う若者世代に足を運んでもらいたいのが、「考え方、行動、そして未来を変える。〜次世代の若きリーダーとの対話〜」と題したセッションだ。

 登壇者には、フィンランドの学生主導VC、Wave VenturesのCEOを務めるErik Kymäläinen氏や、カリフォルニア大学バークレー校応用数学科出身で衛星データを活用した解析技術を開発するSolafuneの代表取締役CEOを務める上地練氏、ハーバード大学出身で日本最年少市長となった兵庫県芦屋市の髙島崚輔市長ら、若くして各分野でリーダーとして活躍する多様な顔ぶれが並ぶ。モデレーターは、東京拠点のCNNの国際特派員であるモンゴメリー花子氏が務める。

 このセッションは学生団体が主体となり企画したもの。「自分たちが聞きたいセッションは何か」を考え、若くしてグローバルに活躍するリーダーたちのマインドセットを学ぶ場とした。企画の中心役となった男子大学生は、「スタートアップを就職先の選択肢とすることや起業することが、自分の周りでもより身近になっていると感じる。登壇者は専門分野も多種多様だけれど、今の若者が必要としてる共通項を学び取れるはず」と話した。

選抜20社の白熱ピッチ、注目スタートアップは?

 Global Startup Programのもう1つの見どころは、世界が直面する課題を解決するテクノロジーやアイデアを競うピッチコンテスト「SusHi Tech Challenge 2024」。世界43カ国・地域から500社を超える応募があり、事前審査を経て、15日のセミファイナルには20社が選抜された。国内8社、海外12社のスタートアップが、優勝賞金1,000万円を目指し、壇上で熱いピッチを繰り広げる。

 自在に湿度と温度をコントロールできる冷却技術、魚由来の培養脂肪、貨物輸送に特化したドローン技術など、いずれもユニークなスタートアップが顔を揃える中、TECHBLITZ編集部が特に注目するスタートアップはこちらの3社。

エレファンテック

 金属印刷技術を使った、サステナブルな電子回路基板の製造ソリューション。環境負荷の低い金属インクジェット印刷による電子回路基板の量産化に成功した。独自製法の「ピュアアディティブ法」によって、既存製法と比べてCO2排出量を75%、水消費量を95%削減することを可能にしている。

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ファーメンステーション

 未利用資源の発酵アップサイクル技術を用いたソリューションを手掛ける。独自の発酵技術で規格外の農産物や飲料・食品工場で排出される製造残さ等の未利用資源を機能性バイオ素材へアップサイクルし、独自の化粧品や食品の原料開発、また自社ブランド・他社ブランドOEMの開発などを行っている。

アスエネ

 企業向けにCO2排出量の見える化・削減クラウドサービス「アスゼロ」を展開。コストを抑えながらカンタンに温室効果ガスやCO2排出量の算出・可視化が行える。そのほかにも、ESG評価クラウドサービスやカーボンクレジット・排出権取引所、サステナビリティ経営コンサルティングサービスなども提供し、Climate Tech領域での日本ナンバーワンを目指している。

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 ファイナルラウンドには7社が選ばれる。ファイナルラウンドは、16日午後2時からステージAで開催。  

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