岸田文雄首相が2022年10月の所信表明演説で、5年間で1兆円を「リスキリング」の支援に投じる方針を打ち出したこともあり、成長産業への労働移動を実現する手段としても注目が集まります。学ばない人は取り残され、人材育成に力を入れる企業に人気が集まる時代。「学び続ける仕組み」を提供する国内外のスタートアップなどを紹介します。
「大退職時代」に退職されないために
Eラーニングは社内エキスパートにお任せ。250億円超を調達したパリ発のLMSテック360Learning
新卒・中途採用に関わらず新しい職場で1番最初に行われるのが研修。人材育成の中核を成し、ユニークな研修制度を導入している企業も増えてきた。一方で、企業内研修を作成する側は自社教材がないゆえ、丸々外注してしまう場合も多い。今回の記事では、企業が研修を組む際に、社内のエキスパートを巻き込んでコラボレーションを実現できるプラットフォーム360Learningの創業者でCEOのNick Hernandez氏に話を聞いた。
Image: 360Learning
Eラーニング教材と自社教材、集合研修を自由に組み合わせ
企業に合ったリスキリング、教育を支援するSaaSプラットフォームを提供 manebi 「人生開発」を当たり前に
岸田政権が今後5年間で1兆円を投じる方針を掲げたことで、国内でも一気に注目が集まっているリスキリング。しかし、個人の学び直しの文脈で語られることが多いのが現状だ。2013年設立のmanebi(本社:東京)代表取締役執行役員CEOの田島智也氏は「まずリスキリングありきではなく、企業ビジョンと戦略から逆算した人事戦略、教育施策の一環がリスキリングだ」と指摘する。manebiは、3,000以上のeラーニング教材と自社教材、集合研修を自由に組み合わせ、企業の社員教育を支援するSaaSプラットフォーム「playse. (プレース)」などを展開している。田島氏に事業のミッションや日本のリスキリングの課題、創業のきっかけなどを聞いた。
教育熱心なインドで広がるEラーニング
インドのオンライン授業プラットフォーム EdTechユニコーン Vedantu 3歳から18歳までカリキュラム充実
Vedantuはインド国内において、3歳から18歳の子どもを対象としたライブ型授業を展開するEラーニングのスタートアップだ。トレーニングを積んだ教師が、生徒の様子を見ながらクイズやアクティビティを交えて教えてくれる。生徒たちは疑問がある際は、リアルタイムで質問などができる。教育用にカスタマイズされた「Skype」のような家庭教師プラットフォームと考えるといいだろう。累計資金調達額が約2.9億ドルに達し、EdTechのユニコーンとなったVedantuの共同創業者兼CEOのVamsi Krishna氏に、事業概要やグローバル進出計画について話を聞いた。
日本市場でも急成長 スピーキングのスキルを身につける
英語発音の悩みを解消。Googleも支援するAI英語コーチELSA
AIを活用し、英語の発音を評価・改善するアプリ「ELSA」。特徴は、単語ではなく音節ごとのフィードバックで、イントネーションやリズム、流暢さも評価される。2015年に創業し、2021年4月現在、利用者が1400万人を突破。2020年はコロナ禍の影響でラテンアメリカの利用者が急増し、日本市場でも前年比7倍の成長を遂げている。ベトナム出身で、自身も英語のスピーキングに苦労した経験を持つ共同創業者兼CEOのVu Van氏に、創業の経緯や今後のビジネスについて聞いた。
Image: ELSA
トレーニングプログラムによって求職者のスキルや特性を評価
授業料は生徒が収入を得てから。営業職でのテック業界就職をサポートするFlockjay
テック系企業の営業担当者に必要なトレーニングとサポートをオンラインで提供し、一流企業の面接を保証するFlockjay。誰もが平等に学習と経済的機会を得られるよう、収入を得られるまで授業料を無料とする選択肢も用意している。2018年にサンフランシスコで創業して以来、すでに数百人が学び、GoogleやSalesforce、Zoomなどで就業し、高いサラリーを得ているという。常に教育が重要だという考えを持つ家庭で育ったCEOのShaan Hathiramani氏に聞いた。
Image: Flockjay
人事のDX、社内コミュニケーション、報酬&福利厚生など
人事業務のDX化【HRテック&リスキリングトレンドレポート】
TECHBLITZ編集部は、「HRテック」に関連するOverviewや幅広いカテゴリーの世界の最新スタートアップ情報に焦点を当てた「HRテック&リスキリング Trend Report」を作成しました。今回TECHBLITZ読者向けに、HRテック領域を中心とした抜粋版を無料配布いたします。
バイアス減らし、企業と求職者双方にメリット
まだ履歴書チェックしてるの? 評価テストで企業の採用活動を効率化するTestGorilla オンラインで最適な候補者選び
企業の採用活動において大切なのは、見栄えの良い履歴書の選別よりも、本当にスキルを持ち、職場の文化に適合する人材を効率よく見極める方法だ。TestGorilla(本社:オランダ・アムステルダム)は、幅広い業種・職種の応募時のスクリーニング評価ができるオンラインプラットフォームを提供する企業。多くの大企業の採用を効率化し、求職者にも公平な機会を与えている。同社の共同創業者でCEOのWouter Durville氏に、創業の経緯や事業の特徴、将来展望を聞いた。
ビジネス、スポーツ界で起きている「データサイエンス革命」
【UCバークレー】なぜグローバル企業の経営幹部は「データサイエンス」を学ぶのか?
今や学問だけでなく、ビジネス、スポーツ、政治など幅広く活用されている「データサイエンス」。米国のUCバークレー大学では、データサイエンスは全学部生の必修科目とし、さらにビジネス界でもエグゼクティブ向けにデータサイエンスプログラムを提供している。今回はUCバークレーのエグゼクティブ教育プログラムで、データサイエンス・分析プログラムを開発し、実際に教鞭をとるShachar Kariv氏とSteve Tadelis氏にその内容を聞いた。
Image:everything possible / Shutterstock
日本のエグゼクティブにも学びの機会が必要
【UCバークレー】米国名門大学が日本のエグゼクティブ教育に乗り出した理由
カリフォルニア大学バークレー校のHaasビジネススクールは、世界のトップクラスのビジネススクールとして名高い。そのHaasビジネススクールで22年の歴史があるエグゼクティブ教育プログラムが、日本市場の進出に乗り出している。2016年からCEOとして、事業の拡大そして収益化に大きく貢献するMike Rielly氏に、プログラムの紹介、新型コロナウイルスの影響、日本市場での展開などについて聞いた。