コンテンツクリエイターが集まるプラットフォームへ
―どのようなサービスを提供していますか。
オンライン上で商品を製作、販売するプラットフォームを提供しています。クリエイターやアーティストがTeespring上で商品をデザインした後に必要なマーケティング、注文処理、商品生産、配送に至る全てのステップを支援します。
―プラットフォームの特徴を教えてください。
Teespringは無料のプラットフォームであり、注文後に商品生産を行うので、在庫を持つリスクや先行投資は必要ありません。クリエイターに必要なのはアイデアのみ。注文が入れば、商品は自動的に購入者の元まで届けられます。エンドツーエンドのコマースをもっと簡単に、スピーディに実現しています。
―創業の経緯を教えてください。
Walker Williams と Evan Stites-Claytonが2011年に共同創業したスタートアップであり、オリジナルTシャツを販売するオンラインプラットフォームを提供していました。「誰でも、どこでも、アイデアを製品やブランド、ビジネスに変える力」を全面的にサポートすることが企業目標です。
―利用する顧客はどのように変化しましたか。
徐々に、Tシャツだけでなく、絵を売りたいといったように、新しく事業を始める際にも利用いただくようになりました。
さらに2016年頃からは、コンテンツクリエイター、つまり、インフルエンサー、YouTuber、Blogger、Instagramer、有名人といったソーシャルオーディエンスを有している方々の利用が増えました。その分野でのビジネスが急速に成長する時代となり、我々もそれに合わせていく必要が出てきました。
「最も得意なことは何か」を問い、BtoBtoCモデルへ転換
―ビジネスモデルをどのように変えましたか?
「本当の顧客は誰か」に改めて焦点を当て、「最も得意なことは何か」にもう一度注目しました。その結果、私たちの得意なことは「売り手のための技術を提供する」ことだと気付きました。
当初はBtoCモデルを想定して作っていたプラットフォームを、BtoBtoCモデルに変更し、多様化する売り手のニーズに応える技術を提供していくことにしました。そうすることにより売り手が買い手を連れてきてくるようになったのです。
―どのような企業と提携しましたか?
AmazonやeBayとの提携や、Instagram、YouTubeとの連携も行いました。その結果、YouTubeの動画のすぐ下で商品の販売が可能となり、市場に大きなインパクトを与えました。YouTubeクリエイターはTeespringで作成された商品を、すぐに自分のYouTubeコミュニティで販売し、収益を得ることができるのです。
ソーシャルコマースのNo.1を目指して
―今後のビジョンをお聞かせください。
YouTubeやInstagramなどのSNSは今後も成長し続けていくと考えているので、そういった『ソーシャルコマース』において収益を上げ続けていこうとしています。そのために、技術面やサポート面での改善を重ねて、確固たるサプライチェーンを確立し、より多くの商品をお客様に届けていきたいと考えています。
―アジアへの展開は考えていますか。
アジア市場への展開は既に検討を進めており、近々にインドにオフィスを開設する予定があります。日本や韓国もターゲットと考えていますし、日本のソーシャルメディアの仕組みやEコマースプラットフォームなどに興味があります。