自然災害のリスクを高い精度で算出し、適正な保険価格を設定
洪水リスクに保険で備えよ。自然災害から被災者を救う「reThought Insurance」
広大な国土をもつ米国は、ハリケーン、洪水、竜巻、干ばつ、地震、山火事、ブリザードなど、さまざまな自然災害の脅威にさらされている。中でも洪水は、全米のいずれの州においても、季節問わず起こりうるとされ、最も被害リスクの高い自然災害となっている。しかし、損害が甚大な洪水は、その発生頻度や被害の全貌を推定することが難しく、民間の保険会社が補償することが困難な分野とされてきた。こうした難題に焦点を当てたのが、2017年に設立されたreThought Insuranceだ。
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災害レジリエンスプラットフォーム
「もし自然災害の被害を予測できたら」を実現。AIで災害リスクを軽減させるOne Concern
世界有数の災害大国である日本。東日本大震災のような巨大地震が起き、世界の台風の約3割が日本近辺で発生するなど、日本は自然災害と隣り合わせの国である。首都直下地震も政府によって被害想定が行われており、リスクを知ることが防災の最初の一歩となるだろう。今回は、災害の被害予測やリスクの評価を行う災害レジリエンスプラットフォームを提供するOne Concernの共同創設者兼CTOのニコル・フー(Nicole Hu)氏に話を聞いた。
長年の経験から気づいた商業施設管理の課題
大規模商業施設の資産管理や保険料の査定を最適化するプラットフォームArchipelago
ビルや商業施設のオーナー・投資家は、自身が保有・管理する建築物などが自然災害や事故などの被害を受けた場合に適切な補償を受けたい。一方で保険会社は、施設の資産価値を正しく評価し、保険料や補償内容を提案したい。ArchipelagoはAIを活用し、この両者のニーズに応えるデータプラットフォームを提供している。30年以上のキャリアを通じて特にリスク・保険業界に注力してきた共同創業者・CEOのHemant Shah氏に事業の特徴と将来展望について聞いた。
NASAの研究センターからスタートアップ創業
車の台数まで測定。衛星などの地理空間データをAIで解析し、地球上の「活動」を分析するOrbital Insight
Orbital Insightは、衛星画像などのビッグデータとAIを使った地理空間分析プラットフォームを開発・提供するスタートアップだ。今回はFounder & CEOのJames Crawford氏に話を聞いた。日本では、保険会社と連携した大規模災害時の情報提供などの導入事例がある。
災害時の緊急通報手段にも対応
1日100万件を処理するクラウド緊急通報プラットフォームCarbyne
Carbyneは、緊急通報の情報処理プラットフォームを提供するスタートアップだ。2014年に設立された同社のプラットフォームは、米国など世界6カ国以上で採用され、事件・事故や急病、災害など、様々な緊急事態に直面した人々を救っている。アプリではなく通常の緊急回線からの通報でも、オペレーターへのビデオ送信や位置情報の特定を可能にするシステムも開発している。大規模災害時に通信ネットワークが不安定な際も、最も安全なネットワークを選び、最適化した音声やビデオ通信を行うことができるよう設計されている。創業者でCEOのAmir Elichai氏に話を聞いた。
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停電を伴う自然災害を想定した、マイクログリッドの必要性
気候変動対策で変革が求められるエネルギー業界、注目の9カテゴリ
今後世界中で再生可能エネルギーへのシフトが一気に加速し、化石燃料から再生可能エネルギーへとエネルギー源の主役が交代する時期も早まりそうだ。エネルギーテックに関連するテーマを9に分けて、代表的なスタートアップを紹介する。テーマ4. マイクログリッドでは、災害発生時の停電などを想定した小規模電力網システムなどを取り上げた。
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