パワフルなインテグレーションプラットフォームが必要
―どのような経緯でWorkatoは立ち上がったのですか。
Workatoは私にとって4社目のスタートアップです。はじめの2社はインテグレーション系でしたので、この領域にずいぶん長くいることになります。
Workatoを立ち上げる前にやっていたのは、動画シェアのアプリを開発するQikというスタートアップで、2011年にSkype社に売却しました。このときに、企業は多くの従業員が簡単にアクセスできるパワフルな統合プラットフォームを必要としているのではないかというアイデアを得ました。
アプリ同士のデータのやりとり
―具体的にどのような問題を解決しようとしているでしょうか。
日々、企業の活動の中では様々なデータが異なるアプリケーションを移動しています。たとえば物を購入するアプリと、請求書のやりとりをするアプリなどが別々に動いていて、これを統合するニーズというのは以前からあります。
近年は大企業から小さな小売店までアプリケーションを使っていますから、これがますます複雑化しています。このようなアプリ同士の転換が、技術者でないビジネスサイドの人、たとえば営業やマーケティング、財務や人事の人でも簡単に利用できるようになればとても便利ではないかと感じました。
―どのようなサービスを提供しているのですか。
Workato自体はクラウド上にありますが、クラウド上のアプリ同士だけではなくSAPのようなオンプレミスシステムもつなげることができます。300あまりの主要なアプリにコネクターを作っており、それ以外にWorkatoコミュニティの中で作成した1000のコネクターがあります。
Workatoはワークフローが書いてあるレシピのようなもので、どのアプリをどのアプリとどのようにつなげるか、プロセスをコネクターに伝えて、自動で統合することができます。作るレシピの数によって課金をしています。簡単かつ正確に
―競合と比べて強みはどのような点にありますか。
インテグレーションというのは以前からの課題で、取り組んでいる企業は他にもあります。この問題への取り組み方は二通りあると思います。
まず一つ目が私自身がいたTIBCOなどが挙げられます。これらの企業はインテグレーションをクラウドで行っています。ただこれらのソフトウェアは一度セットアップしてしまえば、きちんと機能する反面、セットアップが複雑だという点があります。
もう一つはここ数年で台頭してきたモダンインテグレーションツールです。これらのツールはセットアップが簡単ではあるものの、エラーなどが起きやすいものです。
Workatoの強みはTIBCOのようなきちんとインテグレーションが機能すると同時にそのセットアップがモダンインテグレーションのように簡単だということです。
生産性向上必須の日本に自動化を
―日本市場をどう見ていますか。
日本はクラウドが使われ始めるのに時間はかかりましたが、最近は浸透し始めています。自動化は日本では政府を含めてトップダウン的に求められていてリモートワークや労働生産性向上のためマニュアル作業から転換ニーズが高いはずです。大変興味深い市場だと思っています。
―中期的ゴールはどこにありますか。
世界中で自動化は進んでいます。パートナーシップでレバレッジをきかせながらスケールをさせて、市場を醸成したいです。日本でも、ローカルビジネスや顧客に精通している企業の技術的パートナーになれたら嬉しいです。