都市交通の効率化を目指し、バスなどの到着予定時刻を正確に予測するSwiftly。都市との契約で膨大なデータを集め、アルゴリズムを組んでいる。CEOで共同創業者のJonathan Simkin氏に話を聞いた。

3つのデータを利用し、公共交通を効率的に

―どのような経緯で起業をしたのですか。

 近代的な技術とビッグデータ、アルゴリズムを使って、公共交通をもっと効率的に使えないかと考えたことがきっかけです。ミッションはきわめてシンプルで、都市をもっと効率的に動かしたいということです。それは多くの人に都市内で効率的に動いてもらうことに他なりません。スクーター、バイクシェア、配車サービスなど全てを組み合わせて何が一番早く動けるかを導き出すことが、都市の効率化につながると信じています。

Jonathan Simkin
Swiftly
Co-founder and CEO
2010年にHarvey Mudd College卒、HubEdu, Inc.を創業し、2年後にRafterによる買収に伴い、同社でプロダクトマネージャーを務める。2014年にSwiftly創業。

―具体的にどのようなことが可能なのでしょうか。

 私たちのサービスには3つのコアなデータがあります。まず、リアルタイムでの乗客の状況についてのデータ。あなたがスマホでGoogleMapなど特定のアプリケーションを開いていると、パートナーシップを結んでいる都市ではそのデータが私たちの手に入ります。バス停で待っているときにあと3分でバスが到着するということも把握しています。

 2つめはオペレーションチームからのデータで、3つ目は既にあるインフラに組み込まれたGPSなどから得られる過去のデータです。これらを組み合わせて、たとえば今あるバスがどこにいて、何分後にどこまで進むかといったことを正確に予測します。

60都市と契約。正確性とインターフェースに強み

―競合や既存のサービスに比べ、強みはどこにありますか?

 リアルタイムの顧客情報を取得していることによって到着予定時間などの正確性が増しています。これまでのものはバスが何分前にどこのバス停にいたかということはわかるかもしれませんが、バス停とバス停の間で何が起こっているか、遅れているのかどうかなどまでは予測できませんでした。

 また、インターフェースもFacebookやAmazonにログインするような形で簡単に使えます。リアルタイムで何が起こっているのかが、わかりやすく可視化されるところも強みです。

―ビジネスモデルはどのようになっていますか?

 都市や交通機関と契約を結んでいます。通常SaaSモデルでソフトウェアを複数年で提供する形です。これまで60都市と契約しており、近いうちに100都市、その先に200都市を目指しています。今のところは米国をターゲットにしており、欧州や豪州などへの海外展開の可能性はありますが、言語の壁があるところは少し難しいかもしれません。



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