教会の活動の「場」を拡げるデジタルイノベーション
―まずはSeventh Spark設立の経緯を教えてもらえますか。
当社のCo-Founder & ChairmanのBrian Leeとは、彼が2009年に設立した「ShoeDazzle」という、女性用の靴をサブスクリプション方式で提供するスタートアップに、創業メンバーとして関わった時からの付合いです。「ShoeDazzle」の後、今から約2年前にBrianからSeventh Sparkの構想やビジョンを聞き、インスパイアされCo-Founderとして加わりました。
米国では、若い世代が教会に行かなくなり、教会の出席率が低下しています。しかし、若者は助言を求めており、信仰に基づくしきたりを守り、人間として成長したいと考えていることが広く知られています。つまり、人々は信仰心をなくした訳でも、新しい信仰やプラクティス (宗教的なしきたりなどを守ること)が求められているわけではないということです。
当社は、モバイル世代の若者が今までと変わらぬ信仰にふれ、プラクティスする新しい基盤を築き、「場」となってきた教会を革新することを目指しています。
メンバーをGod(神)と有意義に結びつけるもう一つの「場」としてアプリを活用
―Seventh Sparkのプラットフォームには具体的にどういった機能があるのでしょう?導入事例があれば教えてください。
当社は、クライアントといわゆるSaaSプラットフォームとしてサービスを提供するだけの関係ではなく、パートナーとして深く関わり続けることを大切にしています。そして、プラットフォームの提供だけでなく、コンテンツの制作やライブイベントにも関わっています。
キリスト教会のChurchomeのパートナーとして作ったアプリ「Churchome Global」を、2018年11月にローンチしました。このアプリは、iOS版とAndroid版があり、動画配信、対話、クラスの開催やライブイベントを、週7日提供しています。このアプリを通じて、世界中どこにいても、24時間いつでもGodと有意義につながることができます。
他に、メンバー同士が対話できるコミュニティ機能があり、一つは、牧師主導のコミュニティで、それぞれのメンバーのライフステージに合わせた集いが毎週開催され、メンバー同士が話し合える場となっています。
メンバーもデジタルグループを作れ、教えの共有や対話の主催、教会でのパーティーやローカルミーティングの開催に活用されています。グループは世界中の80都市以上に存在し、それぞれの都市でローカルミーティングが開催され、数千人のメンバーが日々このアプリを使い信仰を深め、互いにつながり合っています。
―Seventh Sparkのプラットフォームは、キリスト教会に限定しているのですか。
Churchomeのパートナーとして「Churchome Global」に貢献し続けることが、当社のビジョンです。しかし、パートナーをキリスト教会に限定しているわけではありません。宗教は限定せず、信仰に基づいたコミュニティや組織のパートナーになりたいと考えています。
革新的な米国のキリスト教会
―今後の目標として海外展開も視野にありますか?
そうですね。「Churchome Global」の現在までのダウンロード数は15万を超え、アクティブユーザーの20%は米国外の居住者です。オーストラリア、英国、アフリカ、ブラジル、フィリピンなど、キリスト教が浸透している国にメンバーがいます。
当社は、米国内にフォーカスしていますが、キリスト教が普及している国で需要が見込めます。将来的に、それらの国でパートナーを見つけ、既存アプリと同様のサービスを展開し宗教活動の革新に貢献できると考えています。
―日本での展開も考えられますか?
米国では、キリスト教を若者文化の重要な一部として表現しているリーダーが多くいます。そして、革新的な取り組みを行っている教会や若い家族が多くいます。しかし、日本ではキリスト教徒は少数で、ほとんどの人が仏教または神道を信仰していると思いますし、コミュニティのあり方や信仰の仕方が違うので、日本で展開する場合は、宗教的リーダーと協力して日本に適したコンテンツを作る必要がありますね。