ハッカソン参加者向けのオープンソースから生まれたアイディア
―RapidAPIの設立経緯について教えてください。
私は大学時代に非営利団体Hacking GenerationYで活動していました。その一環で、米国、欧州、日本、香港、韓国、インドなど、世界50か国以上で、主に高校生や大学生を対象にしたハッカソンのイベントを開催し、そこでソフトウェアエンジニアの教育やソフトウェアエンジニアになるきっかけの支援をしていました。
そこで気付いたのが、APIは開発者にとって、アプリの開発を早めたり、多くの機能を創り出したりするのを助ける、大変良いツールだということです。一方でAPIは、特に経験が浅く、使い方や注意すべき点を知らない開発者にとって、理解し組み入れるのが難しいのです。
―それをどう事業化したのでしょうか。
そこで私達は、GitHubにAPIのオープンソース「Awesome API」を公開し、そこに参加者にとって役立つと思われる良質なAPIや、抜粋コードやコード使用例を集めました。これが好評となり、それをきっかけに、APIは伸びており今後大きく牽引する、と予測しました。API関連製品を作ることには大きな見込みがあると考え、RapidAPIを創業しました。2016年からは拠点をシリコンバレーに移しました。
利用者は100万人以上
―興味深いですね。事業の概要を教えてください。
当社はこの市場で最大であり、開発者を正しいAPIに導くのを助けています。扱っているAPIは1万種類以上で、テキストメッセージ、メールでのクレジットカード手続き、イメージ認識、ファイルストレージなど、何でもカバーしています。
開発者は、当社のプラットフォームで自らのニーズに合ったAPIを見つけることができます。当社のサービスは今では世界中の開発者100万人以上に利用されています。
―国際的に事業展開もされているようですね。
当社はサンフランシスコが拠点ですが、イスラエルのテルアビブにもエンジニアチームを置いており、日本にも事業組織を置いています。
日本市場に関わり始めてから、大きな利益率が見込まれることに気付きました。また、日本で有名な楽天は日本の市場や顧客を熟知しており、当社が日本進出するうえで楽天と組んだことはプラスとなりました。
世界中の開発者をエンパワーメントしたい
―今後のビジョンについて教えてもらえますか。
長期的なビジョンは、世界中の開発者をエンパワーメントすることです。開発者がソフトウェアの改良やユーザーエクスペリエンスの向上により多くの時間を投入できるように、当社は開発者と共同して、APIをよりアクセスしやすいようにします。