2014年に設立されたOpendoorは、不動産売買の常識を変え、モバイルデバイス上だけで取引が完結するオンラインプラットフォームを実現。優れた技術、デザイン、インフラを構築し、顧客満足度をより高めるために日々改善を行っている。今回はCo-founder & CEOのEric Wu氏にインタビューした。

1クリックで取引が完結する画期的なサービス

―Opendoorはどのようなサービスを提供しているのですか。

 これまでの不動産売買のように仲介業者を介すのではなく、売り手と買い手がOpendoorのサイト上のみで取引を完了できるプラットフォームを提供しています。

 現在、アメリカの20都市以上で事業を展開中で、1か月あたり3500件を超える取引があります。これまで5万人以上の顧客の住み替えをサポートしており、総収益は50億を超え、前年比で150%増加しています。

―プラットフォームの特徴を教えてください。

 売り手側は、Opendoorにアクセスし、住宅の価値を見積り、自由にオプションをつけて販売することができます。買い手側も、サイト上で希望の住宅を直接購入することができます。両者ともモバイルデバイスだけで取引を完結でき、無駄な手続きやストレスなく、シームレスかつスムーズに住宅の住み替えができるようサポートしています。

Eric Wu
Opendoor
Co-founder & CEO
個人投資ファンドや地理データを分析するプラットフォームMovity.comなど、複数社を創業。Movity.comを買収したTrulia.comなどで勤務後、2014年にOpendoorを共同設立、CEOに就任。

―収益モデルを教えてください。

 住宅の売り手側のみに取引手数料を請求するモデルです。Opendoorでは、一般的な市場における手数料率の平均が6.5%に対し、売り手側に6%の手数料を請求しています。買い手側へは取引手数料は請求せず、住宅ローン利用時の手数料も通常よりも低いので、両者にとってのコストメリットを実現しています。

顧客視点で、ストレスのない取引を実現

―ビジネスモデルは?

 住宅取引における複雑性、不透明性、ストレスをなくすことを命題に、Opendoorを利用する顧客の視点に立ち、優れた製品・デザイン・技術・オペレーションを構築し、利用者が自分自身で取引を完了できるプラットフォームを提供することです。

―ソフトバンクグループからの投資を受けられていますが、きっかけは何ですか?

 孫正義さんは、既存手法に変革を起こすような仕組みやインフラの構築に取り組む創業者や企業に投資をしたいと考えています。Opendoorのアプローチは、顧客視点に立ち、トランザクションを垂直統合し、仕組みを再構築している点であり、そこに共感してくださいました。

―競合企業と比較した、Opendoorの強みはどこでしょうか。

 Opendoorが最も重要視している点は、顧客にとって可能な限りベストな手段での不動産取引を可能にし、それを低コストで構築するという2つの側面です。Opendoorは、急速に顧客数を増やしており、これからも顧客視点でより使いやすいサービスを提供するために投資、改善を続けていきます。

グローバル企業を目指して

―今後のビジョンをお聞かせください。

 長期的には、構築や運用コストを削減し、顧客に還元することを目指します。また、トランザクション数を増加させ、手数料収入を増大させるとともに、引越時に付帯するサービス、例えば住宅ローンや住宅保険、継続的なホームサービスなどをオプションとして付加していくことで、さらなる収益機会を創出したいと考えています。

―海外展開は考えておられますか。

 現在はアメリカの顧客に最高の体験を低コストで構築することに焦点を当てています。日本含め海外展開の具体的な計画はありませんが、長期的な目標はグローバル企業になることであり、世界中の消費者にOpendoorをもたらすことです。



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