身体とメンタルの両面にフォーカスしたヘルスケアアプリVida Health
Image:Vida Health
Vida Healthは、慢性疾患を予防し、健康的な生活に変えていくためのモバイルコーチングアプリだ。
Co-founder & CEOのStephanie Tilenius氏は「きっかけは、父が糖尿病、肥満、CHF(慢性心不全)、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、そしてうつ病という何重もの慢性疾患を患い、それぞれ異なる医療機関へ通院していたことです。またそれぞれの医師から相反する助言をされました。米国では人口の60%が慢性疾患を抱え、また40%が複数の疾患を併発しています。モバイル機器による日常的なケアやリモート診療がない状況で、私はこれに対するソリューションを開発しようとVidaを設立したのです」と語る。
Vita Healthは、フィジカルなケアとメンタルヘルスの両面にフォーカスする。医療機関に通院しなくても、自宅で自分の健康管理ができる。従業員の健康管理サービスとしてCisco、Visa、PayPal、Boeingといった大手企業で導入されている。
一時は国際展開もしていたが、現在は米国のみで展開している。Tilenius氏は日本企業に対しては、「日本も超高齢化社会です。健康管理を個人で行うにはコストが高くつきます。こうした状況にある人の支えになりたいと考えます」と語っている。
資金調達額:8300万USドル
5月の資金調達額:2500万USドル
5月の資金調達先:AME Cloud Ventures, Canvas Ventures, Webb Investment Network, etc
所在地:San Francisco, California
URL:https://www.vida.com/
数学や英語を好きになる子供向け学習アプリEnuma
Image:Enuma
Enumaは、ポップなデザインで子どもがゲーム感覚で楽しく学習できるアプリケーション、「Todo Math」「Todo English」「Kitkit School」を開発している。
Co-founder & CEOのSoonin Lee氏は「元々は韓国でゲームデザイナーをしていましたが、米国に移住してから子どもが産まれたことがきっかけで、子どもの学習のためのテクノロジーをデザインしようと思い、創業しました。当社のミッションは、言語や障がいの有無を超えて、全ての子どもをエンパワーメントすることです」と語る。
英語を第二言語として学ぶ子ども向けの「Todo English」は、今年3月に韓国でリリースされ、コロナ禍で自宅で楽しめるツールとして爆発的な人気を博している。「コロナパンデミックは悲しい出来事ですが、そうしたなかでも人々が質の高い学習手段を持てることは重要です」とLee氏は語る。
学習アプリはアフリカ・タンザニアの村にも試験導入され、字の読めない子どもにも学習効果を発揮した。
「Todo English」は日本でも今年の夏にリリース予定。Lee氏は「『Todo Math』の日本でのローカライズにあたり、日本の保護者の皆さんにもフィードバックを頂き、大変感謝しています」と語る。
資金調達額:1815万USドル
5月の資金調達額:900万USドル
5月の資金調達先:Kakao Ventures, SK Group, etc.
所在地:Berkeley, California
URL:https://enuma.com/
健康的・エシカル・サステナブルなホームケア用品のEコマースGrove Collaborative
Image:Grove Collaborative
Grove Collaborativeは、全ての人が手頃な値段で、健康的・エシカル(倫理的)・サステナブル(持続可能)な暮らしを実現できるようなホームケア用品のEコマースプラットフォームを運営している。
Co-founder & CEOのStuart Landesberg氏は「私の両親は環境に優しい暮らしへの関心が高く、私の育った郊外の家の庭には堆肥貯蔵所があったりしました。ですが私は週100時間も働くようになってからは、忙しさを理由に誠実さよりも利便性を優先してモノを購入するようになっていました。私がそうだったように、米国では消費者の70%が環境に配慮した商品を望みながら、消費者はそのような商品を5%も保有できていないのが現実です。そこで、環境に配慮したホームケア用品のEコマースビジネスを思い立ち、2012年に創業しました」と語る。
長期的な目標は、消費者向けブランドを再定義すること。プラスチック廃棄品の削減のためにプラスチック・ニュートラルを進めており、2025年までに製品をオールプラスチックフリーにすることも掲げる。
米国のみで展開しており、国際展開は未定。Landesberg氏は日本企業に対しては、「環境に配慮した消費は今後100年で世界の潮流になり、世界に大きな変化をもたらします」と語る。
資金調達額:2億1230万USドル
5月の資金調達額:8992万USドル
5月の資金調達先:Sculptor Capital Management
所在地: San Francisco, California
URL:https://www.grove.co/
ビッグデータ解析でネットワークを強化するKentik
Image:Kentik
Kentikは、クラウドベースのネットワークインテリジェンスプラットフォーム。
Co-founder & CEOのAvi Freedman氏は「私は創業前の1999年から2009年の間に、Akamai Technologiesでネットワークインフラ運営に携わっていました。それぞれの企業向けに独自のソフトウェアのコードを書き、独自の分析をし、莫大なコストのかかるネットワークとそのエレメントを最適化する。これは大きなビジネスになりますが、私は常に悪戦苦闘してきました。私がその頃にやり残したことが多くあると考え、2014年に創業しました」と語る。
カスタマーには、Zoom、Cisco、eBay、Dropboxなどの事業会社と、IBM、Verisonなどのサービスプロバイダーがある。日本企業との関係では、KDDIをはじめサービスプロバイダー5社が顧客になっている。「収益で見ると日本市場は一番大きなマーケットになります」とFreedman氏は語る。
当面の方針は、コロナ禍で在宅勤務が長期化する傾向があるなか、世界各地の家庭からアクセスするカスタマーのネットワークを強化することで、そのための投資をしていくという。「グローバルな移動が再開したら、日本のカスタマーにも訪問し一緒に過ごす機会を持ちたいです」とFreedman氏は語る。
資金調達額:6168万USドル
5月の資金調達額:2350万USドル
5月の資金調達先:August Capital, Third Point Ventures, etc.
所在地:San Francisco, California
URL:https://www.kentik.com/
世界最強のホワイトハッカーによるセキュリティプラットフォームSynack
Image:Synack
Synackは、世界最高レベルのホワイトハッカーによるクラウドソースのサイバーセキュリティプラットフォーム。
Co-founder & CEOのJay Kaplan氏は「私は米連邦政府が公認するホワイトハッカーとしてNSA(国家安全保障局)で4年近く活動していました。大変誇り高き仕事です。それを経て、この社会はサイバー攻撃に非常に脆弱という問題意識を持ち、そこで侵入テストやセキュリティ診断のプラットフォームを起業することを目指し、2013年にシリコンバレーに移って創業しました」と語る。
当面の目標は事業規模を拡大していくこと。欧州では既に数年前から展開しており、日本を含むアジアの一部でも急拡大している。日本で展開するには、「ホワイトハッカーは日本では新しい概念。それを理解していただけるパートナーが必要です。日本にはゲーマーのメンタリティのようなものがあり、そうしたメンタリティのある優秀な人物がハッカーになり得ると考えています」とKaplan氏は語る。
資金調達額:1億1250万USドル
5月の資金調達額:5200万USドル
5月の資金調達先:Kleiner Perkins, GV, Intel Capital, etc.
所在地:Redwood City, California
URL:https://www.synack.com/
多機能バーチャルオフィスのプラットフォームRemoteHQ
Image:RemoteHQ
RemoteHQは、オンラインミーティングやアプリケーションの共有などオフィスで必要な様々なことがクラウドベースで可能なバーチャルオフィスだ。
Co-founder & CEOのWaikit Lau氏は「テクノロジーの進歩とブロードバンドの普及で、オンサイトで行う必要のある仕事が何もかもできるバーチャルプラットフォームを持てないか、というアイデアからRemoteHQを設立しました。これがあれば、離れた場所にある自社事務所に出張して行わなければならない仕事、客先に訪問して行わなければならない仕事、営業の仕事を、全てリモートで完結させることができます」と語る。
コロナパンデミック前から存在したリモートワーク需要に支えられて成長してきたが、コロナが拡大した3月以降は急激に伸び、幅広いカスタマーを抱えるようになった。
現在は米国のボストンなど東海岸と欧州で事業展開中。日本で展開するには、「日本のパートナーとともに、プロダクトの日本語ローカライズを進めたい」とLau氏は語る。
資金調達額:270万USドル
5月の資金調達額:270万USドル
5月の資金調達先:TechU, Underscore VC
所在地:Massachusetts, Boston
URL:https://www.remotehq.com/