図表を素早く簡単に
―創業でインスピレーションとなったことを教えてください。
私とCo-founderのBenが出会ったときにはすでにLucidのファーストバージョンはできていました。
しかし彼らは小さいスタートアップだったので、Microsoft Visio(図表作成プラットフォーム)のアカウントを一つしか持っていませんでした。なので、図表等をシェアするとき彼らは50メガバイトの資料をメールに添付してやりとりするか、多数の紙の資料を印刷したうえで、作業を共にしていました。作業しているうちに、変更点がどこなのかわからなくなったり、同じ作業を反復していたり、あるいは現在開いている図がどのバージョンなのかわからなくなっていました。
私はこうした作業は馬鹿馬鹿しいほどの時間がかかると思いました。そこで新たなダイアグラミングツールを作ろうとしたのが、創業のきっかけです。
Fortune500企業の99%が活用
―プロダクトの内容を教えてください。
Lucidchartが私たちのコアプロダクトです。このプロダクトは図表作成するアプリケーションですが、私達が本当に目指したのは、「ビジュアルワークプレイス」です。ここでは二つのことを一つに統合しています。
一つは、フロチャート、マップ、組織図、ネットワーク図、プロセス、アイデアなど、どんな複雑な事象も自動的にビジュアライゼーションできることです。
もう一つはデータを図表に持ち込み、一つ一つの情報について、他の情報とどう関連しているのかをわかりやすく示すことです。これにより、何が起きているのかすばやく理解することができます。
Lucidchartは、データ、ダイアグラム、コラボレーションをブレンドし、見る、知る、実行するのを手助けします。
―どのような企業がカスタマーになっていますか。
Google、Amazon、Microsoft、NetflixほかFortune500企業の99%が活用しています。当社HPで数多くの事例を紹介しています。日系企業では日立、LINEの活用事例があります。
―他社プロダクトとの違いはどこにあると考えていますか。
それには二つあります。一つは、Microsoft Visioほか従来のダイアグラムアプリケーションに比べて、使いやすく、簡単で、直観的で、高機能。もう一つは、複雑な事象をビジュアライゼーションすることでアイデアを民主化することです。
国際展開に意欲的
―今後のビジョンを教えてください。
10~20年前に比べ、今日の私達の業務は複雑化しています。当社はビジュアライゼーションを通して、複雑な事象を簡単に理解できるように挑戦しています。そのためにプロダクトをさらに向上させていきます。
長期的な目標は、世界中の多くのチームが抱える複雑な事象の理解を助けることです。
―国際的にはどのように展開されていますか。
当社のユーザーやカスタマーは米国内が多いですが、既にユーザーの半分、売上の3分の1は米国外です。カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国といった英語圏が中心です。
アジアや日本は米国企業にとって難度の高い市場ですが、参入していきたいです。日本に参入するうえでは、リセーラーまたはディストリビューターなどのパートナーが鍵だと考えています。