住宅を代理購入し顧客に1年間貸与する、画期的な住宅購入支援
―まずは経歴や御社設立までのプロセスをお聞かせください。
私はスタンフォード大学時代にCo-founderのCyrilと出会い、今後どんな仕事をしていきたいか考えていました。試行錯誤を経て、金もうけや名声獲得より、人々が前進するためのサポートをする会社を作りたいということで始まったのが、Landisです。
―それが、マイホーム取得支援事業、というビジネスになったのですね。
はい。当社の顧客は主に貯金や信用力が不足しているために住宅ローンを借りられない人たちです。住宅ローンの審査を通過するには、信用スコアや収入要件、頭金など非常に厳しい条件をクリアしなければならないのが現状です。
しかし、何らかの事情で今現在の信用スコアが不足していても、近い将来住宅ローンの審査をパスできるポテンシャルを持った人もたくさんいます。そういった人たちに、できるだけ早くマイホームを提供できるのが、当社のシステムです。
―ユーザーはどのような方法で住宅を手に入れるのでしょうか。
まず、最新のテクノロジーを駆使して顧客一人ひとりを分析し、1年以内に住宅ローンを組める可能性の高いお客様に対し、現時点でのマイホーム獲得のチャンスを提供します。
具体的に言うと、私たちが代わりに住宅を購入し、それを1年間貸与するかたちで月々家賃を支払っていただき、信用力が回復してローンが組める状態になったら購入してもらう、という形になります。家賃の大部分はローンの頭金としてプールします。もちろん、クレジット能力獲得に向けてのアドバイスも継続して行います。
AIで顧客の信用力を分析、1年後の住宅ローン獲得までサポート
―AIなどのテクノロジーはどこで発揮されるのでしょうか?
まずは、顧客獲得の段階ですね。彼らが今住宅ローンを借りられない原因や、その経済状況などを綿密に分析し、1年後、審査にパスする可能性が95%以上の方にのみ当社のサービスを適用します。
そして、その後は1年間かけて消費者行動パターンなどのデータをもとに、消費活動やクレジット活動など、日々のお金の使い方などをアドバイスし、住宅獲得という目標達成をサポートしていきます。もちろん、最適な住宅ローン会社を紹介することもあります。こうしたダイナミックな支援は、従来の銀行にはとても真似できないシステムです。
―ビジネスモデルやマネタイズについて聞かせてもらえますか 。
本ビジネスの根幹は、顧客支援なので、基本的には家賃から頭金分を引いたものと、住宅価格の3%程度を手数料としていただいています。あとは、扱っているのが住宅物件なので、投資家からの資金調達も大きいですね。
―日本市場など、海外への参入も視野に入っているのでしょうか。
今はまだ、アメリカ国内での拡大に力を入れています。現在6つの州で展開していますが、1年程度で20州にまで拡大する予定です。そこでテクノロジーや資金を成長させ、いずれは国外に出ることもあるかもしれません。