消費者の「やらされている感」を取り払う
―どのようなきっかけで起業をしたのでしょうか。
共同創業者と私は大学時代の友人同士で、大学内のビジネスプランコンテストに出ていてJebbitの前にいくつか起業をしました。最初の会社は医療機器の会社でしたが、医学の学位がない私たちにできることは限られており、その後マーケティングを勉強してその領域でできることを考え、Jebbitを創業しました。
―どのようなサービスを展開していますか。
基本的には大手のブランドを相手に仕事をしています。eBayやExpedia、Live Nationなどが顧客です。私たちはディクレアードデータ(Declared Data)と呼ばれる消費者から直接得たデータを扱っています。簡単に言うと、消費者が質問に応えて、その内容をブランドに伝えるということです。われわれのユニークな点は、ここで非常にインタラクティブなやりとりを作っていて、消費者が質問に答える時の「やらされている感」を持たせないようにしていることです。
―具体的にどのような形でそれを実現しているのですか教えてください。
消費者の回答にあわせて、最適な商品を紹介したり、旅行日程を提案したりするのですが、その中でブランドが知りたい側の情報を自然に答えていくというような流れになっています。伝統的なアンケートや調査とは根本的に異なる経験と言えるでしょう。
90パーセントが最後まで答えてくれる
―技術的な強みがあるのでしょうか。
データサイエンスチームが、50以上の属性、例えばどのような質問がスキップされやすい、スクリーン上に何文字程度表示するのがよいかなどを分析しており、その結果Jebbitを使い始めた人の90%が最後まで回答をしてくれています。忙しい人たちがスマホでやっていることを一度止めて回答してくれるというのは意外と難しく、競合他社もいますが通常50%ということもあります。この回答率は私たちの強みです。
―どのようなビジネスモデルでしょうか。
標準的なSaaSモデルで、データ量に応じて年間契約で課金をしています。消費者との接点を持ちにくい企業が、消費者のことを知るためのプラットフォームになっていて、企業側が何を達成したいかによってテンプレートを変えるなど私たちのチームがお手伝いをしています。
―中長期的な展望やアジア市場への関心を教えてください。
既にCathay Pacific Airlines、Visaなどアジア企業で顧客企業がありますし、グローバル企業でアジアにも展開している企業のサポートもしています。アジアでの顧客獲得はもっと広げていきたいです。中期的には米国で拠点を増やしていて、既に顧客がいるコアになっている領域に集中していきたいですが、長期的には、金融や医療関係の領域にも幅を広げていきたいです。