生鮮食品の買い物という身近な行動を、先端技術を活用して変革しようとしているHome Delivery Service。米国大手VCのAndreessen Horowitzや日本のトヨタ自動車などからも出資を受け、ローンチに向けてサービスの開発を進めている。今回は創業者でCEOのLouis Borders氏に話を聞いた。

生鮮食品のピックアップ、保管、梱包、運搬を自動化

――まだローンチ前とのことですが、どんなサービスを開発しているのでしょうか。

 私たちは、RoboFSというロボティクスを駆使した独自のサプライチェーンテクノロジーを開発し、生鮮食品のピックアップ、保管、梱包、運搬を自動化しようとしています。

Louis Borders
Home Delivery Service
Founder & CEO
MITで数学博士号を取得したのち、サプライチェーンの改善に特化した数社のスタートアップ立ち上げに関わる。2012年にHome Delivery Serviceを創業しCEOに就任。
 生鮮食品などの注文が入るたびに、ロボットが商品をピックアップし、コンテナへと送ります。コンベアや、仕分け機等はありません。RoboFSは組み立て式でどこのフルフィルメントセンターでも設置可能です。注文から配達まで全て自社で行います。

――サービスの特徴は何でしょうか。

 特徴は2つあります。1つは、先ほどお話ししたロボティクスを使ったフルフィルメントシステムです。これにより、低価格で高い品質のサービスを両立することができます。

 もう一つは、ショッピング体験です。スーパーで売られている生鮮食品は、仕入れから時間が経過していて新鮮ではない場合もあります。私たちのサービスを使う場合、スーパーに卸す過程がないので、生鮮食品をより新鮮な状態で購入することが可能です。さらに、お客様の好みに合わせて注文ができるよう、ECの利点を備えながら、パーソナルなショッピング体験も重視しています。

ローンチ目前。日本市場参入も視野に

――今後の展望について教えてください。

 現在、この業界には多くの課題があります。ある調査では、直近数ヶ月で83%の人が「生鮮宅配サービスに不満を感じている」と回答しています。 バックエンドの問題を解決した企業はまだありませんから、私たちにとっては今が絶好のチャンスです。それゆえ私たちは、お客様の購入プロセスの裏側にあるフルフィルメントに投資を行いました。

 私たちは何年もかけて研究開発を進めてきました。今年にさらなる資金調達を行い、2021年には最初の本格的な施設を立ち上げる予定です。ゆくゆくは、大規模な卸業者と提携できるとよいですが、流通プロセスのライセンス化も私たちの戦略の1つです。

――御社は日本のトヨタ自動車からも出資を受けています。日本での展開の可能性はありますか?

 理想は、日本全国にライセンス展開できるようなパートナーを見つけることです。現在、いくつかの日本企業と交渉を進めています。例えば我々に出資しているトヨタ自動車のような企業とパートナーシップを組むのも1つです。

 ライセンス展開は、国単位ではなく都市単位で進めるのが通常です。しかし、日本のサプライチェーンは非常に特殊なこともあり、日本全体での包括的なライセンス展開を行いたいと考えています。



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