HireVueは、2004年からデジタル面接プラットフォームを提供する業界トップ企業だ。Apple、Amazonなど世界的大企業や、Yahoo株式会社や大手総合科学メーカーなど日本でも多くの企業が使う。37言語に対応し、世界中で1500万人以上の面接に活用されている。今回はCEO & Chairman of the BoardのKevin Parker氏に話を聞いた。

高いセキュリティ基準への対応とシステムの安定性の上にある様々な機能

―まずはHireVueについて簡単にご紹介いただけますか。

 HireVueの主な機能は、採用面接をウェブ上で録画またはライブ形式で行うデジタル面接機能です。録画面接はオンデマンドで行われ、企業が予め用意した質問に対し、候補者は任意の場所で好きな時間に回答します。スケジュール調整や会場の手配などが不要になり、候補者との機会損失を防げますし、コスト削減にもなります。ライブ形式面接は、一般的なビデオ会議システムと同じようなイメージですが、構造化面接機能、面接の様子や採用担当者のコメントの録画と共有機能や、スケジューリング機能もあり、業務プロセスに組み込むことも可能です。

 当社は、ビデオを使ったデジタル面接プラットフォームとして、採用対象の範囲を拡げ面接が行えるようにすることを最も重視していますが、他に、最も適格な候補者を迅速に選別するための「選考支援機能」や「認知能力測定機能」もあります。選考支援機能は、AIを使い言葉、音声、態度を分析し、候補者のスクリーニングを行います。認知能力測定機能は、AIとゲーム(ユーザーインターフェース)を使い、認知能力(作業記憶能力、認知処理速度など)を測定します。通常は時間と手間がかかる測定を、デジタル面接中に、ほぼリアルタイムで行うことが可能です。

Kevin Parker
HireVue
CEO & Chairman of the Board
Clarkson Universityにて理学士を取得、会計学も学ぶ。PwCやStandard Microsystemsに勤め、富士通の米国法人にてSVP Finance and Administrationを務めた経験もあり、ファイナンスとテクノロジー両方のバックグラウンドを持つ。直近の20年間は主にソフトウェア分野にてキャリアを築き、PeopleSoftにてCFO/Co-President、DeltekにてChairman/CEOなど要職を歴任。2016年よりHireVueのCEO & Chairman of the Board。

一時的ではなく、継続的に使うプラットフォームとして導入が大幅増

―新型コロナウイルスによる影響で、デジタル面接がより一般的になったように思います。この状況についてどう思われますか。

 そうですね。今、10,000人規模の転職フェアを行ったらどうなるか、想像してみてください。現状では、デジタル面接は安全と健康も維持できる方法として、活用が大幅に増えています。HireVueの利用も非常に増え、よりクリエイティブな方法で使われるようになってきています。そして、多くの新規顧客は、一過的ではなく継続的な事業計画の一環としてHireVueを導入しています。

 新型コロナウイルスの影響で、「迅速な雇用」はグローバルに共通する課題になりました。より多くの人々が早く仕事に戻れるよう、当社も支援したいと考え、一部アプリの無料提供を期間限定で行っています。

日本の次世代候補達は就活を通じて企業のデジタルレベルを知る

―日本市場でも影響がありましたか。

 当社は、以前より日本市場で日本語版を展開していますが、3月中から録画面接とライブ形式面接の両方の利用者が非常に増えました。面接数も、過去数週間で100%増です。今後も増加が続くと予想しています。

 日本でも若い世代はモバイルデバイスに非常に慣れていますし、当社のプラットフォームへのアクセスは、約50%がモバイルデバイスからです。特に日本では、従来のやり方を続ける企業と、デジタルに慣れた次世代の候補者の間にギャップがあります。

 例えば、オンラインで買い物をすると注文内容や配送状況をリアルタイムに把握できます。書類送付後や面接後に、いつくるかわからない連絡を待つような経験は就職活動においてだけでしょう。デジタルなサービスが当たり前な次世代の候補者たちは、就職活動にも同じスピード感やコミュニケーションを求めることが想像できますし、応募する企業を選ぶ際の基準にもなるのではないでしょうか。



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