Cybereasonは、高度なサイバー攻撃を阻止するサイバーセキュリティ分析プラットフォームEDRソリューションと、次世代アンチウィス(NGAV)やランサムウェア対策などを搭載した、次世代エンドポイントセキュリティプラットフォームを提供している。今回はCo-founder & CTOのYonatan Striem Amit氏に話を聞いた。

システムを守りハッカーを攻める

―まずはご自身の経歴と、Cybereason設立の経緯を教えていただけますか。

 私は学童期からソフトウェアの開発を始め、10代でソフトウェアエンジニアとして活動を始めました。18歳でイスラエル国防軍に入り、幸運にもインテリジェンスユニットに配属されました。それ以来、政府レベルのオペレーションの構築、攻撃と防衛の両方の側面でサイバーセキュリティに関わってきました。

 私を含めた当社の共同創設者3人で、サイバー攻撃が民間企業に及ぼす影響について議論し始めたのが2011年頃です。当時は民間では、サイバー攻撃への理解が進んでおらず、コンピュータウィルスの感染予防に重点が置かれていました。しかし、感染の予防や防衛だけで、一度システムへの侵入を許すと、その後に続く攻撃に対して何も対応できない状態では、ハッカーに負けます。守る側は100%防衛しなければならず、攻撃する側は1回でも成功すれば100%勝つ、これがハッカーのアドバンテージになっていました。

 そこで私達は、ウィルスやハッカーの侵入を許した後もハッカーを攻撃する、「アドバンテージの逆転」という新しい考えのもと、サイバー攻撃対策プラットフォームを構築しました。侵入も非常に困難にしつつ、ハッカーが侵入しても、次の攻撃ステップに進む毎に、ハッカーにストレスを与え、ハッキング行為自体をハッカーにとって危険なものにできるソリューションです。攻撃を捕らえることができたら、ハッカーの全活動を崩壊させることも可能です。  

Yonatan Striem Amit
Cybereason
Co-founder & CTO
イスラエル国防軍にてProgrammer & Team Leaderを4年間務めた後、企業に勤めながらThe Hebrew University of Jerusalemにてコンピューターサイエンスの学位および修士号を取得。セキュアなファイル共有ソリューションを提供するWatchDoxのCTOを務めた後、2012年にCybereasonを共同で設立、CTOに就任。
 

優れたセキュリティ能力と業界標準20倍超えの効率性

―競合他社のソリューションと最も違う点はどこだとお考えですか。

 非常に優れた予防能力と、全てのログデータを収集しクラウド上でマシン間分析を行い、誰も検知できないような脅威も検知できる機能が組み合わさっている点です。また、ログデータへのアクセスも、利用も可能だという点や、競合他社のソリューションより使いやすいことも当社プラットフォームの特徴です。

 そして、独自のテクノロジーが当社の価値です。例えば、エンドポイントごと、または会社規模ごとで、競合他社の20倍のログ分析を行うことが可能です。既存システムとのインテグレーションも短時間で簡単に行えます。週末の2日間だけで80,000台のコンピュータを対象に、既存のセキュリティシステムとインテグレーションを行ったこともあります。導入が決まればすぐに使い始めることが可能です。また、顧客が緊急事態に直面しているなど、サポートが必要な場合は、当社のスタッフが伺うサポート体制も整えています。  

―日本法人「サイバーリーズン・ジャパン」を2016年に設立されていますね。

 そうですね。当社にとって日本は巨大な市場で、当社のビジネスの約30%を日本法人で行っています。日本法人は、ソフトバンク社と設立した合弁会社で、日本向けの製品は全て日本語でご提供しています。また、日本法人の社員100人以上がローカライゼーションに取り組んでいます。

ハッキング問題は解決できる

―最後に日本の読者にメッセージをお願いいたします。

 ハッキング問題は解決できないものだという認識を持っている方もいますが、私は経験上、ハッキング問題は解決できることを知っています。ハッカーは独自のプロセスを構成しハッキングを実行します。私達はこれを排除することも、ハッキングされた場合もその全ステップにおいてハッキングを止めることもできます。

 ハッキングに対峙し解決する意思を持つことが大切です。

 当社はディフェンダーとして、絶対的に優位に立っています。今後も、当社はお客様の保護、そして自社を守ることに全力を注ぎます。



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