国立公園内にも宿泊可能
Collective Retreatsの宿泊施設は、半永久的な建造物を建設してはいけない景観保護地区など、通常のホテルでは泊まれなかった場所に設置した一時的なテントだ。「ポップアップホテル」「グランピング(高級キャンプ)」とも呼ばれ、世界初の国立公園であるイエローストーン、コロラド州のスキー場で有名なベイルマウンテンなど、現在5か所に設営。2018年7~10月には、NYでマンハッタンからフェリーで8分のガバナーズ島の一般公開期間に宿を開設した。
COOのCristina DeVito氏は同社のビジネスについて「土地の所有者から数年の契約で土地を借りるだけのアセットの軽いビジネス」と呼ぶ。「これまでのホテルリゾートは信じられないくらいの金額をインフラ維持や物理的な施設に使ってきましたが、私たちのビジネスモデルではゲストに提供するものにリソースと焦点を集中させています」という。
Image: Collective Retreats
「体験型」で新しい旅の経験を
一泊の宿泊費は場所やテントのタイプによって150~700ドル。「テントデザインにこだわっていて、ゲストのニーズに合ったものに柔軟に対応できます」とCristina氏。テントと言っても、シャワーやコーヒーバーもついていてもちろん電気とWi-Fiも使える。「ゲストと土地、そこの人々をつなげたい」という思いで宿泊場所の文化を大事にしており、キャンプファイヤーなどの体験もできる。
ターゲットは大家族からカップル、一人旅の人まで幅広い。Cristina氏は「最近のキーワードは体験型旅行です。日常のコンフォートゾーンを抜け出して、何か新しい発見をしたい人たちが増えています」と話す。通常のホテルとAirbnbのはざまに、ラグジュアリーや5つ星ホテルの居心地の良さも兼ね備えながらも、もっと限界ギリギリの体験をしてみたいというニーズを見出したという。
Image: Collective Retreats
スタートアップでの経験を生かす
Cristina氏はもともとコンサルティング会社ベイン&カンパニーでコンサルタント、プライベートエクイティの投資家としてキャリアをスタートさせ、スタートアップの立ち上げと発展に関わってきた。Collective Retreatsを立ち上げる前はオンデマンドの美容スタートアップManicubeでオペレーション部門のVPを務めており、ManicubeがRed Door Spaに買収されると国内のオペレーションチーム構築とブランド戦略の担当をしていた。今後はCollective Retreatsを米国以外にも展開していきたい考えだ。