多種多様なビジネスプロセスを統合
―創業したきっかけを教えてください。
私は2000年代前半にNetSuiteというOracleが買収したSaaSのパイオニア企業で働いていた時に、多種多様なビジネスアプリケーションを統合する必要性を感じました。そのことが創業したきっかけです。
―プロダクトについて詳しく聞かせてください。
CeligoはiPaaS(Integration Platform as a Service)ツールで、異なるクラウドアプリケーション同士をつなげ、それぞれの保有データを統合したうえで、多種多様なビジネスプロセスを自動化させることができるサービスです。
例えば、バックオフィスの現金取引プロセス、フロントオフィスの顧客関係管理(CRM)、統合業務(ERP)、これらのシステムを一つにつなげることができます。
当社が目指すのは、様々なインテグレーションをクライアント企業にとって可能な限りわかりやすい方法で実現することです。ディベロッパーでなくとも、ドメインの知識やデータの理解といった「テクノロジーを知っている人」が使いやすいよう、ユーザーインターフェースをシンプルにすることにこだわっています。
―どのような方法でサービスを提供しているのでしょうか。
それには二つあります。
一つは、インテグレーションプラットフォームです。これはデータベースやデータファイル、銀行など自由にユーザーがアプリケーション同士を統合することができるものです。テンプレートを利用できるものもありますが、一から始めるものもあります。どちらにせよわれわれのビジュアルガイドツールを使い、統合に必要な編集を行っていきます。
もう一つは、われわれがインテグレーションアップと呼んでいるプレビルド・インテグレーションです。既に出来上がったインテグレーションを提供しています。例えば、SalesforceとNetSuiteをつなげるインテグレーションです。インテグレーションアップはすでに出来上がっていますから、ディプロイするだけでアプリ同士を統合することができます。
―ビジネスモデルを教えてください。
サービスは全て1年ごとのサブスクリプションモデルです。契約は1年で終わるものだけでなく、数年間に及ぶ場合もあります。
日本でのSaaS本格化にも期待
―国際的にも展開していますか。
2019年に入り、オランダに初めての海外子会社を設立しました。ここではEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域へのサービスを行っています。
2020年にはAPAC地域に海外子会社を設立する予定です。場所はオーストラリアになると思います。
―日本に進出するうえでは何を必要と考えているでしょうか。
日本は、オランダやオーストラリアとも事情が異なるでしょう。主に言語の違いがあります。日本のSaaS産業がどの程度普及しているかは分かりませんが、当社の基本はSaaSで、様々なSaaSアプリケーションを統合することを存在意義としています。日本でSaaSの導入、つまりデジタルトランスフォーメーションが本格化するならば、当社にとって進出する魅力がありそうです。機が熟したら、ぜひ戦略的パートナーシップを組める企業が見つかれば、と思います。