(2021年にInstacartが買収。2023年6月追記)
起業が天職。小学校の同級生と創業
―これまでの経歴を聞かせてください。
14歳のときにゲームでビジネスを始めました。ゲーム関連の商品を売るような、プラットフォームを作ったのです。16歳の時にそのサイトは売却して、ビジネスの面白さを知りました。
19歳のときには2番目のビジネスとして、ジュエリーのサプライチェーンマネジメント事業を始め、この会社はまだ存続しています。大学卒業後にゴールドマンサックスとJPモルガンで投資銀行のアナリストをした後、起業こそが天職だなと感じて、Caperを立ち上げました。
―Caperを立ち上げた経緯はどのようなものだったのでしょうか。
Caperの共同創業者は、実は小学校のときからの同級生なんです。彼は中国の大学入学試験で国全体の2位を取るほど優秀で、ちょうど南カリフォルニア大学に博士号を取りに来ていたときに再会しました。彼はハードウェアエンジニアで、私が思いついたアイデアを話すと、面白いねと言って2週間で実際に組み立ててしまうような能力を持っていました。ですからぜひ彼と一緒に事業を立ち上げたいなと考えたのです。
もともとはスマートセキュリティタグのようなものを考えていました。Zaraなどで使われている盗難防止用の、支払い済みのものであればブザーがならないというようなものです。これでY Combinatorに入って資金調達をしたのですが、店舗の悩みを調査しているうちに、「スマートショッピングカート」というアイデアに行き着いたのです。
カートに入れるだけで買い物が終了
―具体的にどのようなものなのでしょうか。
Amazon Goをご存知でしょうか。レジで支払いを逐一しなくても、商品をつかんで出ていけば支払いが終えられる店舗です。でも、AmazonGoを実現するには店舗を丸ごと改装し、店舗全体をモニタリングする必要があります。
私たちが考えつき、そして実現したCaperのショッピングカートは、カートを既存の店舗に持ち込めばAmazon Goの1%ほどのコストで同じことができます。
このカートには3つのカメラと5つのセンサーがついていて、商品をカートに入れるとそのイメージを認識し商品を特定します。バーコードを読み取る必要はもはやありません。また野菜や果物の重さも自動的に測るので、カートに入れたものの値段が店舗内を回っているだけで分かり、カートについた決済システムで支払いを終えればそのまま出てくることができます。
デジタルスクリーン上でプロモーションの情報なども表示でき、今後レシピの推薦や、そのために必要な残りの材料がどこで買えるかの案内もできるようにしたいと思っています。
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