コード資産はファイルの暗号化やDRMでは守れない
―まずはCEOの経歴と、BluBracket設立の経緯を教えていただけますか。
Co-founderのAjayと私にとってBluBrackは3社目の共同創業したスタートアップになります。1社目のRAPsphereでは、iPhoneやiOSの業務用アプリケーションやデータを対象に、カスタマーエクスペリエンスに影響を与えない、初のモバイルセキュリティサービスを提供していました。この会社は多くの引き合いを受け、最終的にAppSenseに売却しました。その後Vera Securityを設立しました。Vera Securityは、企業の機密文書用「Snapchat」のようなサービスを提供していました。
今から約2年前に、GE、シリコンラボやポケモンなど、一般的にはソフトウェア会社と認識されていない企業から、「ソースコードを保護できないか」と相談を受けました。最初は、ファイルの暗号化やデジタル著作権管理(DRM)などに焦点を当てた解決策を模索していたのですが、これらでは解決に至らないことが分かり、私達は好奇心をそそられました。
そして、私たちはBluBracketを2018年後半に創業し、2019年に650万米ドルの資金調達に成功しました。
資産であるコードを介して脅威を理解する独自の手法
―サービスの内容をご紹介いただけますか。
当社設立のきっかけとなった、「ソースコードを保護できないか」と相談をしてきた企業約15社が設計段階からご協力くださいました。そのおかげで、実に求められている、本当に必要な機能を揃えた強い製品になりました。
われわれはコードのセキュリティに特化したプロダクトを提供しています。まず見えないものは守れないので、コードがどこにあるのか、どのサブセットが顧客にとって重要なのかを理解します。そしてコードを、例えばインフラストラクチャコードや機械学習というように適切に分類し、どのサブセットに価値があるか明確にして把握します。次に、コードの保護だけでなく、システム全体における攻撃の検知と監視、そして攻撃経路の把握などを行います。これらを全て、開発者のワークフローや生産性に影響を与えることなく実行されます。
これが、現在ご提供しているサービスの概要です。年内にはコードセキュリティモジュールをリリースする予定です。新サービスでは、危険率(risk rate)を理解し、リスクを軽減するセキュリティポリシーの設定および実施機能を加えます。
年内に新たなパートナーを募り資金調達を行う予定
―中長期の目標を教えてください。
まだ2年目の若い会社なので、当面の目標はプロダクトの市場への適合性を証明し、規模の拡大を図ることです。現在は金融サービスやメディア、エンターテインメントなどのコードがとても重要となる業種に力を入れています。
私たちのミッションは包括的なコードセキュリティソリューションを提供することです。ですから長期的には幅広い企業のコードという新たに重要なアセット保護の力になれたらと考えています。
―今後の目標として海外展開も視野に入っていますか。
現在は北米市場での展開に注力していますので、海外展開はその次ですね。
時期が来て、海外展開する時は、現地市場に詳しく、コーディングが分かるチャネル販売パートナーを探す必要があります。
本年後半に資金調達を行う予定です。コード資産を守る。当社のミッションに共感してくださるパートナーから資金を調達したいと考えています。