布とセンサーを統合したスマートファブリックセンサーを開発
BeBop Sensorsは布にスマートセンサーを統合させたスマートファブリックセンサーを提供している。このセンサー付きの布は曲げることができ、いろいろな形に作り変えられるため、服や家具へと使用することが可能だ。このセンサーは人間の体の動きや圧力、ひねりなどの動きを捉えることができる。CEOのMcMillen氏はターゲットとする顧客層についてこう語る。「私たちのターゲットは何らかのハードウェアを生産している製造業またはOEMです。人の動きなどからデータを取得し、そのデータを正確かつ信頼できる方法で収集する方法を探している企業をターゲットとしています」。
このファブリックセンサーでは、人間の細かい動きを認識することが可能だ。たとえば、車のシートにファブリックセンサーを使用することで、運転手が座った際に運転手を認識し、自動でシートが運転手に合うようにすることができる。または運転ミス時、シートが運転手の動きの変化を感じ、自動でセーフティシステムを作動させることも可能だ。「私たちのセンサーはカメラやコンピューター、マイクなどから取得できる人間のデータ、つまり私たちの容姿や声、動作などのデータとは違い、人間と直接接することで得られるデータを収集します。これは医療用アプリケーションなど、いろいろなシステムで応用が可能です」とMcMillen氏。
Image: BeBop Sensors
既存センサーのディスラプトに挑む
McMillen氏はこのスマートファブリックセンサーが既存のテクノロジーである、圧力センサーの代わりになるだろうと考えている。圧力センサーは約30年前からあるが、平らな場所でしか利用できず、もちろん曲げたりすることはできない。また時間が経つとセンサーの正確性が落ちていく問題がある。「我々の顧客は既存のテクノロジーを私たちのセンサーへ変更しています。またFortune500の企業と我々のセンサーが統合されたプロダクトの大量生産に動いています。私たちのセンサーはユニークなので、現時点で競合の企業はいないと考えています」。
収益方法は顧客のプロダクトに合わせてセンサーを作るプロトタイプの開発費、センサーの費用となる。「私たちはセンサーを販売する会社であり、製造企業でもあります。最終的なプロダクトの価格はそのプロダクトの複雑さなどによります。1つにつき$2でできるセンサーもありますし、大きさと複雑さによっては1つ$100以上のセンサーもあります」。
Image: BeBop Sensors
幅広い分野での利用が可能
BeBop Sensorsはスマートファブリックセンサーが多くのハードウェアやプロダクトに導入が進むと考えている。「すでに多くの分野でプロダクトに対し私たちのセンサーが組み込まれ、正確なデータが取得できることが証明されています。私たちはよりたくさんのプロダクトに対しこのセンサーを導入できると信じています」。
BeBop Sensorsの顧客はアメリカ企業のみではなく、グローバルに広がっている。すでに日本企業も顧客にいるという。「多くの日本企業が私たちの顧客にいます。ゲームや自動車、ヘルスケア関連などの大企業です。しかし、私たちは常に新しいパートナーシップを求めています。より多くの日本企業にBeBop Sensorsのことを知ってもらいたいですね」。
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