夜に冷気をため込み、日中のピーク時に利用
スーパーマーケットで課題となりがちなのは、冷蔵庫で使用される電気代だ。冷蔵庫は365日24時間稼働していなければならず、そのコストは非常に大きい。Axiom Exergyは蓄熱技術を用いたバッテリーと分析プラットフォームにより、ピーク時や停電の際にスーパーマーケットの冷蔵庫に冷気を供給し、電気コストを削減している。電気料金の安い、夜などに冷気を生産し、それを日中のピーク時間に使用することでコストを削減する仕組みだ。CEOのAmrit Robbins氏は「私たちは電気代で悩まされている人々をサポートするためにこのプロダクトを作りました。このプロダクトによってスーパーマーケットは10%から15%の電気代を削減しています」と語る。
Image: Axiom Exergy
冷蔵システムの見直しにより収益が向上
Axiom Exergyの冷蔵バッテリーシステムは2つの要素から成り立っている。一つは既存の冷蔵庫を使って、冷気を貯蓄して後で利用できるようにするハードウェアだ。ハードウェアはすべて既存の冷蔵庫産業、エアコン産業の部品を使って製造されており、特許も取得済みである。もう一つは冷蔵バッテリーシステムを操作するソフトウェアだ。クラウド上でデータ分析して最適なオペレーションを行うことができる。また同社が提供する分析プラットフォーム上ではマシンラーニングを使用し、過去・現在データの分析および予測データを見ることができる。「私たちはスーパーマーケットの冷蔵システムに直接ハードウェアを配置します。店舗自体に物理的またはプログラミング的な変更は一切加える必要がありません」とRobbins氏は語る。
Image: Axiom Exergy
今後はエアコン業界にも参入予定
Axiom Exergyは今後エアコン業界にも参入していく見通しだ。Robbins氏は「私たちのサービスで世界のクーリングシステムをよりフレキシブルな仕組みにしたいと思っています。断続的な風力、太陽光、電気自動車のチャージングにより、電力系統は今とても不安定です。エネルギー貯蓄はグリッドを安定させる上でとても重要になります。私たちは冷蔵システムにおけるエネルギー貯蓄で地球規模の問題を解決したいと思っています」と語る。
また日本展開についてもRobbins氏は構想を練っている。「日本では原発の閉鎖が続いている中で、今後エネルギーの安定が求められるでしょう。ですから、今後私たちは日本でそれらをサポートすることにとても興味を持っています。」