不動産代理店の複雑なプロジェクト管理を手助け
―創業の経緯を教えてください。
私が住宅購入のために不動産代理店を利用した時、担当者は仕事のできる方でした。彼は仕事に熱心で、素晴らしい方でしたが、私はその不動産代理店の問題を発見してしまいました。それは彼の仕事が膨大な量の小さな事務手続きに忙殺されていて、非効率なワークフローに見えたことです。顧客への状況の確認、アップデート通知、情報検索、スケジュールの調整と再調整などへ多くの時間を割いていました。
これは不動産代理店だけではなく、ウェディングプランナーや離婚専門弁護士など、クライアントを相手にし、また他の多くの人と連絡を取らなければいけない仕事には不健全だと思いました。
彼らはメールで一度に全てを管理しているのです。メールはメッセージを送るのには良い手段ですが、プロジェクト管理の手段として利用するのは大変です。
そこで私は、携わる人全てにとってプロジェクト管理の助けになるソリューションを作ろうと創業しました。
機械学習のアルゴリズムで関連メールをピックアップ
―どのようなプロダクトでしょうか。
「Folio」というAIアシスタントで、GoogleのGmailやMicrosoftのOutlookのようなメーラーに接続して使います。Folioは機械学習のアルゴリズムで、関連するメールのグループを見つけられます。これにより、マネージャーは日々のワークフローを圧縮できるようになります。
例えば、誰かがあなたに、契約書の最新バージョンを送る依頼をするメールを送ります。通常ではここでその契約書が添付されたメールを探し、契約書をダウンロードし、それをメールに添付して返信しなければなりません。
Folioは、この2通のメールが関連しており、同一プロジェクトでのものだと理解できます。そこで契約書の送信依頼メールを受信したら、その文脈から添付ファイルを表示させることができます。あとはそれをドラッグして落とすだけです。
また、メール、カレンダー、クラウドストレージを直接統合したプロジェクト管理も可能にします。進行中の取引のタイムラインを作れば、それが直接カレンダーに記録され、変更があった時も更新され、携わる人全てに自動的にシェアされます。それに基づいてリマインダーを受け取れます。
―どのようなビジネスモデルでしょうか。
SaaSです。無料で機能が限定された「Starter」に加え、有料で機能が無制限の「Professional」、「Team」、「Business」のプランがあります。
―ユーザーはどのくらいいますか。
現在Folio上にはほぼ10万人のユーザーがいます。カスタマーの大半は米国とカナダに存在します。