Image:Vadim Sadovski / Shutterstock
9月12日は「宇宙の日」です。1992年の国際宇宙年を記念して制定されました。毛利衛氏が日本人として初めてスペースシャトルに搭乗し、宇宙へ飛び立った日が同年9月12日であることにちなんでいます。「宇宙の日」制定から30年。宇宙は遥か彼方の場所から、身近な存在になりつつあります。これまで国家主導だった宇宙開発に企業も続々と参入。衛星の開発・打ち上げや、宇宙旅行、観測データの利活用など、宇宙ビジネスの可能性が広がり、活況を呈しています。TECHBLITZ掲載記事の中から、宇宙ビジネスに取り組む日本、世界のスタートアップなどを紹介します。

東大での「手作り」衛星の経験から起業、宇宙ビジネスへ

「宇宙を普通の場所に」をミッションに掲げる超小型衛星製造・ソリューション提案のアクセルスペース

アクセルスペース(本社:東京都)は、超小型人工衛星の開発製造とソリューションの提案を手がける宇宙スタートアップだ。代表取締役CEOの中村友哉氏は、東京大学大学院在学中に小型衛星の開発に関わったことをきっかけに、宇宙ビジネスへの興味を深めた。2008年に3人でアクセルスペースを創業。現在は日本橋にオフィスを構え、社員数約110名に成長している。宇宙事業と聞くと、遠い世界、夢の世界のようにも聞こえるが、同社は「SPACE WITHIN YOUR REACH 宇宙を普通の場所に」をミッションに掲げ、自社衛星で撮影した画像を生かしたデータビジネスと、小型衛星の製造から打ち上げ、その後の運用までをパッケージ化したビジネスを展開する。中村氏に、起業のきっかけや事業展開、今後の展望などを聞いた。

高まる宇宙の「交通事故リスク」 地球軌道上の安全な「交通」支える

増え続ける宇宙ごみ スペースデブリ除去サービスの開発に取り組む アストロスケール

スペースデブリ(以下、デブリ)とは、地球周回軌道に存在する使用済みの人工衛星やロケットの部品といった宇宙ごみのこと。宇宙には、大きさ10cm以上のデブリだけでも36500個以上あるという。現在、運⽤中の人工衛星は約5000機以上、2030年までの打ち上げ予定は約46000機以上というから、今後10年間で「宇宙の混雑度」はより一層増すと予想される。一方で、デブリによる衝突リスクは未解決のままだ。そのデブリの軽減を通して、宇宙環境のサステナビリティを守ろうと取り組むスタートアップが、アストロスケールホールディングス(本社:東京都)だ。ゼネラルマネージャーの伊藤美樹氏に、同社の取り組みと宇宙ビジネスの今後について聞いた。

a16zやY Combinatorも注目 世界中の人々をオンラインにつなぐ手助け

インターネットが使えない40億人のために。小型静止衛星のブロードバンドサービスAstranisの変革

Astranisは、インターネットにアクセスできない40億人をターゲットに、信頼できるブロードバンドインターネットサービスを低コストで提供している。自社開発し製造する小型衛星MicroGEOは、従来の衛星の約20分の1のサイズで、早ければ18ヶ月で製造しGEO(静止軌道)に打ち上げる。そして、ソフトウェア無線により、世界中のあらゆる地域でインターネットサービスの提供が可能だ。今回は創業者でCEOのJohn Gedmark氏に話を聞いた。

ロケット打ち上げコストも改善 航空、宇宙、半導体などにニーズ

スペースXのエンジンにも採用。金属3Dプリンターで製造技術の限界を超えるVelo3D

Velo3Dはサンフランシスコ・ベイエリアに拠点を置く、金属3Dプリンターの市場で急激に業績を伸ばすスタートアップだ。金属粉末を敷き詰め、熱源となるレーザや電子ビームで造形する部分を溶融・凝固させるPowder Bed Fusion方式というテクノロジーを利用し、複雑な金属物体を3Dプリントする。支持構造を使うことなく幾何的な立体を作成できるので、複雑な形状の部品を精度高く製造できるのが特徴だ。同社のソリューションは、宇宙開発、航空、発電、エネルギー、半導体といった先端テクノロジー分野で、設計の自由度を広げ、技術革新を可能にした。2018年に最初のシステムを納入以来、スペースX、Honeywell、ホンダ、Chromalloy、Lam Researchなどのイノベーターと戦略的パートナーを結んだ。2021年に、IPOを果たしたVelo3D創業者のBenny Buller氏に、モノづくりの限界にチャレンジする想いを語ってもらった。

米政府やGoogleも顧客 地球上どこでも、高解像度の画像

ほぼリアルタイムで世界中の航空写真を提供するPlanet Labs

農業や各国政府などに航空写真を提供しているPlanet Labs。元NASAの開発者たちがコストを抑えて衛星を作ることに成功し、150個を軌道に乗せて運用している。CEOのWill Marshall氏に聞いた。

地球上の産業が「宇宙」へと延長していく

NASA研究員から見た、アメリカ宇宙ビジネスの最前線

いまアメリカでは、宇宙ビジネスが活況を帯びている。イーロン・マスクやジェフ・ベゾス、など世界的起業家が宇宙ビジネスに多額の投資をする一方、NASAが民間企業へ事業委譲・協業を進め、ビジネスの裾野を広げている。今回はNASAジェット推進研究所のリサーチテクノロジストである小野雅裕氏に研究者の観点からインタビュー。アメリカの宇宙ビジネスの最前線、今後の発展の方向性、日本企業の可能性などについて聞いた。

衛星コンステレーション、IoT衛星通信など、宇宙関連のテックトレンド

研究開発や投資争いで活況に沸く宇宙航空・ドローンスタートアップトレンドレポートを紹介

「TECHBLITZ」編集部では、「宇宙航空・ドローン」関連で幅広いカテゴリーの世界の最新スタートアップ情報や国内外の大手企業協業事例に焦点を当てた「Aerospace & Drone Startups Trend Report」を作成しました。(2021年12月20日配信)



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