(2021年にIPO。2023年6月追記)
創った製品は1200万種類を超え、150カ国に100万人以上の顧客
―まず現在の御社のサービスについて教えてください。
私は、Shapewaysのことを「3Dプリンティング業界のAWS」であり、3Dプリント製品のフルフィルメントサービスを提供している企業だと説明しています。
デザイン設計、設計の最適化、経費の見積、完全性の改善、材料とプリンティング技術のコンサルティング、そして試作品の製造。さらに、高度な仕上げ、研磨、化学処理、着色などのアッセンブリ(表面処理)、パッケージのカスタマイズ、顧客への配送、eコマースやWebサイトとShapewaysのプラットフォームをインテグレーションした販売管理まで、顧客のビジネスをシームレスに支援するサービスを提供しています。
これまでに、1200万種類以上のパーツを創り、約150カ国に届けました。現在は、10種類のプリンティングテクノロジーを使い、60種類の素材を提供しています。顧客数は100万人を超えました。
世界中のクリエイターの創造を応援
―既に世界中に顧客がいるようですね。アジアにも顧客がいますか。
はい、もちろん。日本、中国、インド、東南アジアの顧客と相当数の取引があります。しかし、アジアには生産施設はまだありません。当社の生産施設は、ニューヨークのロング・アイランド・シティと、オランダのアムステルダム郊外の2カ所のみです。
―オランダのアムステルダムにも生産施設があるんですね。
そうです。当社のインキュベーターはフィリップス社で、オランダで創業した後、ニューヨークに生産施設を設け、本社もニューヨークに移動しました。優秀なテクニカルエンジニアや、ソフトウェアエンジニアがいる地域に拠点を設けています。
スタートアップ経営の実績を買われ、ShapewaysのCEOに
―2018年にCEOに就任したそうですが、その経緯を教えてもらえますか。
最初に就職した企業がGEで、約10年間GEの様々な事業に関わり、エンジニアリング、生産、販売を担当してきました。そして、Shapewaysの前にOpen Englishという教育系スタートアップで、COOとPresidentを務めました。Open Englishは、生徒数50万人、社員数2千人の企業に成長しました。Open Englishを離れる時に同社のVCが、ShapewaysのVCに私を紹介してくれ、CEOに就任しました。両社のVCがコミュニティで繋がっていたのが縁です。
ShapewaysのVCには、Union Square VenturesのAlbert Wenger氏やLux CapitalのJosh Wolfe氏など、著名なベンチャーキャピタリストが名を連ねており、ボードメンバーとしてShapewaysの意思決定に関わっています。
―最後に長期的なビジョンを教えてください。
最先端技術を使い、個人から大企業まで、全てのクリエイターを対象に、彼らの素晴らしいパーツの創造に寄与したい。そう考えています。ぜひ日本の皆さんにもShapewaysを使っていただきたいですね。