このレポートでわかること
・ディープテックとは?
・ヨーロッパのディープテックの現状
・注目すべきディープテック分野
dealroom.coとは
「dealroom.co」は2013年に創業し、アムステルダムに本拠地を構え、スタートアップデータベースサービスを提供しています。ヨーロッパのスタートアップ情報を多く提供し、現地VCや政府機関と共同でコンテンツ作成をおこなっています。
Image: dealroom.co HP
ディープテック(Deep Tech)は、まったく新しい科学であり技術である
2021年のレポートでは、ヨーロッパにおけるディープテックの大きな可能性を強調しました。
実際、ヨーロッパのディープテック企業全体では、過去最高となる$22B以上の資金調達と$1B規模のエグジットを記録し、2021年以降、主要な分野において大規模なブレークスルーの数々を目の当たりにしました。
- 量子コンピューティング:(世界初となる100量子ビットの壁を越えるプロセッサおよび、高精度のシリコン半導体による量子コンピューター素子作成の成功が発表)
- 核融合:(核融合反応効率が約3倍に向上)
- 宇宙技術:(ウクライナにもインターネットを提供できる衛星インターネットサービス「Starlink」、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、月へ向けた新たなミッション)
- 生成系AI(ジェネレーティブAI):(作品を商用利用可能な画像生成AIツール「Dall-E」「Stable Diffusion」、5日間で100万ユーザーを達成したAIチャットボット「ChatGPT」)
今回は、2021年のレポートでは未解決のまま残っていた重要な質問を取り上げます。
- ディープテックはどのように進化しているのか?ヨーロッパのディープテックの現状は?
- ディープテックにおける新興分野は?
- 世界のディープテックの進化をさらに加速させるには?
- アカデミアと科学研究のポテンシャルを引き出せるのか?
ディープテック(Deep Tech)とは?
ディープテック企業は、新たな科学的または技術的ブレークスルーを適用した製品を初めて世に出す企業です。
この定義が意味するところは「アイデアを実際に機能させるには技術的なリスクがある」ということにほかなりません。
従来のベンチャー企業と比べ、研究開発段階の期間が長いこと、技術者の比率が高いこと、またハードウエアやIPの開発を伴うことも多く、より多額の資金と長い時間を費やすケースも少なくありません。
技術的リスクが克服されたとしても、市場の需要に製品が合致していることを証明するというリスクは存在します。市場での需要が立証されれば、ネットワーク効果や販路確保に頼らずとも、技術的優位性は競合に対する、より強力な防御力となり得えます。
今日のディープテックが、今後もディープテックであり続けるとは限らず、技術や製品の新規性がなくなり、企業の規模が拡大すれば、かつてディープテックだったものが一般的な技術になってしまいます。
ディープテック(Deep Tech)への投資動向
ディープテックへの投資は「勢い任せの賭け」から「世界の重大な問題を解決する新しい技術に対する投資」へと変化しつつあります。
VC投資は2022年に新たなマーケットフェーズに入り、最高潮だった2021年と比較すると大きく減速しています。
2022年1月の利上げに伴う株式市場の下落、そして成長株(ハイテク)からバリュー株(工業株、エネルギー)への投資対象の転換が見られたため、ハイテク銘柄が多いNasdaq市場の2022年最終株価は年初比33.1%の減少となりました。
この衝撃は未上場企業のマーケットにも及び、特に2022年後期はVC活動の鈍化が見られます。調整の遅れ、プレコミットメント、報告の遅れにより、この影響は第3および第4四半期になって初めて明らかになってきました。
2022年第3四半期と第4四半期の、ヨーロッパVCによる投資額は前年同期比で-46%となりましたが、エネルギーとディープテックはもっとも減少幅が小さい業界となりました。
本レポートでは、最新のヨーロッパのディープテック動向や詳細を把握することができます。
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