※自治体通信とは、経営感覚をもって課題解決に取り組む自治体とそれをサポートする民間企業を紹介するメディアです。
このトレンドレポートでわかること
●「行政」関連のテックトレンド(行政のデジタル化、自治体財政、電子投票、教育、政策立案etc)
※今回TECHBLITZ上で配布する「GovTech Trend Report」は一部項目のみの短縮版となります。下記コンテンツを含んだ完全版は「BLITZ Portal」会員のみに配布いたします。
[完全版で追加される内容]
スタートアップ側の公共セクターとの協働は忍耐が試される
2022年5月、デジタル・行革・規制改革担当大臣が行政の「無謬性神話」からの脱却の必要性を提唱したことが話題となりました。「行政は間違いを犯さないもの、間違いを犯してはならないもの」という意識が、行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)や臨機応変な対応を妨げているという考えが前提にあります。
まさにこのことが、公共セクターにおけるスタートアップの活躍を妨げる要因となっています。新興企業との協働にはリスクがあり、過度のリスクを取ることが望まれない政府や自治体が慎重になるのは当然です。民間のように特定のターゲット層だけにサービスを提供すればいいというものでもなく、全方位への配慮も必要となります。スタートアップ側にとっても、公共セクターとの協働は忍耐力を試されます。これは日本だけに見られる現象ではありません。たとえばコロナ禍前の2019年にRoland Bergerが公共サービス分野に特化したイギリスのベンチャーキャピタル、PUBLICと共同で行った調査によると*、調査対象となったフランスのスタートアップの69%が、民間企業よりも公共部門と仕事をする方が「難しい」と回答しています。その理由としては、入札への対応にかかる時間と労力、入札情報を常に把握することの難しさ、行政側のリスク回避姿勢、技術に対する無理解、スピード不足などが挙げられ、行政における起業家精神の理解あるいは向上の重要性が指摘されています。
Covid-19の大流行は、このような傾向に変化をもたらしました。世界中の政府が、機動的に政策を打ち出し、もし誤りがあればすぐにそれを認めて軌道修正をすること、加えてプロセスの合理化とサービスのデジタル化の必要性を認識することになりました。Covid-19は、行政のデジタル化のアジェンダを一気に加速させると同時に、多くのスタートアップが持ち前のフットワークの良さを発揮し新たなソリューションを提供する契機となりました。公共セクターがスタートアップのエコシステムにかつてないほど依存するようになった、新たな時代の到来といった形容まで聞かれます。
* Roland Berger & PUBLIC "GovTech en France: état des lieux et perspectives"
GovTech(行政テック・ガブテック)とは、テクノロジーで行政課題の解決を試みること
上記のような背景から本レポートでは、行政が直面する課題にテクノロジーを活用して解決を試みる「GovTech」をテーマに設定しました。デジタル技術を駆使した公共サービスの効率化と利便性向上、オンライン投票、政策立案プロセスの合理化、市民の地域社会への参加を促すソリューションなどを提供するスタートアップを幅広く取り上げ、公共セクターにおけるスタートアップとの協業事例も紹介しています。
海外のGovTech事例
欧米を中心に、住民の要望を取り入れる形で様々な行政サービスのアップデートが行われています。それらはスタートアップの技術・テクノロジーを用いることも多く、多様な機能の導入や各種登録申請・行政手続き簡略化が実現しています。
例えばフランス政府は、スペインに本拠地を置くScytl社のサービスを導入し、国外に住むフランス国民の遠隔電子投票を実現しています。
またラスベガス市では、米国スタートアップのCityzenith社と提携しています。Cityzenithは建物や交通網、インフラなど、都市の物理的な建築環境をデジタルで再現し、IoTやカメラなどから得られる関連データを取り込むことのできるサービスを提供しています。両者は共同で、大気汚染・騒音などのデータを測定し脱炭素化を進めるプロジェクトを推進。一定の成果が得られたことで、不動産オーナーやカジノ経営者なども交えたコラボレーションのフェーズに移ることを明らかにしました。
GovTechで出来る事
「GovTech Trend Report」は、以下の画像の内容で構成しております。そのうち本記事下部のフォームから入手できる短縮版では、冒頭の「Overview」と「カテゴリー概要」のセクションをご提供しています。
「カテゴリー概要」では、「行政」領域の注目テックカテゴリー概要と、その領域における代表的なスタートアップを紹介しています。紹介するスタートアップは、直近の資金調達情報や事業概要や報道記事を元に、「TECHBLITZ」編集部にて有望性や独自性を判断して選定しています。
- 行政のデジタル化
- データ・インテリジェンス
- キャッシュレス決済
- 自治体財政
- 公共調達
- 公務員のコラボレーション
- 市民参加&市民の声の反映
- 電子投票
- アクセシビリティ
- 教育
- 都市計画
- 道路交通
- 安全&災害対策
- 警察&消防
- 政策立案
- 広報&渉外
- 規制や規制プロセスの改善
日本企業が現状のトレンドを予測するうえで、またオープンイノベーションの進め方を考えるうえで、本レポートがお役立ていただければ幸いです。
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