アスリートを撮影したショート動画をソーシャルネットワーク上で配信し、次世代の若者から多くのビューを獲得しているOvertime。コンテンツを軸にスポーツファンのコミュニティが形成されている。このモデルをどのように実現できたのか、CEOのDan Porter氏に聞いた。

新しいアプローチでスポーツファンにリーチ

―Overtimeのサービス内容を教えてください。

 Overimeは次世代スポーツファンのためのネットワークです。Instagramで9チャンネル、Snapchatで4チャンネル、YouTubeで4チャンネル、TickTockでは6チャンネルを持ち、スポーツファンのために作成した動画を公開しています。

 Webサイトを作りそこに情報を集約させてファンに見せる従来の方法ではなく、デジタルネイティブの次世代に向けた新しいアプローチでコンテンツ配信を行っています。

―どのようにコンテンツを作成しているのですか。

 Overtimeのコンテンツを作成するiPhoneクリエイターが世界に2000人います。世界中にいるアスリートをそのエリアにいるクリエイターが撮影し、Overtimeのロゴをつけてすぐにアップロードします。当社は、スポーツのハイライトを記録してすぐにアップロードしてシェアできる独自のカスタムiPhoneテクノロジーを開発して、提供しています。

Dan Porter
Overtime
CEO
1995年NewYork大学にて歴史学の学士、1988年Princeton大学にてラテンアメリカ研究の修士号を取得。Teach For AmericaのPresident、オンラインチケット会社TicketWebのCOO、2008年にソーシャルゲーム会社OMGPOPを設立(2012年にZyngaに売却)。2013年からWilliam Morris Endeavor勤務を経て、2016年にOvertimeを設立。

―Overtimeのアイデアはどのように生まれたのですか。

 以前スポーツ業界で仕事をしていたのですが、Z世代と言われる次世代の若者は、プロのスポーツリーグでさえ、3時間のライブは見ません。デジタルネイティブである彼らにはテレビは必要なく、スマートフォンやパソコンから情報収集しています。

 そして、私がタレントエージェンシーで働いていた際に、YouTuberやInstagramerのインフルエンサーといったデジタルタレントにフォーカスしたビジネスをしていました。彼らはZ世代に多くのフォロワーを持っており、これは大きな消費行動の変化を示唆していました。Z世代が見たいものを作り上げることができたら、そこには大きなビジネスチャンスがあると気づきました。

真のインフルエンサーである若者に注目

―創業の経緯を教えてください。

 Z世代のためのコンテンツを作成しようと、たくさんのアイデアを出し、テストしていきました。その1つとして夏のニューヨークのストリートパークでバスケットボールをする高校生を撮影しました。彼らがその動画をSNSでシェアしたら、想像以上のビューを獲得し、一躍人気コンテンツに。彼らはソーシャルメディアに多くのフォロワーを持ち、コミュニティ形成の一端を担っていたわけです。彼らが真の意味でのインフルエンサーであることに着目し、これをビジネス化しようと創業しました。

―すぐに成功しましたか。

 Z世代の高校生アスリートを撮影したコンテンツは爆発的に拡散され、Z世代の多数のビューを獲得し、コンテンツの周りにコミュニティが形成されました。高校生バスケットボールから始まり、今ではNBA、サッカー、ビデオゲームなどの領域をカバーするようになりました。

―ビジネスモデルを教えてください。

 当社のビジネスモデルはデジタルコンテンツを通して大きなコミュニティを構築することです。そのコミュニティにリーチしたいと考えるブランドと提携し、スポンサー料として収益を得ています。テレビコマーシャルと大きく異なる点は、見たい番組を中断するコマーシャルではなく、彼らが見たいコンテンツの中にブランドを含めることで、喜んで、かつ楽しみながら広告を見てもらえる点です。

 また、ストリートバスケットボールを中心としたブランド構築を目指して、独自のアパレル商品を開発し、直接的な販売収入を得ています。

グローバルスポーツネットワーク構築を目指して

―今後のビジョンをお聞かせください。

 当社の長期的ビジョンは、全ての若者が所属したいと思う大規模な次世代グローバルスポーツネットワークの構築です。多くのビューを獲得できる3、4つのスポーツコミュニティの構築を目指しています。そのためには、うまく機能している成功ポイントを研究し、まだ機能していない領域に対して戦略を立てて実行していく必要があり、それが中期的な目標です。

―アジア市場をどのように見ていますか。

 現在、NBAとフランス以外でのバスケットボールプラットフォームでも我々がトップを取っています。特にヨーロッパでは急激に成長しています。サッカーでも同様に取り組んでいます。これらは国際的なスポーツですから、世界中のスポーツファン全てにリーチしたいと考えています。アジアでは特に、バスケットボールの人気が高い中国に興味を持っています。

―どのようなパートナーを求めていますか。

 当社のアプローチは、Z世代がターゲットですので、そのエリアに住む彼らが新しいスポーツネットワークをどのように捉えているか、どんな消費行動をしているかなどの傾向を知る必要があります。そういった、まだ把握できていない情報を持っているパートナーが必要だと考えています。



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