スマホで写真を撮ってシェアするだけで簡単に売買できるアプリ
―創業の経緯を教えてください。
私はシアトル近郊の自宅の部屋全体に溢れる物を売却処分しようとした時に、既存の方法は煩雑で使いにくいと感じました。その時に、「スマートフォンがあれば、ローカルコマースを再構築することができそうだ」と考えました。
米国人全体で見ると、新しい物の購入に何兆ドルも費やしており、また収納スペースに何十億ドル相当の物を眠らせている状態です。米国の中古品売買市場は2023年までに510億ドル規模になることが見込まれます。そこに目を付けて創業しました。
私達は、中古品の売買を可能な限り、摩擦がなく、基本的にスマホで写真を撮ってシェアするだけで簡単にできるものにしたい、と考えています。
―OfferUpは米国ではどのくらい利用されているでしょうか。
これまでに8500万回インストールされ、4400万人のユーザーを抱えています。ロサンゼルス、シアトル、マイアミでは成人の15%以上が毎月利用しています。靴から家具から車まで、何でも売買されています。特に中古車の売買は10%程度で大きな割合を占めます。
―OfferUpはCtoCのサービスなのでしょうか。
一般消費者だけでなく、地域の販売業者も利用しています。2018年には当社の有料販売プログラムを利用する業者は2000以上に達しました。
Eコマースの成長可能性
―ビジネスモデルを教えてください。
マネタイズの方法はいくつかあります。一つ目は、より多くの人に閲覧されるためのプロモーションのプロセスを有料とすることです。プロモーションのプロセスは、ユーザーの取引がより速く完了するのを促します。
もう一つには、サブスクリプションフィーを払うことで表示される外部業者の広告があります。ユーザーがOfferUpで欲しい物を見つけられない場合に、その外部広告をクリックすればお目当ての物を別のサイトで購入できるということです。
さらには、支払い時の課金があります。商品を人に会って直接渡すだけでなく、商品を箱に入れて送りたい時には、売主に9.9%の課金がされます。これで、住んでいる街から離れた場所や、あるいは米国内のどこにでも、商品を送ることができます。
―競合と比較しての強みはどこにあると考えていますか。
当社の強みは、強力な競合が現れる前に真っ先に市場に参入し、クチコミで成長したことです。
Eコマースは世界最大規模の米国でもまだまだ成長可能性があります。米国内の販売業者の85%は地域に密着した業者で、ネットにつながっていません。そこをもっと開拓していこうとしています。
日常生活に根付いたサービスに
―当面の目標と、長期的なビジョンについて教えてもらえますか。
当面の目標は、OfferUpが最も簡単で信頼されるフリマアプリになることです。ユーザーの大半はミレニアル世代で、OfferUpもユーザーの人生に沿って成長していけると考えています。
長期的なビジョンは、人々の日常生活により根差したサービスになることです。現在は米国のみで展開していますが、将来的には日本も含め米国外でも展開していきたいです。