Image: MURAL
ひらめきを生み出したり、活発なディスカッションを誘発するには、環境やツールが重要である。MURALは、コラボレーションを促進し、良いアウトプットを誘発するクラウド型コラボレーションツール。同社は累計1億4000万ドル超を調達しており、日本市場の本格展開も予定している。今回はCo-Founder & CEOのMariano Suarez-Battan氏に話を聞いた。

オンラインでも、チームでホワイトボードにアイデア出しできる感覚

――まずはMURALを立ち上げた経緯について教えてもらえますか。

 私は、2005年にビデオゲーム会社Three Melonsを立ち上げ、2010年にFacebookでサッカーゲーム「Bola」を公開しました。そして同年に、ソーシャルゲームメーカーのPlaydomに買収され、最終的にPlaydomはDisneyに買収されました。「Bola」は公開から2年後の2012年には、約2000万人のプレイヤーが使うゲームに成長しました。

Mariano Suarez-Battan
MURAL
Co-Founder & CEO
Universidad Torcuato Di Tella(アルゼンチン・ブエノスアイレス)にて経営学の学位を取得。2005年にゲーム開発会社Three Melonを共同で設立し、CEOに就任。2010年に、ソーシャルゲームメーカーPlaydomに同社を売却。2011年にMURALを設立し、CEOに就任。
 買収に伴い、Disneyでゲーム開発に携わるようになり、新しいアイデアを考えていた時のことです。私はパワーポイントやキーノートよりも「下書き」に近い感覚で、複数のメンバーで共創できるものがほしい、と感じるようになりました。

 MURALは、ゲームデザイナーだった私自身のニーズから生まれています。まだ深く詰められてない完璧ではないアイデアを、ホワイトボードに下書きするような感覚で使えるツールがほしいと思ったのです。

企業のデジタルシフトによって急速に成長するクラウドデータプラットフォームQumulo
関連記事
企業のデジタルシフトによって急速に成長するクラウドデータプラットフォームQumulo
「企業のデジタルシフトによって急速に成長するクラウドデータプラットフォームQumulo 」の詳細を見る

――MURALはどんなツールで、どういった方々に利用されているのでしょうか。

 イノベーションは、最初はひらめきから始まると考えています。MURALは、言わば「クラウド型のひらめき可視化ツール」です。MURALはひらめいたアイデアを可視化でき、共有することができます。こういったツールは特にデザイン思考を重視し、迅速にプロジェクトを進めたいチームには必要なものです。

 当社の顧客にはグローバル企業、業界トップクラスの企業が多く、私たちはアクセンチュアやIDEOなど、働き方を改革するコンサルタントと提携しています。

 MURALの用途はたくさんあります。デザイナー、エンジニアやプロダクトマネージャーなどが、社内メンバーからひらめきを導き出すため、あるいは問題を解決するため。営業担当者がクライアントとワークショップを行う際に活用するためなどに利用されています。

 企業だけでなく、政府機関や地方自治体、そして教育機関で、変化を起こしたいと考えている組織でも、様々な形で活用されています。

――日本人は内向的で、アイデアを共有するのを躊躇するケースもあります。

 そうですね。内向的な人も利用しやすいよう、「プライベートモード」という機能を最近導入しました。
   この機能を使うと、例えば、Sticky note(ポストイット)に意見を書き込み、ボードに貼り付け、皆で共有する形で行うブレインストーミングの場でも、非公開のSticky noteを作れます。そして、ファシリテーターがいれば、ファシリテーターのみに共有し、全体の場で公開するか判断を委ねることが可能です。

 内向的な人に限らず、MURALの利用者は、様々なセッションで経験を重ねることで場慣れし、自信がついていきます。そうすると、より積極的に意見を発し、自信を持ってセッションに参加できるようになります。

Image: MURAL プライベートモードでは、メンバーに非公開の意見を書き込んだり、ファシリテーターのみに共有できる。

日本市場でもチーム組成、本格展開を予定

――日本でもすでにユーザーがいるのでしょうか。

 はい、まだ社名は出せませんが、日本企業にもご利用いただいています。パンデミックになってからは、アーリーアダプターに限らず、多くのユーザーがいます。

 まだ日本語版はありませんが、日本語でのコンテンツ作成は可能です。ビジュアルを重視したUIになっているので、英語が理解できなくてもMURALの使用方法はわかっていただけているようです。

Image: MURAL ビジュアル重視のUIで直感的に操作できる。

 当社は、今年8月に完了したシリーズBラウンドで、日系VCであるWiLから出資を受けました。いま同社の協力を得て、日本市場への参入を進めています。今後、日本で営業やカスタマーサクセス担当者やファシリテーターを募集します。そして、来年にはチームを組んで日本市場に本格参入する予定です。

コロナ禍で働き方の見直しが加速。海外発の業務効率化ツール、注目の15カテゴリ
関連記事
コロナ禍で働き方の見直しが加速。海外発の業務効率化ツール、注目の15カテゴリ
「コロナ禍で働き方の見直しが加速。海外発の業務効率化ツール、注目の15カテゴリ」の詳細を見る
その会議必要? 退屈なビデオ会議をなくし、仕事や生活の質を向上させるビデオコミュニケーション「mmhmm」
関連記事
その会議必要? 退屈なビデオ会議をなくし、仕事や生活の質を向上させるビデオコミュニケーション「mmhmm」
「その会議必要? 退屈なビデオ会議をなくし、仕事や生活の質を向上させるビデオコミュニケーション「mmhmm」 」の詳細を見る



RELATED ARTICLES
MITの研究生まれ、次世代バインダー材料でリチウム電池の性能向上 Nanoramic
MITの研究生まれ、次世代バインダー材料でリチウム電池の性能向上 Nanoramic
MITの研究生まれ、次世代バインダー材料でリチウム電池の性能向上 Nanoramicの詳細を見る
家を買って、直して、高く売る。アナログだった市場にテックの風 Backflip
家を買って、直して、高く売る。アナログだった市場にテックの風 Backflip
家を買って、直して、高く売る。アナログだった市場にテックの風 Backflipの詳細を見る
CO2を減らす発電所? ホンダも出資するドイツ発のReverion
CO2を減らす発電所? ホンダも出資するドイツ発のReverion
CO2を減らす発電所? ホンダも出資するドイツ発のReverionの詳細を見る
AI進化の鍵はGPUを「つなぐ」技術 BroadcomやGoogleの元エンジニアらが設立のEnfabrica
AI進化の鍵はGPUを「つなぐ」技術 BroadcomやGoogleの元エンジニアらが設立のEnfabrica
AI進化の鍵はGPUを「つなぐ」技術 BroadcomやGoogleの元エンジニアらが設立のEnfabricaの詳細を見る
Teslaでの開発経験を活かして創業、コネクテッドカーの未来を支えるSibros
Teslaでの開発経験を活かして創業、コネクテッドカーの未来を支えるSibros
Teslaでの開発経験を活かして創業、コネクテッドカーの未来を支えるSibrosの詳細を見る
企業データと生成AIを接続、「最も賢い同僚」を仕事中独占できる? MindsDB
企業データと生成AIを接続、「最も賢い同僚」を仕事中独占できる? MindsDB
企業データと生成AIを接続、「最も賢い同僚」を仕事中独占できる? MindsDBの詳細を見る

NEWSLETTER

TECHBLITZの情報を逃さずチェック!
ニュースレター登録で
「イノベーション創出のための本質的思考・戦略論・実践論」
を今すぐ入手!

Follow

探すのは、
日本のスタートアップだけじゃない
成長産業に特化した調査プラットフォーム
BLITZ Portal

Copyright © 2025 Ishin Co., Ltd. All Rights Reserved.