有料で運転手向けサービスも開始
―どんなアプリケーションなのでしょうか。
基本のアプリは無料ですが、プレミアムのサービス「Life360 Plus」を利用するには月2.99ドルの課金が必要です。リアルタイムで登録したメンバーの居場所が確認できるというのが主要な機能です。特定の時間、特定のグループに対しては居場所を分からなくすることもできます。有料機能では30日分の履歴を受け取ることができます。特定の場所に入ったり、離れたりするとアラームが鳴るような機能も設けることができます。最新のサービス「Life360 Driver Protect」では、月4.99ドルで車を運転しているときの事故や緊急時のモニター機能を追加することもできます。
―強みはどこにありますか。
家族の安全を守るうえで、モバイルは肌身離さず持っていることが多いので、伝統的なセキュリティー業界に比べると優位性があります。また大量のデータを使ってよりよいサービスにつなげることもできますし、無料や安価でサービスを提供できる点も強みです。2008年に米国をハリケーンカトリーナが襲い、家族の居場所を簡単に確認できる必要性が認識され、Life360を立ち上げるきっかけになりました。現在は1800万人のユーザーがいます。
Image: Life360
HBSで起業を決意
―どのようなキャリアを経て起業に至ったのですか。
私は高校卒業後に空軍に参加し、ワールドトレードセンターへのテロがあった2001年9月11日まで訓練をしていました。中東に派遣され、アフガニスタンとパキスタンでミッションにあたりました。その後、UCバークレーに通い、ゴールドマンサックスでインターンをしました。フルタイムで働かないかと言われましたが、思うところがありハーバードビジネススクールに出願して内定を得て、最後の自由な夏を旅してまわることにしました。
南極になんとか行ってみたいと考えて、南極大陸のリサーチ拠点で皿洗いの仕事も確保して、行く前に義務付けられている健康診断を受けたのです。そこで、なんと腫瘍が見つかりました。そのために結局南極大陸には行かずにハーバードビジネススクールに行きました。ビジネスを始めようという気持ちになり、2008年にLife360 を立ち上げ、この年の Google’s Android Challengeで表彰されました。
世界中で家族を守る技術を
―今後の展望を教えてください。
テック業界は、家族のことを忘れがちです。でもテックが家族を守るサービスを私たちは世界中に広めていきたいと考えています。2019年は海外展開に力を入れるつもりでチームを作っています。米国ベースで質を上げながらも、国際的に拡大も目指しています。
―日本での展開はどのように考えていますか。
日本語は我々のユーザーが使用する言語のトップ10に入っています。iOSも非常に高い比率で使われているので、私たちにとって拡大していくうえで非常に魅力的な市場です。Yahoo!Japanとパートナーを組んでいます。